【新築を建てる前に】屋根のデザイン一つで125万円も損するかも。知っておきたい屋根デザインの知識(軒の出がない~軒ゼロ住宅)

軒ゼロ住宅のリスクとそのコストを計算!驚愕の結果です!!

~戸建住宅の購入を検討されている皆様へ~

ここに2つの住宅模型の写真があります。

パッと見るとどちらの住宅がいいですか?

A:

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B:

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A:白い外壁、黒い屋根

B:ベイジュの外壁、茶色の屋根、それに煙突がある

AとBの違いを上げるとすると、他にありますか?

(持っている人の洋服の色はダメですよ。)

この比較で注目してほしいのは、屋根のデザインです。

A:屋根が壁から突き出しているデザイン

B:屋根が壁と同じ大きさのシンプルなデザイン

あなたはどちらがお好みですか?

実は、この2つでは住宅購入後、大きな違いが発生しますので、購入前によ~く、知ってから選んでくださいね。

 

軒ゼロ住宅は雨漏りリスクが高い!!

A:軒の出がある住宅 B:軒の出がない住宅(以降、軒ゼロ住宅)といいます。

いきなり、結論ですが、Bの軒ゼロ住宅は、雨漏りリスクがとても高いのです。

建築業界誌では、新築時の雨漏り事故が約5倍高いと警鐘を鳴らしています。

弊社が行った雨漏り調査物件の統計では、100件中、80件が軒ゼロ住宅でした。

それでも、デザインが好まれるのか?・・・多く建っていますね。

せっかくのマイホーム生活が雨漏りと闘う日々とならないように・・・

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(軒ゼロ住宅の雨漏り調査/熱画像 白く囲まれた部分の外壁に雨水浸入あり)

 

軒・軒の出とは?

そもそも、軒(のき)とは、外壁から外にある屋根の部分のことを言います。

軒の出とは、その屋根の部分の長さのことです。

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屋根の軒側を軒先の出、ケラバ側をケラバの出と言います。

日本では、茅葺き屋根・社寺建築に代表されるように、古来より軒の出があるデザインを採用してきました。

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先人達の知恵とはどんなものだったのでしょうか?

 

軒の出があるメリットを考えてみましょう。

軒の出があるメリット

「軒の出がある」とは、わかりやすく例えると人が傘をさしている状態です。

傘をさすのは、服やカバンを濡らしたくないから。

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それと同じで、住宅に軒の出があるのは、外壁や窓を濡らしたくないからです。

それでは、もう少し詳しく説明します。

 

雨漏りを防ぐ

壁面への雨掛かり量が減少

(「雨掛かり」とは雨が降ると常時濡れてしまう場所のこと。)

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写真の建物の壁を見ると降雨によって色が変わっていますね。

右側の軒の出がない部分は壁面全体が雨掛かりして濃いベージュ色となっています。

左側の軒の出(60㎝程度)がある部分は壁面に雨掛かりがなく、薄いベージュ色となっています。

文献では、「軒の出が60㎝あると雨掛かりが年5回以下だった壁面位置で、軒ゼロでは年30回に増加する」とか、「軒の出が15㎝長くなるごとに、壁を流れる水量が25%減少する」と言われています。

つまり、「軒の出がある」と壁面の雨掛かりが減少します。

次に、雨掛かりと雨漏りの関係を説明します。

一般的に住宅の雨漏りは窓廻りで多く発生しています。

その雨水浸入経路は2階の窓廻りで室内側に浸入し、1階の天井または1階の窓廻りから雨漏りとして発見される場合が多くなっています。

逆に言うと、2階の窓廻りが雨掛かりしなければ、この経路の雨漏りを防ぐことになります。

また、外壁のクラックから雨水浸入する経路もありますので、当然、そこに雨掛かりしなければ雨漏りは発生しません。

よって、「軒の出がある」と雨掛かりを減らすことになり、雨漏りを減らすことになります。

 

屋根ー壁の取り合い部からの浸入を防ぐ

雨漏りが発生しやすい場所として、屋根ー壁の取り合い部もあります。

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強風雨時に、壁に当たった雨は吹き上がり、屋根と壁の取り合い部から浸入することがあります。

そのため、軒の出を大きくとることにより、屋根ー壁の取り合い部の風圧を減らすことができ、雨水浸入を防ぐことができます。

 

雨宿り

軒の出のメリットとしては、その下で雨宿りすることができます。

また、屋根のケラバ側には、雨といがないため、ケラバから落下した雨は地面で跳ね返って、基礎・土台・水切り・壁を濡らします。

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軒の出が大きければ、この跳ね返りで壁などが汚れることを防ぎます。

 

日差しの調整

夏の厳しい日射が室内へ入らないようにすることができます。

軒の出の量によって、夏は日射遮蔽、冬は日射利用という自然循環型の住宅を作ることもできます。

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さらに、外壁に当たる直射日光を軽減するので、外壁塗装の紫外線劣化を軽減します!!

以上、軒の出のメリットは大きく、日本では昔からほとんどの住宅で、軒の出は採用されています。

 

軒の出がない(軒ゼロ)住宅とは?

軒ゼロとは、わかりやすく人に例えると傘をさしていない状態です。

雨が降ると人はずぶ濡れになってしまいますよね。

そこで、雨に濡れないためには、レインコートを着ます。

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人と同じで、住宅に軒の出がない場合は、外まわり全体を防水材料で覆うこととなります。

 

軒ゼロ住宅のメリット

軒ゼロ住宅のメリットは何と言っても、立地が狭小地において、軒の出分だけは室内を広くすることができます。

それ以外では、先端的なデザイン住宅として好まれる方もいらっしょると思います。

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以上がすぐ浮かぶメリットですね。

デメリットとしては、いろいろなリスクが高くなるといえます。

そのリスクについてまとめてみます。

 

軒ゼロ住宅のリスクとは?

軒ゼロ住宅のリスクを考えてみます。

 

新築時の雨漏りリスク

最近の建築業界誌で記事となっていました。

・新築における「軒の出がある」箇所vs「軒の出がない」箇所は65:35の比率

・雨漏りの発生個所の7割以上が「軒の出がない」箇所

⇒「軒の出がない」箇所の雨漏り事故発生確率は約5倍

瑕疵保険会社の調査結果からで、なんと、軒の出の有無で事故発生確率が5倍違っているそうです。

軒の出がない箇所での新築時の雨漏りは設計・施工のミスが原因と言えます。

 

具体的な事例を挙げてみます。

屋根と壁の取り合い部

屋根ー壁の取り合い部は防水紙の連続性に明確な決まりがありません。(設計の問題)

施工業者は大工さん、屋根屋さん、壁屋さんの3業者が絡むため、責任も不明確となっています。

本来、この部分は防水紙の屋根と壁の連続性があり、外壁の中に入っても建物の外部へ排水できるようにしなければなりません。

しかし、現状では、屋根と壁の隙間をシーリングで埋めるというシーリング頼みとなっていて、シーリングの施工ミス施工ミスなどで隙間が空いているとそこから浸入してしています。 (施工のミス)

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片流れ屋根の棟端部

片流れ屋根の棟端部は防水紙が屋根部分で終わっていることがあります。(設計の問題)

防水紙の屋根と壁の連続性がないと、棟頂部の 野地板裏面から伝わった水が室内に浸入することになります。

瑕疵保険会社の調査でもこの部分の事故がかなり多いと報告されていました。

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上図は屋根材がない状態の図です。

実際には、屋根材の棟仕上げ材の下から風雨によって吹き込む形で伝い水が野地板裏面を通って、建物内へ浸入します。

 

パラペット部

屋根がパラペット納めになっている住宅では、外壁が頂部まで立ち上がって、笠木納めとなっています。

見た目はシャープで、すっきりしているのですが、笠木部分は雨水浸入リスクとなっています。

 

 

笠木のつなぎ目や外壁の通気層の排気口部分からの浸入に注意が必要となります。(設計・施工のミス)

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経年時の雨漏り(10年程度経過)

軒ゼロ住宅を検討する上で、新築時の雨漏り以上に注意が必要となるのが、経年時の雨漏りです。

軒ゼロ住宅では、屋根-壁の取り合い部を含めて、壁面全体に日射が当たるため、材料の紫外線劣化が著しく進行します。

10年を経過するとシーリングの亀裂、塗装の劣化、外壁材のクラックの発生による雨漏りが急増します。 (経年劣化の問題)

困ったことに、新築時の雨漏りは工務店さんの修繕責任(瑕疵担保)となっていますが、経年での雨漏りはお施主様の負担となってしまいます。

実際に弊社の雨漏り調査・修繕した物件は築後10年以上経過した軒ゼロ住宅が8割となっています。

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新築時はレインコートのように外廻り全体を防水材料で覆っているのですが、経年劣化で防水材料に隙間ができるとそこから雨漏りしてしまいます。

軒ゼロ住宅では、定期的にレインコート(防水材料)をなおすか、新しいレインコートに替える必要があり、軒の出がある住宅に比べて、維持費用が大幅に必要となります。

 

通気層閉鎖による結露リスク

軒ゼロ住宅の外壁では、なかなか悩ましいジレンマがあります。

(雨漏りの観点からは、とにかく隙間をシーリングで埋めたい)VS(結露の観点からは、通気層の排気口を確保したい)というジレンマがあります

ケラバ部分の外壁は雨漏りの観点から必ず外壁の最上部分をシーリングすると外壁通気層の排気口は塞がれてしまいます。(下図:通気の出口がない)

外壁通気層が塞がれると壁内結露のリスクが高くなります。

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一方、軒の出があれば、外壁最上部で外壁通気層の排気口を設けること、また、外壁通気層を小屋裏へ流入させる経路を確保することも簡単にできます。

通気層の出口閉鎖による結露も経年での発生となり、お施主様の補修責任となりますので、要注意です。

軒ゼロでも小屋裏へ排気できる商品も開発されているようです。

 

軒ゼロ住宅のライフサイクルコストを考える

ここで、一番気になる軒の出の有無のライフサイクルコストを比較してみます

2階建て(外壁面積約170㎡)における外壁のみの概算比較です。

軒ゼロ住宅では10年毎にメンテナンスが必要となり、シーリング打替約30万円、再塗装約60万円、仮設足場35万円の計125万円となります。

30年のライフサイクルコストは、10年目、20年目でメンテナンスが必要となり、計250万円となります。

一方、軒の出のある住宅では、紫外線劣化や雨掛かりが少ない分を考慮して、15年毎のメンテナンスとします。

1回のメンテナンス費用は軒ゼロ住宅と同じ125万円です。

30年のライフサイクルコストは15年目でメンテナンスが必要となり、125万円となります。

差額は125万円となります。軒ゼロは125万円アップ

次に、屋根がパラペット・防水納めに軒ゼロ住宅と軒の出のある瓦屋根でライフサイクルコストを比較してみます(点検・部分補修費は除く)

軒ゼロ住宅のフラット屋根(90㎡)における防水メンテナンスは10年毎に50万円となり、10年目、20年目でメンテナンスしますので、計100万円となります。

屋根・壁で軒ゼロ住宅は350万円となります。

一方、瓦屋根の軒の出のある住宅では、瓦屋根は30年間、メンテナンス費がかかりませんので、外壁の125万円となります。

その差額は大きくなんと225万円になります。軒ゼロは225万円アップ

これだけ違いますと敷地に余裕がある住宅での軒ゼロ住宅はもったいないように感じます。

デザイン重視で軒ゼロ住宅を選ばれる方は、10年毎に175万円の維持管理費も念頭に入れて計画されることをおすすめいたします。

一方、土地代の高い都心部などで、土地代を考えればメンテナンス費を多く払ってでも室内が広くなる軒ゼロという考え方もありですね。(軒ゼロのメリット優先

差額が225万円/30年ですので、増額7.5万円/年を基準に判断してくださいね~。

この場合、設計段階で「雨漏りを心配しているので、その配慮してくださいね!」、と一言、建設会社さんにお伝えすることも有効だと思いますよ~。

 

まとめ

軒の出がある=傘をさしている状態

  軒の出のメリット

   ・雨漏りを防ぐ

   ・雨宿り

   ・日差しの調整

軒ゼロ=レインコートを着ないとずぶ濡れになる状態

  軒ゼロのリスク

   ・新築時の雨漏り

   ・経年時の雨漏り

   ・通気層閉鎖による結露

軒ゼロはライフサイクルコストが大幅に増加(最大225万円コストアップ)

★おまけ:もっとも雨漏りリスクのあるデザイン(軒ゼロ+片流れ)★

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創業1868年(慶応4年)三州瓦製造・販売・工事

住宅調査・雨漏り調査  (株)神清(かみせい)

f:id:capuriclub:20160615183549j:plain 神谷 昭範(かみやあきのり)です

【趣味】旅行、野球観戦、自転車、スイーツ食べ

【資格】二級建築施工管理技士

(JSHI)(住管協)ホームインスペクター

住宅メンテナンス診断士

赤外線建物診断技能師/気密測定技能者

石綿作業主任者

(株)神清ホームページ:http://www.kamisei.co.jp

雨漏りホームドクターhttp://www.kamisei.co.jp/amamori/

所在地:愛知県半田市高浜市

フリーダイヤル:0120-951-890

調査場所:名古屋市安城刈谷・岡崎・豊田・三河・知多

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