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雨漏りを放置するとどうなる?早めに対処すべき理由

雨漏りを放置するとさまざまな被害が出るため、早めに対処すべきであることを解説します。
雨漏りを放置すると次のような被害が出るため、早めに対処すべきです。
- 天井や壁にシミができる
- 木材の腐食・金属部分のサビ
- カビやシロアリの発生
- 漏電や火災の危険
- 家全体の寿命が縮む
雨漏りを放置すると建物の寿命が縮み、資産価値が低下します。
また、カビの発生によって、健康被害のリスクも高まります。
雨漏りを放置するとどうなるかについて「雨漏りを放置すると待っている5つの弊害とは?屋根屋が徹底解説」の記事で詳しく解説してます。
雨漏りの直し方|まずは応急処置から始めよう

雨漏りの直し方として、まずは応急処置を行うこととなります。
しかし、雨漏りの応急処置を行う前に、是非、行っていただきたいことが2つあります。
- 雨漏りの状況・被害状況を写真・動画で撮影しておく
- 室内の被害が拡大しないようにバケツなどで水を受ける
写真・動画撮影は、その後の保険申請や修理で役立つ貴重なデータとなります。
室内で雨漏りによる被害が拡大しないようにバケツなどで養生することも重要です。
撮影と養生後に応急処置となります。
雨漏りの応急処置には、以下の5つの方法があります。
- 防水テープで雨水の浸入口をふさぐ
- 吸水シートで漏れた水を吸収する
- 補修スプレーでひび割れや隙間をふさぐ
- コーキング材で入り組んだ部分を補修する
- 防水塗料で広範囲をカバーする
雨漏りの応急処置について次の章から詳しく解説していきます。
応急処置で行う雨漏りの直し方1:防水テープで雨漏りを止める

応急処置で行う雨漏りの直し方①防水テープで雨漏りを止める方法について解説します。
防水テープは比較的簡単にカットできるため、雨漏りの応急処置として便利に使えるアイテムです。
室内用・屋外用と使う場所が決まっている防水テープが多いので、使う場所に合わせた種類のテープを選びましょう。
防水テープでの直し方は以下となります。
- 浸入箇所の目星をつける
- 雨漏りの浸入箇所の汚れを落とす
- その場所が乾燥した状態で、防水テープを貼り密着させる
また、応急処置後、雨漏り修理するときに防水テープをはがす可能性もありますので、はがした痕が汚れとならないような粘着層のテープを選ぶこともオススメです。
防水テープを使った雨漏りの応急処置について「防水テープを用いた雨漏りの応急処置を屋根屋さんが徹底解説!」の記事で詳しく解説してます。
応急処置で行う雨漏りの直し方2:吸水シートで室内への被害を防ぐ

応急処置で行う雨漏りの直し方②吸水シートで室内への被害を防ぐ方法について解説します。
吸水シートは水を吸う能力が高く、吸った水を保持し続けるものです。
ホームセンターやネットショップで1,000~2,000円で購入できます。
次回の雨漏りするときに、その場にいないとバケツ等を用意できないため、あらかじめ、吸水シートを雨漏り箇所においておくことで雨漏りによる床のシミ等を防ぐことができます。
天井から滴下する場所に吸水シートを設置しておく以外にも、サッシまわりからの雨水浸入に対しても吸水シートを設置しておくと浸入をせき止めることができます。
吸水シートの代用品として、紙おむつやペットシートを使用することができます。
吸水シートの使い方について「雨漏り対策に抜群の効果!吸水シートの特徴や使い方を徹底解説!」の記事で詳しく解説しています。
応急処置で行う雨漏りの直し方3:補修スプレーで小さな隙間をふさぐ

応急処置で行う雨漏りの直し方③補修スプレーで小さな隙間をふさぐ方法について解説します。
補修スプレーとは、いわゆる防水スプレーのことで、撥水性のある液を吹き付けることができます。
スプレーするだけですので、比較的簡単・安価な応急処置のアイテムとなります。
補修スプレーには、様々な種類があるため、雨漏り用、住宅用、多用途と記載のあるものを選びましょう。
補修スプレーをつかった雨漏りの直し方について以下の手順となります。
- 補修箇所の汚れやサビを十分に拭き取る
- スプレー缶をよく振る
- 補修箇所から20~30cm離してスプレーする
- 均一になるように2~3回重ね塗りする
- 乾燥するまで約24時間置く
補修スプレーは、ホームセンターやネットショップ等で販売しており、700円~3,800円で購入することができます。
応急処置で行う雨漏りの直し方4:コーキング材でふさぐ

応急処置で行う雨漏りの直し方④コーキング材でふさぐ方法について解説します。
コーキング材は、ゴムのようなものででてきているため紫外線で劣化し、寿命は10年程度です。
コーキングは、間違った場所をコーキングしてしまったり、やり方を間違ったりすると、かえって雨漏りを悪化させるのでよく勉強して行ってください。
コーキング材をつかった雨漏りの直し方について以下の手順を説明します。
- 古いコーキング材を撤去
カッターなどを使って、古いコーキング材をきれいに取り除きます。 - 補修箇所を養生
補修部分のまわりをマスキングテープで保護します。 - プライマーを塗布
コーキング材が密着しやすくなるよう、下地にプライマーを塗ります。 - コーキング材を注入
コーキングガンで上から下へ均一に流し込みます。 - 表面をならす
ヘラで表面を整え、均一に仕上げます。 - マスキングテープを剥がす
コーキング材が乾く前にマスキングテープを外しましょう。
コーキング材をつかった雨漏りの応急処置は簡単に見えて、雨漏りを止めるのは意外と難しいです。
古いコーキング材の撤去やプライマーの塗布は必須となります。
また、屋根でのコーキングは難しいため、オススメしません。
DIYでは屋根材同士の隙間など雨水の排水路までコーキングしてしまうことがあり、その場合は雨漏りが悪化したり、高所作業のため落下すると命にかかわるほど危険だったりするからです。
コーキング材をつかった雨漏りの応急処置について「【雨漏りの応急処置】コーキング剤で素人が直す方法【プロが解説】」の記事で詳しく解説しています。
応急処置で行う雨漏りの直し方5:防水塗料で広範囲をカバーする

応急処置で行う雨漏りの直し方⑤防水塗料広範囲をカバーする方法について解説します。
防水塗料は、コンクリート製の陸屋根やベランダ床に塗布して使用します。
約1mm程度の穴やビビ割れ程度なら埋めることができます。
耐用年数は5~10年と比較的短いです。
防水塗料をつかった雨漏りの直し方について以下の手順を説明します。
- 下準備
剥がれた塗料や汚れをしっかり除去します。 - ヒビや穴を補修
大きなヒビや穴は補修材でふさいでおきます。 - 養生
マスキングテープで周囲を保護します。 - 下地処理
塗料の密着を高めるため、シーラーを下地に塗ります。 - 防水塗料を塗布
ハケやローラーで最低2回重ね塗りをしましょう。
防水塗料は塗膜の厚みが必要となるため、外壁には適しません。
また、材料代も比較的高価であり、応急処置としては難易度が高いため、専門業者に依頼すると確実に処置でき、応急処置ではなく、業者による雨漏り修理の1度で済ますことをオススメします。
雨漏りが広範囲で発生したときの直し方

雨漏りが広範囲で発生したときの応急処置の直し方について解説します。
雨漏りが広範囲で発生したときは、ブルーシートで雨水の浸入部分を広範囲に覆う方法があります。
バルコニーが雨漏り箇所の場合、バルコニーの床の全面にブルーシートを敷くことで応急処置ができます。
屋上防水からの雨漏りの場合は水勾配を考えながら、浸入箇所付近から水上側にブルーシートを敷くことができます。
面積が広いので、2人作業で行う必要があり、ブルーシートの端部を防水テープで留め付けて飛散防止をしてください。
一方で、傾斜屋根にブルーシートを覆うことは、滑りやすく落下の危険性があるため、専門家に依頼すべきです。
ブルーシートを使った雨漏りの応急処置について「雨漏りの応急処置!ブルーシートの張り方を徹底解説!【安全第一】」の記事で詳しく解説しています。
雨漏りのときにやってはいけない直し方
雨漏りのときにやってはいけない応急処置の直し方について解説します。
応急処置と思って行ったことが、かえって、雨漏りを悪化させてしまうことが多々あります。
雨漏り被害を悪化させるNGの直し方をいくつか紹介します。

- 室内側だけをふさぐ
雨漏りによる建物内への雨水浸入は止まっておらず、雨水が建物内部の別(壁内・天井上)に移動しているだけで、見えない柱や金具の腐食が進行する恐れがあります。
気がつかない内に建物の強度が低下するリスクとなります。

- 雨漏り原因を特定せずに外部を塞ぐ
雨が降ると毎回雨漏りすることは少ないので、外部をふさいだことが正解だったのか、わからなくなっていきます。
雨漏りが再発するたびに、外部をどんどんふさぐことになり、本来の排水構造が崩壊してしまいます。
修理業者へ依頼したときには、本来の状況がわからず、雨漏り原因の特定ができなくなるリスクもあります。

- むやみに隙間をふさぐ
屋根や壁の隙間をむやみにふさぐと、屋根材や壁材の排水出口をふさいでしまうことがあります。
屋根材や壁材の裏側に浸入した雨水が排水できなくなり、別の雨漏りが発生するリスクとなります。
経年での雨漏りであれば、劣化により発生した隙間をふさぐことや排水口の詰まりを掃除することなどにとどめておきましょう。
DIYで雨漏りを直したときのよくある失敗例
DIYで雨漏りを直したときのよくある失敗例について解説します。
DIYで雨漏りを直したときのよくある失敗例についていくつかを紹介します。
- しっくいで水の出口を塞いでしまう

屋根材の水下側は浸入した雨水の排水出口となっております。
雨水が入っても下の屋根材の表面に排水したり、屋根の軒先から樋へ排水したりする出口なのです。
屋根から雨漏りするからと言って、再発するたびに、屋根材の隙間をどんどんしっくい(モルタル)で埋めていき、雨漏りが悪化した事例です。
一般の方は、「屋根材には隙間がない」と勘違いされがちで、隙間=浸入口と誤解された失敗です。
- コーキングによる不適切な応急処置で被害が拡大する

屋根材、水切り、壁の取り合い部には雨仕舞(あまじまい)という考え方があります。
防水ではなく、材料同士の重なりで雨の浸入をふせぐというものです。
雨漏りするからと言って、むやみに隙間をコーキングで埋めてしまうと、かえって、雨漏りがひどくなります。
完全にコーキングですべての隙間をふさぐことは困難なので、ふさいだ部分とふさげていない部分が発生します。
ふさげていない部分から浸入すると出口がなくなり、室内への雨漏りの頻度が増加してしまった事例です。
- スレートの不適切な塗装で雨漏りを助長させる

スレートが色落ちしており、屋根から雨漏りしたので、スレート屋根のDIY塗装で雨漏りを止めようとして、隙間なく塗装した事例です。
すると、塗装後の方が雨漏りの回数が増えてしまったそうです。
スレートの上下の隙間は排水出口の役割を果たしているので、そこを塗料で埋めると雨漏りします。
スレートの塗装では、塗装後にその上下の隙間を確保する縁切り作業が必要で、DIYでは難しいので、リーヴスペサーと呼ばれるスペースを差込んで隙間を確保した状態で塗装することが必要です。
スレートのDIY塗装について「【失敗しないDIY屋根塗装】スレートでは縁切りが必須です!」で詳しく解説しています。
もしDIYでの修理後に雨漏りが悪化してしまった場合は、被害を最小限に抑えるためにも、放置したり、さらにDIYで修理するのではなく、できるだけ早く専門業者に相談すべきです。
【まとめ】
雨漏りしたときに、応急処置として有効な5つの方法を紹介しました。
応急処置を行う前には、写真・動画撮影と室内の被害拡大防止の養生が必須です。
応急処置で雨漏りを根本的に止めることは無理なので、修理までのつなぎとお考えください。
応急処置で雨漏りが悪化してしまう恐れもあるので、応急処置後も早めに修理業者へ依頼することが被害を最小限に抑えるポイントです。
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