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急勾配の屋根は危険なのでDIYはオススメできない
屋根のDIYの話をする前に、とっても重要なことをお伝えします。
北欧スタイルの家やログハウスなどは屋根のこう配(こうばい/傾き)が急であること多く、急な屋根は滑り落ちるやすく大変危険であるため、DIYはオススメできません。
自宅の屋根こう配が少し急だと感じる場合やDIYに自信がない場合は、悩まずにはじめから専門業者に依頼しましょう。(DIYは命掛けでするものではありません。)
屋根材の状態を見てDIYで補修できるのかチェックしよう
本記事においては、多くの住宅で採用されている人気の屋根材・スレート屋根のDIYについてご紹介します。
屋根材の経年劣化状態によっては、DIY補修することはできません。
DIYでの補修が可能なのかを判断するためのチェックポイントを簡単に解説します。
- ヒビ割れ
- 欠け
- 雨漏り
- 棟板金の浮き
ヒビ割れ
部分的に細いヒビ割れがある場合は、DIYによる補修が可能です。
ヒビ割れ部分に、コーキング(変成シリコン)を塗布しましょう。
ヒビ割れが2~3割程度ある場合は、屋根に不具合があることも考えられますので、専門業者に相談しましょう。
欠け
欠けが小さく部分的な場合は、そのままでも不具合が生じることはありませんが、DIYよる補修が可能です。
防水補修シートなどを貼ることができます。
欠けが大きい場合は、専門業者へ補修を依頼されることをオススメします。
雨漏り
雨漏りするほどスレート屋根材が傷んでいる場合、DIYはあきらめましょう。
専門業者に補修を依頼しないで、DIYしてしまうとかえって、雨漏りが悪化する可能性が高いです。
雨漏りが頻繁にしている場合は、屋根の下地が傷んでいる場合もあるため、屋根の上に登ることも危険ですので、やめておきましょう。
棟板金の浮き
屋根の頂上にある山形の棟板金が浮いている場合、DIYはあきらめましょう。
下手に触って手を切る可能性があります。
また、落としてしまって2次被害が発生することもあります。
正規の状態にすることはDIYでは困難ですので、専門業者に補修を依頼しましょう。
人気の屋根材!スレート屋根の補修をDIYする3つの方法
スレート屋根の補修をDIYする3つの方法をご紹介します。
- コーキング
- 防水シート
- 塗装
次の章からそれぞれについて解説しますね。
【人気の屋根材!スレート屋根の補修をDIYする】①コーキング
スレート屋根をコーキング材で補修する場合の手順は以下となります。
●コーキング材で補修する手順
- 屋根材表面の汚れやホコリ、コケなどをきれいに取り除く
- ヒビの周辺をマスキングテープで養生する
- ヒビの両脇でスレートの重なり内へコーキングを注入する
- ヒビの表面にコーキングを塗布する
- コーキングの厚みが3mm程度になるようにヘラで仕上げる
- マスキングテープを取り除く
●コーキングする注意点
- 塗布したコーキングを踏まないようにする
- 屋根面は傾斜があるので道具などが滑り落ちないようにする
- 仮に屋根から滑り落ちかけた道具は追っかけないようにする
【人気の屋根材!スレート屋根の補修をDIYする】②防水シート
スレート屋根を防水シートで補修する場合の手順は以下となります。
●防水シートで補修する手順
- 防水シート・テープを選ぶ
- 貼る場所の屋根材表面の汚れやホコリ、コケなどを取り除く
- 防水シート・テープをちょうどいい大きさにカットする
- 防水シート・テープを貼る
●防水シートを貼る注意点
- スレート重なり内に入った雨水の排水を妨げないようにする
- ロール状の防水シート・テープは転がり落下しやすいので注意する
【人気の屋根材!スレート屋根の補修をDIYする】③塗装
スレート屋根を塗装で補修する場合の手順は以下となります。
●塗装で補修する手順
- 塗装面の汚れ、ホコリ、コケ等をきれいに取り除く
- 塗装面が十分に乾燥していることを確認する
- 下塗りをする
- 上塗りをする
- 上下の屋根材が接着している箇所は縁切りをする(縁切りをしない場合、雨漏りリスクがある)
次の章から塗装のときの縁切りについて、重要ですので詳しく解説します。
人気の屋根材!スレート屋根のDIY塗装の注意点は縁切りです!
スレート屋根の雨漏りで伺った建物は、塗装後に縁切りされていない場合がほとんどです。
とくに、スレート屋根のDIY・塗装の場合、スレート上下の隙間が気になるようで、その部分をしっかり塗料で埋めてしまいます。
雨漏りの原因がその隙間を埋めたことだと説明してもなかなか理解いただけません。
写真を見ながら、縁切りについて説明します。
スレート屋根のDIY・塗装後を写真で示します。
スレート屋根のDIY塗装後
築30年程度のスレート屋根で、3回目の塗装です。
縁切りとは、スレート屋根の塗装後、スレート屋根材上下の段差部分の塗料にカッターの刃を入れて、塗料を切る作業のことです。
上の写真は、DIY塗装後、縁切りをしていません。
屋根材の上下の重なり部分が塗料で密着しています。
一般の方は、隙間がなく、密着している方が雨漏りしない!と思われていることでしょう。
でも、これは大きな間違いなのです。
新品のスレート屋根を見ながら説明します。
新品のスレート屋根
新品のスレート屋根の写真です。
もともと、スレート屋根は工場で塗装されているので、施工現場では塗装しません。
スレート屋根の上下の隙間を見ると、少しの隙間があります。(密閉ではありません。)
スレート屋根は屋根材同士を大きく重ねていて、隙間があっても、その重なりで強風雨の浸入を防ぐ構造となっています。
スレート屋根の横同士は継ぎ目があります。
そこから雨が浸入しても、その下には、1段下のスレートがあり、その表面を流れて、外へ流れ出る仕組みとなっています。
上下の隙間は重なりの中に入った水を外へ出すという重要な機能をはたしています。
DIY塗装後、縁切りをしないとこの入った水を外へ出すという重要な機能をつぶしてしまっているのです。
継ぎ目から入った水は出口が塗料で塞がれているために、排水不能となります。
強風雨や大雨で、浸入した雨水は、排水できず、スレート屋根を留めている釘から伝わって、室内へ浸入して、雨漏りとなります。
継ぎ目や上下の隙間を完全に密着させればいいのか?とご質問をいただきますが、
上の写真のように、所々、継ぎ目・隙間が残り、浸入口となります。
また、いつかは、塗料が劣化して、部分的な浸入口ができてしまい、雨漏りにつながります。
DIY塗装後のスレート屋根を散水試験してみました!
DIY・塗装後のスレート屋根で散水試験を試みました。
壁際の雨押え板金の下へ散水してみました。
すると、ほとんどは、軒先側から排水されるのですが、
青丸の部分で、スレートの上下の隙間から水が出てきました。
これは、白丸部分は塗料で密着しているのですが、青丸部分は塗料不足で隙間が開いていて、排水しています。
点線の⇒のように、スレートの中を水が移動していることになります。
この部分には、スレートの釘が打たれているので、雨漏りのリスクが高い場所になります。
実際、しばらくすると、室内への漏水が確認されました。(熱画像)
散水の様子はこちらの動画をご覧ください。
平場のスレート屋根全体的に散水を行いました。
すると、同様に室内側へ漏水がありました。
DIYを試すと保険が下りなくなる可能性に注意しよう!
火災保険は自然災害で建物が破損したときに使える可能性があります。
自然災害で屋根が破損した場合、まずは火災保険を使う方向で検討されることをオススメします。
屋根が破損した部分をDIYで直してしまうと、火災保険が使えなくなる可能性がありますので注意してください。
【まとめ】せっかくのDIYで状況が悪くならないようにしよう!
屋根材の経年劣化状態によっては、DIY補修することはできません。
DIYでの補修が可能なのかを判断するためのチェックポイントは以下となります。
- ヒビ割れ
- 欠け
- 雨漏り
- 棟板金の浮き
スレート屋根の補修をDIYする方法は3つあります。
- コーキング
- 防水シート
- 塗装
スレート屋根の雨漏りで伺った建物は、塗装後に縁切りされていない場合がほとんどです。
縁切りとは、スレート屋根の塗装後、スレート屋根材上下の段差部分の塗料にカッターの刃を入れて塗料を切る作業のことで、必ず縁切りを行いましょう!
屋根に関して、お悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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