目次
板金工事とは?屋根修理工事との違いも解説
一般に板金工事は、金属建材を使用する工事全般のことを意味し、具体的には以下のような工事があります。
- 金属製の雨樋の工事
- 金属屋根の工事
- 金属サイディングの工事
- 土台、壁際、谷樋の水切り板金の工事
一方で、屋根修理工事は金属製屋根だけではなく、瓦屋根やスレート屋根など全般の屋根修理のことを意味しています。
また、瓦屋根やスレート屋根の修理においても谷樋、壁際、軒先、棟、けらばなどのの水切り板金を設置することを屋根板金工事と呼ぶこともあります。
次の章からは、屋根板金工事の種類と値段について詳しく解説していきます。
雨漏り防止には屋根板金工事が重要!5つの種類を紹介
屋根板金工事には主に5つの種類があります。
- 棟板金(むねばんきん)
- 谷板金(たにばんきん)
- けらば捨て水切り(すてばみずきり)
- 雨押え水切り板金(あまおさえみずきりばんきん)
- 軒先水切り(のきさきみずきり)
これらは、瓦屋根、スレート屋根、金属屋根のどれでも仕様の一部として行われています。
次の章から、それぞれの板金と部材の値段などを詳しく解説していきますね。
【屋根板金工事の種類と値段】①棟板金
棟板金は棟部(むねぶ/屋根の頂部)で使用される板金のことです。
屋根材の種類(粘土瓦やセメント瓦)では同じ材料の棟瓦が施工されるため、使用されないことが多いです。
棟板金の修理工事の内容と値段の相場を紹介します。
修理内容 | 実施目安 | 費用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
棟板金の交換 | 既存棟板金・下地木材を撤去して、新しい下地・棟板金を施工する。 | 20~30年 | 20万円~ | 錆び・劣化した場合 |
棟板金の浮き・飛散修理 | 既存棟板金・下地木材の浮き・飛散した部分を交換 | 被害発生後 | 10万円~ | |
棟板金をビス留め | 棟板金を留めている釘が浮いている場合、釘を抜いてビスに交換する。 | 10~30年 | 5万円~ | 釘浮きが多い場合 |
棟板金の塗装 | 既存棟板金の表面に塗装する。 | 10~15年 | 5万円~ | 屋根塗装と併せて実施 |
棟板金の飛散事例について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【屋根板金工事の種類と値段】②谷板金
V字形で2面の屋根面が交わる部位を谷部(たにぶ)と言います。
屋根において雨が集まってくる場所であるため、もっとも雨漏りが多い部位です。
どんな屋根材でも雨を滞留させることなく、速やかに排水したいために、V字形の谷板金を使用します。
修理内容 | 実施目安 | 費用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
谷板金の交換 | 既存の屋根材を部分的にはずして、谷板金を撤去して、新しい谷板金を施工する。 | 20~30年 | 20万円~ | 穴開き・劣化した場合 |
谷板金のカバー | 既存谷板金の上に新しい谷板金をカバーする。 | 15~25年 | 10万円~ | 錆びが発生した場合 |
谷板金の防水 | 既存谷板金の表面に塗膜防水を施工する。 | 15~25年 | 20万円~ | 屋根形状が複雑で交換だと高額となる場合 |
谷板金の修理工事について詳しくはこちらの記事で解説しています。
瓦屋根 雨漏り原因No.1は谷部からの浸入 部分補修できますよ!
【屋根板金工事の種類と値段】③けらば捨て水切り
屋根の端部をけらば部といいます。
強風雨などで、平部とけらば部の間に雨水が浸入することがあります。
そのときに、雨水がルーフィングや屋根下地へ流れ込まないように、けらば捨て水切りを設置します。
けらば捨て水切りに入った雨水はそのまま、滞留することなく、軒先へ排水されます。
けらば捨て水切りの交換は屋根の葺き替えなどを行うときに併せて交換される場合が多いです。
けらば捨て水切りに土ぼこりが詰まり、オーバーフローして雨漏りした場合に修理が行われます。
けらば付近の屋根材を撤去して、けらば捨て水切りを新品に交換します。
費用目安としては20万円~となります。
ケラバ捨て水切りからの雨漏りについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
スレート屋根の雨漏り 3大原因の1つ「ケラバ部の浸水」をご紹介。
【屋根板金工事の種類と値段】④雨押え水切り板金
屋根と壁が接合している部分に設置するつなぎのような板金を雨押え水切り板金(あまおさえみずきりばんきん)と言います。
屋根と壁の接合部からの雨漏りが多いために、板金を入れて壁内を伝わる雨水が屋根の上に出てくるように配置されます。
雨押え水切り板金の交換は屋根材や壁材を交換したときに行います。
費用目安としては、屋根材や壁材の交換費用に含まれます。
また、屋根・壁を塗装するときに合わせて板金を塗装します。(費用目安は5万円~)
【屋根板金工事の種類と値段】⑤軒先水切り
屋根の先端部分を軒先(のきさき)と言います。
強風雨などで、瓦下のルーフィング上を流れた雨水を雨どいへ伝えるために軒先部に設置する水切り板金です。
軒先水切りは瓦屋根で設置していない場合に雨漏りとなる場合があります。
屋根材を撤去して、軒先水切りを設置して雨漏り修理する場合があり、費用目安は50万円~となります。
瓦屋根の軒先水切りについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
板金の劣化症状を知っておこう
板金の代表的な劣化症状について写真とともに紹介します。
・板金の孔開き・・・板金の錆び・腐食を放置しておくと、やがて孔が開き、雨漏りの原因となります。
・板金の錆び・・・板金は塗装めっき鋼板(ガルバリウム鋼板等)が一般的に使用されていますので、経年劣化で鋼板の錆びが発生します。
・釘浮き・・・板金は釘で下地の木材に留め付けられています。しかし、経年で板金の反発力や振動などで、釘浮きが発生することがあります。
・板金の浮き・変形・・・板金は強風にあおられて、釘で留め付けている部分が破壊され、板金の浮き・変形が発生することがあります。
・板金のはがれ・・・板金のはがれは、強風で屋根下地との留め付けが破壊され、屋根から板金がはがれることがあります。また、木下地ごと破壊されて飛散することもあります。
屋根における板金のメンテナンスについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根材と板金の役立つ情報を紹介!メンテナンスのコツも解説します!
板金の塗装は交換よりも値段が安い
板金のメンテナンスに必要な費用の目安を簡単にご紹介します。
修理内容 | 費用 | |
---|---|---|
棟板金の交換 | 既存棟板金・下地木材を撤去して、新しい下地・棟板金を施工する。 | 20万円~ |
棟板金の塗装 | 既存棟板金の表面に塗装する。 | 5万円~ |
面積にもよりますが、板金塗装の方が安価となります。
板金の交換は屋根材や外壁との取合も関係してくるので、費用はかかります。
一方で、外壁や屋根を塗るタイミングで板金も塗装することで、足場代などを気にせずに板金をメンテンナンスすることができます。
板金を塗装メンテナンスすれば、その分だけ錆びが発生する時期が遅くなり、交換時期を遅らすことができますので、外壁や屋根を塗装する際には併せて塗装しましょう。
【まとめ】屋根板金工事で雨漏りを未然に防ごう
一般に板金工事は、金属建材を使用する工事全般のことを意味しており、その具体例を紹介しました。
- 金属製の雨樋の工事
- 金属屋根の工事
- 金属サイディングの工事
- 土台、壁際、谷樋の水切り板金の工事
また、屋根板金工事は金属屋根材の工事だけではなく、瓦屋根やスレート屋根の修理においても谷樋、壁際、軒先、棟、けらばなどのの水切り板金を設置することも含まれることを紹介しました。
それらの屋根板金の修理内容とその費用も紹介しました。
屋根板金の中でもっとも避けたいのは、板金が劣化して穴が開くことによる雨漏りです。
板金の劣化を防ぐには、塗装メンテナンスが有効となります。
屋根・外壁を塗装する場合には、併せて、屋根板金も塗装することをオススメします。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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