目次
- 片流れ屋根とは?基本的な特徴を解説
- 片流れ屋根のメリットその1:太陽光パネルを最大限に設置可能
- 片流れ屋根のメリットその2:建築コストを下げられる
- 片流れ屋根のメリットその3:デザインがシンプルで格好いい!
- 片流れ屋根のメリットその4:施工が容易
- 片流れ屋根のメリットその5:初期費用が抑えられる
- 片流れ屋根のメリットそ6:北側斜線に対応しやすい
- 片流れ屋根のメリットその7:天井を高くできる
- 片流れ屋根のメリットその8:足場を省ける
- 片流れ屋根のメリットその9:開放的なデザインが可能
- 片流れ屋根のメリットその10:総二階の建物に似合う
- 片流れ屋根のメリットを活かしてさらにスタイリッシュにするには?
- 【まとめ】片流れ屋根は、太陽光発電効率やデザイン性に優れた選択肢
片流れ屋根とは?基本的な特徴を解説
片流れ屋根とは?基本的な特徴を解説します。
片流れ屋根とは一枚の屋根面が一方向に傾斜している屋根形状で、別名「片屋根」とも呼ばれることもあります。
以前は物置などの小さな屋根でときどき見かける屋根でした。
しかし、片流れ屋根の特徴であるシンプルでシャープなデザインが人気となり、近年は大幅に採用が増えていています。
片流れ屋根のメリットその1:太陽光パネルを最大限に設置可能
片流れ屋根のメリットとして、太陽光パネルを最大限に設置可能なことがあります。
太陽光パネルはその方角によって発電効率が変わります。
南向きに比べて、東・西向きは約17%減、北向きは約38%減となり、設置屋根の方角は重要です。
そのため、南向きの片流れ屋根では、太陽光パネルを大量に設置できるのに加えて、発電効率がもっとも良くなるため、発電量がもっとも多い屋根となります。
片流れ屋根が太陽光パネルの設置に適していることについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
片流れ屋根のメリットでもある太陽光屋根で、雨漏り・結露が防げるって、ホント!?
片流れ屋根のメリットその2:建築コストを下げられる
片流れ屋根のメリットは他の屋根形状よりも建築コストを下げられることがあります。
- 軒の出を無くすことで、屋根面積を減らすことができます。
- 緩い傾きの屋根とすることで、屋根裏の材料を減らすことができます。
- 屋根裏の構造がシンプルで接合面がないため、手間も減らすことができます。
- 屋根形状を真っ四角とすれば、屋根周辺(軒・角・棟)部材の量を減らすことができます。
- 総二階とすることで、外壁面積も減らすことができます。
- 太陽光設置も一面だけとなるので施工費用を抑えることができます。
- 雨樋も一方向に取り付けるだけなので、雨樋にかかる費用を抑えることができます。
これらは初期費用を抑えることができるので、建築会社にとっては大きなコストダウン(メリット)となります。
片流れ屋根のメリットその3:デザインがシンプルで格好いい!
片流れ屋根のメリットはデザインがシンプルで格好いいことがあります。
以下の理由により、デザインがシャープで格好いいと人気です。
- 軒の出をゼロにすることで、スタイリッシュな箱型デザインを実現します。
- 金属屋根と相性が良く、片流れ屋根のシンプルな外観にモダンな質感がマッチします。
- 継ぎ目が少なく、水が流れやすいデザインの立平葺きとも好相性です。
- 立平葺きは0.5寸以上と緩勾配でも施工できるため、屋上防水を使用しなくても箱型デザインを実現できます。
箱型デザインの住宅を希望される場合、屋上防水だと10~15年毎に防水メンテナンスが必須となりますが、片流れ屋根での箱型デザインであれば、立平葺きで対応できるので省メンテナンスとなります。
片流れ屋根のメリットその4:施工が容易
片流れ屋根のメリットは施工が容易なことがあります。
一枚の屋根面で構成された片流れ屋根は構造がシンプルで複雑な接合部や屋根形状がないため、設計から施工までの各工程で作業が容易となります。
施工が容易なことにより、初期費用が抑えられる可能性については次章で詳しく解説しています。
片流れ屋根のメリットその5:初期費用が抑えられる
片流れ屋根のメリットは初期費用が抑えられることがあります。
一枚の屋根面で構成されたシンプルな作りのため、建設コストを全般的に抑えることができます。
建設会社は建設コストを抑えた分だけ、住まい手からの価格交渉にも対応できるので、初期費用が抑えられることにつながります。
片流れ屋根のメリットそ6:北側斜線に対応しやすい
片流れ屋根のメリットは北側斜線に対応しやすいことがあります。
片流れ屋根は一方向のみに傾斜するため、北向きの片流れ屋根にすることで、北側の屋根を低く抑えることが可能となります。
近年の片流れ屋根ブームが起きる前は、北側斜線制限に対応するために北向きの片流れ屋根とすることがほとんどだったようです。
片流れ屋根のメリットその7:天井を高くできる
片流れ屋根のメリットは平屋での天井高を高くできることがあります。
片流れ屋根は一枚の屋根面のため、屋根勾配を急にさせることで水上側の天井を高くすることができます。
一方で、水下側は天井が低くなるため、バランスを取ることも可能です。
片流れ屋根のメリットその8:足場を省ける
片流れ屋根の平屋のメリットは軽微な修理なら大掛かりな足場を省ける可能性があります。
平屋でも軒高は2m以上となるため、安全対策は必要です。
ただし、小規模な屋根修理ならぐるりと外壁まわりに足場をかけなくても施工できる可能性もあり、足場を省力化することで、コストの削減や工期の短縮につながります。
一方で、工事する建物が2階建てであれば屋根の高さは6〜8mの高さになり、小規模な屋根修理でも足場なしでの屋根工事は難しくなります。
屋根工事と足場の関係について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根工事を足場なしで行うのは違法?創業150年の屋根屋が徹底解説
片流れ屋根のメリットその9:開放的なデザインが可能
片流れ屋根の平屋のメリットは開放的なデザインにできることがあります。
水上側(高い側)を高くし、勾配天井とすることで、室内は開放的なデザインとなります。
勾配天井は、水平天井よりも空間の広がりを感じさせる設計が可能と言われています。
また、水上側の天井付近の外壁を窓にすることで、さらに開放的なデザインとなります。
片流れ屋根と平屋の相性について詳しくはこちらの記事で解説しています。
片流れ屋根と平屋は相性が良い?屋根屋が徹底解説【外観実例集あり】
片流れ屋根のメリットその10:総二階の建物に似合う
片流れ屋根のメリットは二階建ての建物に似合うことがあります。
特に、総二階の建物は延床面積に対して、屋根・壁の面積をもっとも小さくできるため、その分、初期費用や将来の外壁塗装などのメンテナンス費用を抑えられることが可能です。
屋根・外壁のメンテナンス費を抑えることは長寿命な住宅を実現しやすくなります。
片流れ屋根と二階建ての関係について詳しくはこちらの記事で解説しています。
片流れ屋根のメリットを活かしてさらにスタイリッシュにするには?
片流れ屋根のメリットを活かしてさらにスタイリッシュにするポイントについて紹介します。
●屋根勾配を工夫すると、さらに洗練されて見えてきます。
- 勾配を緩やかに設定すると、建物全体がコンパクトで落ち着いた雰囲気に。
- 勾配を急にしすぎると外観のバランスが崩れるため、適度な角度を選ぶのがポイント。
●屋根裏のロフトスペースを活用したい場合は、水上壁側に逆向きの片流れ屋根を設置する段付き屋根を検討しましょう。
段付き屋根も片流れ屋根と同様に人気のある屋根形状と言えます。
外観的には片流れ屋根が2つ引っ付いたような感じでバランスは保ちながら、内部空間を有効活用できる可能性があります。
片流れ屋根をおしゃれにするポイントについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
片流れ屋根がおしゃれに感じる3つの理由とは?実例も紹介して解説
【まとめ】片流れ屋根は、太陽光発電効率やデザイン性に優れた選択肢
片流れ屋根のメリットを10個ご紹介しました。
代表的メリットとしては、太陽光発電効率化やデザイン性、初期費用の削減など、魅力的なものが多いです。
一方で、雨漏りや結露などが発生しやすいという建物の耐久性低下に関わるデメリットもあります。
片流れ屋根のメリットを活かしながら理想の家を建てるために、ぜひお気軽にご相談ください。
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