屋根のバタバタ音は何が原因?屋根屋が経験をもとに徹底解説

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 屋根のバタバタ音の原因について知りたい
  • 屋根のバタバタ音の解消のための方法を知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「屋根のバタバタ音の原因について知りたい」「屋根のバタバタ音の解消のための方法を知りたい」という方に向けて書かれています。

屋根はある時から急にバタバタ音がすることがあります。突然、聞いたことがない音がしたら、不安になりますよね。

本記事では、屋根のバタバタ音の原因について解説していきます。写真をたくさん使ってわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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屋根からバタバタ音がするときの原因

屋根からバタバタ音がするときの原因は、以下の4つのうちのどれかのケースが多いです。

  • 屋根のどこかの部材に緩み
  • 屋根のどこかの部材の剥がれ
  • 強風で飛来物がぶつかった音
  • 雨樋のどこかの部材の不具合

中でも最も多いのは棟板金の剥がれであり、次の章から詳しく解説していきますね。

 

屋根のバタバタ音の原因は多くは棟板金の剥がれ

屋根の板金とは屋根の周辺部分に使用される主にガルバリウム鋼板製の金属板のことです。

役割としては、屋根周辺部からの雨水浸入をふせぐことです。

その中で、棟板金とは、屋根の頂部(棟/むね)に使用されている板金のことです。

屋根の板金(棟板金)は、強風にあおられたりすることで浮いてしまうことがあります。

上の写真のように棟板金の一部が屋根から浮いた状態になります。

板金が浮いているいる状態では、風を受けるとバタバタと音がします。

屋根の板金が浮いたことによる問題点について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

屋根の板金が浮いていると言われた!どんな状態なの?注意点も解説

 

棟板金が原因で屋根からバタバタ音がするメカニズム

棟板金が原因で屋根からバタバタ音がするメカニズムについて紹介します。

  1. 棟板金を固定している釘が抜け始める
  2. 棟板金の釘穴に隙間ができる
  3. 隙間に雨水が入り込む
  4. 棟下地の木が腐る
  5. 釘が外れる
  6. バタバタと音がする

棟板金を固定している釘は微振動や温度変化による板金の伸縮によって、徐々に釘が抜け始めます。

すると、棟板金の釘穴と釘との間に隙間ができ、雨水が浸入していきます。

棟板金の中には板金を留めるための下地木材が入っていて、その釘穴周辺の木が腐ることで留め付け強度が低下します。

棟板金が強風を受けたときに、局部的に釘が外れ棟板金が浮いてしまうとバタバタと音がするようになります。

 

棟板金の修理工事費用の目安

棟板金の部分修理やメンテナンスに必要な工事費用の目安を紹介します。

修理内容修理費用目安
釘・ビスの打ち直し50,000~80,000
棟板金の交換工事100,000~200,000

※足場設置費用を除く

木下地の腐朽が著しい場合は、棟全体を交換するメンテナンスも行う場合があります。(30坪程度のシンプルな屋根)

屋根形状修理費用目安
切妻屋根250,000~300,000
寄棟屋根300,000~400,000

※足場設置費用を除く

 

棟板金のバタバタ音解消に必要な修理工事の例

台風で棟板金が飛散したときの修理工事をご紹介します。

木下地が腐朽していたので、棟板金・木下地・釘を撤去します。

屋根材に開いた釘穴をコーキングで埋めます。

腐朽した木下地の代わりに、樹脂製下地を留め付けます。

ステンレス製ビスで樹脂製下地を野地板に留め付けます。

新規の棟板金を設置します。

重なり部はコーキングして雨水浸入を防ぎます。

横から樹脂製下地にビス留めして完成です。

 

波板が原因でバタバタ音がする場合もある

バタバタ音の多くは棟板金のはがれが原因ですが、テラス屋根の波板が原因でバタバタ音がする場合もあります。

塩化ビニール製波板やポリカーボネート製波板などがベランダやテラス・駐車場・駐輪場で使用されていることがあります。

その波板からバタバタ音がしている可能性があります。

原因としては、波板が経年劣化で風にあおられてはがれる場合や固定フックが緩んでいる場合などがあります。

 

波板補修工事のバタバタ音解消に必要な修理工事の例

波板が変形してしまったときの交換工事をご紹介します。

ベランダの屋根が変形してしまったの交換しました。

既存の波板を留め付け金具を外しながら撤去します。

波板の山部に穴を開けながら、フックボルトを留め付けます。

2山半波板を重ねて設置していきます。

フックボルトを再利用するとその分安価となります。

 

雨樋が原因でバタバタ音がする場合もある

雨樋が原因でバタバタ音がする場合もあります。

雨樋の留め付け金具が外れていたり、屋根面でのはい樋が外れていたりするとバタバタ音が発生します。

はい樋は動かないように屋根面に銅線などで留め付けますが、経年劣化で切れてしまい、はい樋が動いて音がします。

 

「屋根の板金が浮いていますよ」という営業に気をつけよう

屋根の板金が浮いていて、バタバタと音がする状態は修理が必要です。

しかし、屋根の板金が浮いていなくても、悪徳な飛び込み営業・訪問販売業者が言う決まり文句は「屋根の板金が浮いている」です。

そのため、飛び込み営業・訪問販売業者に「屋根の板金が浮いている」と指摘されても慌てずに対応しましょう。

屋根が気になってお客様が外に出てしまうと営業マンはチャンスとばかり不安をあおってきます。

悪徳業者の決まり文句はいくつかありますので、ご紹介します。

  1. 不安をあおる
  2. 無料で診断すると言う
  3. キャンペーン中だと言う
  4. 火災保険の利用を勧める
  5. 大幅な値引きがある

どんなことを言われても、その日に契約をすることは絶対にやめておきましょう。

屋根修理の飛び込み営業に上記内容で契約を迫られたときの対応方法について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

屋根修理の飛び込み営業は悪質!5つの手口と見分ける方法を解説!

 

気をつけておきたいメンテナンスが必要な屋根の症状

自分でも点検できる屋根のチェックポイントをご紹介します。

棟板金のはがれ以外にもいくつかありますので、参考してください。

  • 屋根材のズレや脱落
  • 屋根材のヒビ割れや欠け
  • 雨樋にゴミや落ち葉が詰まり
  • 屋根に生えた草
  • 瓦屋根の漆喰(しっくい)が剥がれ
  • 棟板金以外の板金にも浮きや剥がれ・サビ

とくに、屋根面や雨樋の中から草が生えている場合は排水できずに常時、雨水で湿っている状態が起こっているサインです。

雨漏りが発生する前兆と言えますので見逃さないようにしてください。

自分でも現在の屋根の状態を何となくでも把握しておくことが重要で、詳しくはこちらの記事に記載してあります。

自分でできる雨漏りの点検方法やチェック方法を屋根屋が解説

 

【まとめ】屋根のバタバタ音は棟板金の剥がれの可能性が高い

屋根からバタバタ音がするときの原因は棟板金のはがれの可能性が高いです。

屋根の板金(棟板金)は、強風にあおられたりすることで浮いてしまうことがあります。

棟板金のはがれた場合、部分補修することができます。

また、棟板金の木下地が腐っている場合は、全体の棟板金を交換することもあります。

それ以外では2つのケースを紹介しました。

  • 波板のはがれや変形
  • 雨樋の樋吊り金具のはずれやはい樋の留め付けのはずれ

今までとは異なるバタバタ音が発生するようになった場合は、屋根のどこかで不具合が発生している可能性があります。

自分で点検して発見できる可能性もありますが、わからない場合でも屋根屋に相談されることをオススメします。

 

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