目次
雨樋とは?
雨樋とは、建物の屋根面に降った雨水を軒樋で集めて、縦樋で地面の雨水桝へと排水する一連の役割を担っています。
雨樋の軒樋には、いくつかの種類があります。
- 丸型
- 角型
- 意匠型
- 内樋型
それぞれについて簡単に解説します。
①丸型
昔からある断面が半円形状となっている軒樋です。
単純な形状となっており、他のタイプよりも安価で、ホームセンターでも販売されています。
デザイン的には、和風の建物で多く採用されています。
②角型
断面が四角形状となっている軒樋です。
丸型よりも同じ幅であれば、多くの雨水を流すことができます。
デザインもスッキリ見えるので、洋風の建物で採用されています。
③意匠型
デザイン性を重視したオリジナルな形状となっている軒樋です。
各メーカー・各種類ごとに異なる形状となっており、互換性がないため、将来、廃盤となったときに部分修理ができないデメリットがあります。
先端側を高くすることで軒樋と屋根の一体感を出すデザインが多く、高級な建物で採用されています。
④内樋型
屋根の先端には軒樋が見えないように、先端より少し内側に軒樋を設置するタイプです。
店舗などで屋根の先端にパラペット部が立ち上がっていたり、デザイン住宅などに採用されています。
デザイン性は高いのですが、経年による劣化やゴミの詰まりなどで雨漏りしやすい傾向があります。
雨樋と「とゆ」「とよ」との違いとは?
雨樋は、「とゆ」や「とよ」という呼び方もありますが、意味としては、「とい」と全く同じです。
「とい」という音が変化して、使われているだけです。
業者・職人さんによっては、「とゆ」や「とよ」と普通に話したり、書いたりしていますが、「とい」ととらえてください。
雨樋が必要な理由とは?
雨樋が必要な3つの理由があります。
- 雨漏りの防止
- 外壁や基礎の保護
- 騒音対策
雨樋は雨漏りを防止する重要な役割があります。
雨樋がないと屋根面に降った大量の雨水がそのまま外壁を流れることになり、外壁の隙間やシーリングの劣化部分から雨漏りするリスクが高まります。
また、屋根面に降った雨水を外壁へ流さないことで、外壁や基礎を保護する役割があります。
雨樋がないと、水滴が落下してあたる場所によっては雨音が大きくなります。
雨音の種類によっては、騒音ととらえられ、ご近所トラブルに発展することも。
雨樋を取り付ける意味について詳しくはこちらの記事で解説しています。
軒樋と縦樋の違いとは?
雨樋は、軒樋と縦樋の2つから構成されています。
軒樋とは、屋根の先端で水平方向に設置されている樋のことです。
軒樋は屋根面の雨水を受ける役割があります。
縦樋とは、軒樋から外壁沿いで垂直方向に設置されている樋のことです。
縦樋は軒樋に入った雨水を地面まで導き、雨水桝へ排水する役割があります。
雨樋の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋に使われる主な素材とは?
雨樋に使われる主な素材は塩化ビニール樹脂です。
鉄製のように錆びることもなく、軽量で施工性がよく、安価なため広く使用されています。
紫外線や熱に弱く、太陽光に長時間さらされることで経年劣化は生じます。
それ以外にも金属製の4つの素材があります。
- 被覆鋼板
- ガルバリウム鋼板
- 銅
- ステンレス
これらの素材においては、経年劣化による変形などはありません。
錆びも発生しにくい素材となっています。
価格的には、塩化ビニール樹脂よりも高価となっています。
銅は社寺仏閣などの日本建築、ステンレスは工場・大型物件などのメンテナンスしにくい場所で使用されることが多いです。
雨樋の修理が必要な症状とは?
雨樋の修理が必要な症状について紹介します。
- つなぎ目のズレ
- 雨樋を支える金具のサビ・折れ
- 雨樋のヒビ割れ・ゆがみ・破損
- 適切ではない傾斜
以下でそれぞれについて簡単に解説します。
①つなぎ目のズレ
軒樋と軒樋のつなぎ目はズレたりすることがあります。
つなぎ目から水漏れが発生してしまうので、修理が必要です。
②雨樋を支える金具のサビ・折れ
雨樋を支える金具にサビ・折れが発生すると雨樋を保持することができません。
雨樋の機能がなくなってしまうので、早期に修理が必要です。
③雨樋のヒビ割れ・ゆがみ・破損
雨樋のゆがみは、その大きさで緊急性が変わります。
上の写真のように、雨樋からオーバーフローしてしまうようであれば、早期の修理が必要です。
④適切ではない傾斜
屋根のたわみや金具の変形などで、軒樋の傾斜が変わると屋根の雨水が軒樋から縦樋へとスムーズに流れません。
雨樋からオーバーフローしてしまうので、早期に雨樋修理が必要です。
雨樋の修理について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の工事が必要な症状とは?費用や業者選びについても徹底解説
雨樋の修理費用の目安
雨樋の修理費用の目安を紹介します。
雨樋のメンテナンス内容 | 概要・内容 | 費用 |
---|---|---|
雨樋の掃除・DIY | 1階屋根の雨樋を自分で掃除する。 必ず下からはしご・脚立などを使用してください。※落下に注意してください。 | 0円(自分の時間だけ) |
雨樋の掃除・業者 | 屋根屋さんに掃除を依頼して、雨樋の詰まりを掃除する。 | 2~3万円 |
雨樋の部分修理 | 足場を設置せずに、部分補修する。 | 5~10万円 |
雨樋の塗装 | 外壁・屋根などに併せて、雨樋を塗装する。 | 5~10万円 |
雨樋の部分修理(一面部のみ) | 外壁の1面部分だけについている雨樋を、足場を設置して、交換する。 | 15~20万円 |
雨樋の全体交換 | 住宅の雨樋全体を交換する。足場全面に設置する。 | 25~60万円 |
※足場費用は含まれていません。
2階以上の雨樋修理は足場が必要となります。
上記表に足場費用として、約15~25万円を追加してお考えください。
雨樋の修理費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の修理や補修のDIYは可能?
雨樋の修理や補修のDIYはあまりオススメできません。
- 高所作業による転落リスク
- 雨水がスムーズに流れなくなるリスク
- 現状よりも状態が悪くなるリスク
- 雨漏りリスク
雨樋は屋根の先端についているので、屋根上からの作業を行うことはできません。(屋根側から作業すると頭から落下してしまうのでNGです。)
はしご・脚立を掛けて作業することになりますが、バランスを崩して転落するリスクが高いことを知っておきましょう。
軒樋は水平ではなく、縦樋へ向かって水が流れるように傾斜をわずかにつけており、職人技が必要となります。
雨樋の修理や補修のDIYは難易度が高く、現状よりも悪化したり、水漏れしたりするのでオススメしていません。
また、雨樋の掃除はDIYできそうなイメージもありますが、やはり、転落するリスクが高いので、少しでも不安を感じる方は業者に依頼しましょう。
雨樋のDIYについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋のDIYはどこまで可能?掃除や補修・付け方までを完全解説
雨樋の詰まり防止には落ち葉よけシートがオススメ
雨樋が詰まると雨樋に雨水が溜まった状態となります。
雨が常に溜まった状態となるため、雨樋の劣化や破損につながります。
そのため、雨樋を長持ちさせるためには、雨樋の詰まりを予防することが重要です。
また、詰まってしまった場合は早期に掃除をして、雨樋の詰まりを解消することが重要です。
頻繁に落ち葉などで雨樋が詰まる方は、「落ち葉よけシート」を設置して、落ち葉の詰まりを予防することも有効です。
「落ち葉よけシート」を設置すれば、定期的にしなければならない雨樋掃除のストレスから解放され、業者に依頼する際の雨樋掃除の費用の節約につながります。
「落ち葉よけシート」について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の詰まりは本当に防げる?落ち葉よけシートをDIYで試しに設置してみました!
【まとめ】雨樋には家を守る重要な役割がある
雨樋とは、建物の屋根面に降った雨水を軒樋で集めて、縦樋で地面の雨水桝へと排水する一連の役割を担っています。
雨樋には家を守る重要な役割があります。
雨樋がないと屋根面に降った大量の雨水がそのまま外壁を流れることになり、外壁の隙間やシーリングの劣化部分から雨漏りするリスクが高まります。
また、屋根面に降った雨水を外壁へ流さないことで、外壁や基礎を保護する役割があります。
雨樋がないと、水滴が落下してあたる場所によっては雨音が大きくなり、騒音トラブルが発生することもあります。
雨樋のDIYは難易度が高いため、無理をせず、専門業者に早めに修理を依頼しましょう。
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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