本記事の目次
スレート屋根のDIY・塗装の注意点は縁切りです!
スレート屋根で、雨漏り修理の依頼で訪問すると、
「塗装後から雨漏りするようになった!」
というケースが多いです。
先日、伺ったお宅では、
「DIYで塗装した。スレートの重なりをこってりと塗装したのに、なぜ、雨漏りするのか?」
とご質問いただきました。
私が、縁切りをされましたか?とお聞きすると、
「縁切りは知らない。わからない。」
とのことでした。
スレート屋根のDIY・塗装で雨漏りする典型的なパターンですので、
なるべく、わかりやすくご紹介します!
スレート屋根のDIY・塗装後と新品のスレート屋根の違いは、ここです!
スレート屋根のDIY・塗装後
スレート屋根のDIY・塗装後を写真で示します。
築30年程度のスレート屋根です。
これで、3回目の塗装だそうです。
縁切りとは、スレート屋根の塗装後、スレート屋根材上下の段差部分の塗料にカッターの刃を入れて、塗料を切る作業のことです。
上の写真は、DIY塗装後、縁切りをしていません。
屋根材の上下の重なり部分が塗料で密着しています。
一般の方は、隙間がなく、密着している方が雨漏りしない!と思われていることでしょう。
でも、これは大きな間違いなのです。
新品のスレート屋根を見ながら説明します。
新品のスレート屋根
新品のスレート屋根の写真です。
もともと、スレート屋根は工場で塗装されているので、施工現場では塗装しません。
スレート屋根の上下の隙間を見ると、少しの隙間があります。(密閉ではありません。)
スレート屋根は屋根材同士を大きく重ねていて、隙間があっても、その重なりで強風雨の浸入を防ぐ構造となっています。
スレート屋根の横同士は継ぎ目があります。
そこから雨が浸入しても、その下には、1段下のスレートがあり、その表面を流れて、外へ流れ出る仕組みとなっています。
上下の隙間は重なりの中に入った水を外へ出すという重要な機能をはたしています。
DIY塗装後、縁切りをしないとこの入った水を外へ出すという重要な機能をつぶしてしまっているのです。
継ぎ目から入った水は出口が塗料で塞がれているために、排水不能となります。
強風雨や大雨で、浸入した雨水は、排水できず、スレート屋根を留めている釘から伝わって、室内へ浸入して、雨漏りとなります。
継ぎ目や上下の隙間を完全に密着させればいいのか?とご質問をいただきますが、
上の写真のように、所々、継ぎ目・隙間が残り、浸入口となります。
また、いつかは、塗料が劣化して、部分的な浸入口ができてしまい、雨漏りにつながります。
DIY・塗装後のスレート屋根を散水試験してみました!
DIY・塗装後のスレート屋根で散水試験を試みました。
壁際の雨押え板金の下へ散水してみました。
すると、ほとんどは、軒先側から排水されるのですが、
青丸の部分で、スレートの上下の隙間から水が出てきました。
これは、白丸部分は塗料で密着しているのですが、青丸部分は塗料不足で隙間が開いていて、排水しています。
点線の⇒のように、スレートの中を水が移動していることになります。
この部分には、スレートの釘が打たれているので、雨漏りのリスクが高い場所になります。
実際、しばらくすると、室内への漏水が確認されました。(熱画像)
散水の様子はこちらの動画をご覧ください。
平場のスレート屋根全体的に散水を行いました。
すると、同様に室内側へ漏水がありました。
DIY・塗装後は、必ず、縁切りしましょう!
せっかく、DIYによる塗装をしても、雨漏りしては、意味がありません。
かえって、大掛かりな補修となり、費用も高額になってしまいます。
必ず、縁切りを行いましょう!
縁切りは、塗装の翌日に、上下の段差部分にカッターを入れる単純な作業です。
縁切りについて、もう少し詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください!
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。