瓦屋根ガイドライン・補強用ビスと補強用くぎの違いをご紹介します。

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!
    神清(かみせい)のDr.神谷です。

    瓦屋根の周辺部は、風の影響を受けやすいので、
    補強用のネジ(ビス)で留め付けしています。
    しかし、20年前ぐらいは、補強用のくぎでも施工されていました。
    補強用ネジと補強用くぎの違いをご紹介します。

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瓦屋根ガイドライン・補強用ビスと補強用くぎの違いをご紹介します。

瓦屋根の歴史は古く、時代とともに、瓦屋根も変化しています。

ここ100年ぐらいで考えますと、関東大震災と阪神大震災によって、瓦屋根は大きく進化しました。

関東大震災(約100年前)により、土葺き工法(瓦の下地として、瓦の下に葺き土を入れる)から引掛け桟工法(瓦の下地として、瓦の下に桟木を入れて瓦を引掛ける)へと進化しました。

阪神大震災(約25年前)により、引掛け桟工法からガイドライン工法・防災瓦へと進化しました。

大きな自然災害が発生する度に、瓦屋根の標準仕様は改善されています。

一昨年の台風21号・昨年の台風15号により改善点が明確になりました。

一昨年の台風21号による大阪での被害、昨年の台風15号による千葉での被害から、屋根周辺の補強用留付けくぎの見直しが必要だと感じています。

補強用留付けくぎとは、パッキン付きスクリューくぎのことです。

上の写真は、パッキン付きスクリューくぎです。

20年以上まえからよく屋根周辺の軒瓦、けらば瓦、棟瓦を留付けるために、使用されていました。

上の成績書は、愛知県陶器瓦工業組合が実施したけらば瓦(袖瓦:そでかわら)をパッキン付きスクリューくぎで補強して、ガイドライン試験の耐風圧性能試験で合格した成績書です。

耐風性能としては、パッキン付きスクリューくぎは十分にあることが確認されています。

しかし、耐久性の面で、パッキン付きビスに比べて、劣っていることが、21号・15号で明確になりました。

 

パッキン付きスクリューくぎが使用された屋根の台風被害状況です。

築20年は経過している瓦屋根(S形)の棟瓦と軒瓦の留付けで使用されていました。

上の写真は、棟瓦をパッキン付きスクリューくぎで留めた状態です。

上の写真は、軒瓦をパッキン付きスクリューくぎで補強している状態です。

台風により棟瓦が飛散しました。

一昨年の台風21号で、棟瓦が飛散しました。

棟瓦を留めているパッキン付きスクリューくぎのくぎ穴周辺の木部が、雨水浸入で劣化し、くぎ穴が拡がっている部分です。

上の写真は、飛散した瓦が別の棟瓦にあたり、棟瓦が割れて、パッキン付きスクリューくぎが木部に残っていたところです。

パッキン付きスクリューくぎの初期性能は、ガイドライン試験の合格で確認されています。

しかし、経年(20~30年)での耐久性に問題があることがわかりました。

経年で、徐々にくぎが抜けてくる現象が確認されています。

このくぎ抜けにより、棟瓦のくぎから伝い水で雨水が浸入して、木部の劣化が発生し、さらにくぎ抜けしやすくなるというメカニズムです。

パッキン付きビスが使用された瓦屋根

パッキン付きビスは下の写真のものです。

ビスの方が、徐々に浮いてくるという現象が起きにくくなっています。

現在の瓦屋根では、ほとんどパッキン付きくぎからパッキン付きビスに移行しています。

先程の瓦屋根の増築部分はパッキン付きビスでした。

先程の瓦屋根の増築部分では、パッキン付きビスが使用されていました。

ビス浮きも見られず、しっかり棟瓦は固定されていました。

 

まとめ:20年近く経過した瓦屋根のパッキン付きスクリューくぎの屋根はパッキン付きビスに交換するメンテナンスをおススメします。

20年近く経過した瓦屋根のパッキン付きスクリューくぎは点検が必要です。

棟瓦のくぎ浮きが見られたら、パッキン付きビスに交換しましょう。

台風で飛散する前に交換する方が、安価であり、なによりも安心・安全です。

さらに、もっとな長持ちさせたい方は、長寿ロールで、ビス穴の劣化もふせぐことができます。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

築20~30年・瓦屋根の台風被害 原因とその対策はこれです!

 

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