瓦屋根と建物の耐震性に関する講演会 瓦屋根を軽い屋根にする必要はないですよ~!

瓦屋根と建物の耐震性について勉強しました!

昨日は、建物の耐震性に関して勉強しました。

住宅の構造計算・壁量計算の考え方をざっと教えていただきました。

耐震2

木造2階建て住宅は4号建築物で、構造計算ではなく、仕様規定である壁量計算を行っています。

地震では、建物重さに比例して、力がかかるため軽量の方が有利です。

しかし、建物重さに合わせて壁量計算が行われているため、屋根材が瓦でもスレートでも耐えうる構造になっています。(瓦の場合、壁量が多くなります。)

新築では、瓦屋根としても、建物の耐震性には全く問題ありません。

 

なぜ?地震で瓦屋根が問題となるの?

それでは、なぜ地震で瓦が問題にされるのでしょうか?

巨大地震時に発生した2つの事象のためです。

①瓦屋根の建物が倒壊した事象(阪神大震災など)

瓦が重いために、倒壊したという正しくないイメージが強く刷り込まれています。

しかし、旧耐震基準以前(1981年5月以前)の建物が大多数倒壊していて、その原因は建物の強度がないために倒壊したのです。

以下が倒壊した建物の原因と言われています。

●壁量が足らない(耐震性がない)

●壁の配置バランスが悪い

●柱脚・柱頭の接合部で金物が使用されていない

●基礎が無筋コンクリート・ひび割れが入っている

●建物の一体性がない

●腐朽や蟻害が発生している

これらに屋根の話は出てこないのです! 

繰り返しますが、建物の強度不足が原因です!

 

②瓦屋根の部分が破損・落下した事象(東日本大震災など)

東日本大震災では、建物の倒壊が問題になったわけではありません。(瓦屋根の建物は非常に多くありましたが。)

瓦屋根が問題にされたのは、多くの瓦屋根の棟部が部分的に落下・破損したためです。

この原因としては、築20年以上の瓦屋根がほとんどで、その施工法が耐震性の低い旧工法のままであったためでした。

以下が瓦屋根の棟部が倒壊した理由です。

●瓦屋根が旧工法であった

 

以上2つの事象をよく考えてみると地震被害と屋根の重さは直結している問題ではないのです!

 

耐震リフォームについて

耐震リフォームの教科書である「木造住宅の耐震補強の実務」において、旧耐震基準の建物の耐震補強では、耐震補強計画を立てる際のポイントを以下としています。

部位別に整理して、建物全体を考えて効果的に耐震性を高めること!

補強ポイントは以下の通りです。

耐震3

上の①瓦屋根の建物が倒壊した事象の本当の原因が(1)〜(6)まで並んでいます。

当然、屋根の軽量化については出てきません。

 

軽量化の話は?

(7)その他の中に、建物の軽量化が記載されています!

つまり、屋根の軽量化は2割程度効果はありますが、耐力壁・接合部・劣化の影響はもっと大きいオーダーとなるそうです。

耐震補強では、耐力壁・接合金物・劣化補修の方が優先であり、費用対効果も格段に大きくなります。

リフォームにおいて、屋根の軽量化で耐震化になるかどうかは、全体の耐震補強計画を考えないと判断できまないのです!

安易な屋根軽量化セールス(金属屋根系の屋根診断士)には、だまされないでください!

また、軽量な屋根材に交換するデメリットとして、「屋根瓦の遮音性、断熱性、耐久性など居住者に影響することを施主に伝えることも必要である。」と記載されています。

一方、新築では、屋根材の重さに合わせた耐震性(壁量)を確保していますので、重さだけにこだわらず、耐久性・遮音性・経済性(ランニングコスト)・デザイン性も考慮してください。

特に、経済性(ランニングコスト)は長寿命住宅では大きな差(合計約1,000万円)となりますので、無視できないですよ!

最後に、②で説明した瓦の施工法は、現在はもちろん、耐震性のある工法となっています!

新築・リフォームを問わず、瓦屋根の工事においては、「ガイドライン工法」と指定していただければより安心ですよ!

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Dr.神谷
神清のまとめ役。
学者肌で数々の「産学官」の連携研究事業を行い、業界内でも数少ない技術派です。その知恵で若いスタッフを指導しています。

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