棟板金の浮きの修理に必要な費用は?工事の流れなども詳しく解説

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 棟板金の浮きを修理するための費用について知りたい
  • 棟板金の浮きを修理するための費用を安くする方法が知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「棟板金の浮きを修理するための費用について知りたい」「棟板金の浮きを修理するための費用を安くする方法が知りたい」という方に向けて書かれています。

棟板金は屋根の中でも負荷がかかる場所であるため、棟板金の浮きを防止するための釘の打ち直しや定期的な棟板金の交換は、非常に大切です。

メンテナンスが重要な場所だけに修理費用は、気になるところですよね。そこで本記事では、棟板金の浮きを修理するために必要な費用ついて解説していきます。

修理の内容や工事の流れなども写真と共に詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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棟板金の浮きがあるってどんな状態?

棟板金とはスレート屋根や金属屋根などの棟部(屋根の頂部)に設置されている板金のことです。

棟板金の役割は主に2つあります。

  • 棟部から雨水が屋根材の下へ浸入することをふせぐ
  • 強風によって棟部付近から屋根材が飛散するのをふせぐ

 

棟板金は10年くらい経過すると棟板金が浮くことがあります。

棟板金が浮く原因としては強風にあおられることです。

また、棟板金は釘で留め付けられているのですが、経年で釘浮きすることが一つの要因となります。

棟板金は側面に釘を打ち、内部にある貫板(ぬきいた/木材)に固定されています。

経年で所々の釘が10mm程度浮いてしまう現象が発生します。

釘浮きの原因としては主に2つあります。

  • 棟板金が外側に開こうとする力(スプリングバック)によって釘が抜ける
  • 貫板が水分によって劣化することで釘の保持力が低下する

 

棟板金の浮きを修理するための費用

棟板金の浮きを修理するための費用目安を紹介します。

修理内容修理費用目安
釘・ビスの打ち直し50,000~80,000
棟板金の交換工事100,000~200,000

※足場費用を除く

棟板金の中には貫板が入っているのですが、その貫板が腐朽している場合は貫板から交換が必要となります。

貫板は屋根材を貫通して野地板に留め付けられているので、交換するときは雨漏りしないように古い釘穴をシールしてもらいましょう。

 

屋根棟の修理費用の相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根棟の修理費用の相場は?修理のタイミングや安くするコツも紹介

 

棟板金は修理費用に加えて足場代も必要な工事

棟板金の修理工事は基本的に足場が必要な工事となるため、上記の修理費用に加えて足場代が必要となります。

足場設置に必要な費用の相場は、「足場設置に必要な費用=足場架面積×㎡単価」で求められます。

足場にはいくつかの種類があるため、その㎡単価を紹介します。

足場の種類費用目安
クサビ(ピケ)足場1,000~1,200円/㎡
パイプ(単管)足場600~800円/㎡
単管ブラケット足場800~1,000円/㎡
屋根足場800~1,000円/㎡

具体的な例でおよその費用をイメージでしてください。

足場架面積が180㎡の一戸建てにクサビ(ビケ)足場を設置する場合を計算してみます。

180㎡×1,000円/㎡=180,000円 となります。

ただし、棟板金の交換の場合には、建物形状や棟板金の交換部分によって全周に足場を設置しなくても済む場合もあります。

 

足場が屋根修理に必要な理由について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理に足場が必要な3つの理由とは?費用相場や注意点も紹介

 

棟板金の修理工事の流れ

棟板金の交換工事の流れを紹介します。

①既存の棟板金と貫板を撤去する

既存の棟板金を撤去し、貫板が劣化している場合は貫板も撤去します。

②既存の釘穴をコーキングする

貫板を留めていた釘はスレート、防水シートに貫通孔をあけているため、雨漏りを防ぐためにコーキングを行います。

③新しい貫板を設置する

新しい貫板を設置します。(写真は樹脂製の貫板となっています。)

④新しい棟板金を設置する

新しい棟板金で貫板をカバーします。

⑤ビスで棟板金を留め付ける

新しい棟板金は釘抜けを防ぐために、貫板の横側にビス留めします。

 

棟板金の浮きは不具合の始まりのサイン

棟板金の浮きから不具合が始まります。

新築当初は強風でも棟板金が浮くことはありません。

棟板金の浮きは、釘抜けや貫板の劣化が要因で強風時に発生します。

とくに、貫板の劣化は棟板金が設置されている状態では点検することができないため、棟板金の浮きを見逃さないことが重要です。

棟板金の浮きを放置しておくと、台風などの強風によって、棟板金や貫板が飛散する被害が発生するリスクが高まります。

棟板金の浮きを発見したら、早めに修理することがメンテナンス費用を抑えることにつながります。

 

棟板金の浮き以外にも気をつけたい屋根の不具合

棟板金の浮き以外にも気をつけておきたい屋根の不具合を紹介します。

  • 屋根材の破損や剥がれ
  • 塗装の剥がれやコケの発生
  • 瓦屋根の漆喰のはがれ
  • 瓦屋根の旧工法での留め付け
  • 雨樋のオーバーフロー

これらの屋根の不具合もメンテナンスを行うサインと言えます。

そのまま放置すると雨漏りや自然災害による被害などが発生します。

 

修理費用が高額な飛び込み営業に気をつけよう

棟板金が浮いている状態はメンテナンスのサインとお伝えしました。

ただ、一般の方が地面から棟板金が少し浮いている状態を判別することはむずかしいです。

そこに目をつけた悪質な飛び込み営業・訪問販売業者が、「お宅の屋根の板金が浮いている。放置すると雨漏りする。屋根が飛ぶ。」と言って、やってくるのです。

それも棟板金が浮いていなくても指摘してくるのです。

不要不急な棟板金の修理を高額な費用で提案してだましてきます。

そのような悪徳業者の被害に合わないためには、全ての訪問販売業者が言っていることはウソと思い、絶対に契約しないようにしてください。

そして、自分で調べた優良そうな屋根修理業者に点検を依頼することをオススメします。

 

屋根修理の飛び込み営業の手口について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理の飛び込み営業は悪質!5つの手口と見分ける方法を解説!

 

棟板金の浮きを修理するための費用をできるだけ安くしよう

棟板金の浮きを修理するための費用をできるだけ安くするためには、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。

本当に棟板金が浮いていて修理が必要なのかも、複数の業者に診てもらうことで判断できます。

どのような工事をした方がいいのかも提案していただけるからです。

また、依頼する業者は自社で修理工事ができる業者を選ぶことで中間マージンを削減することができます。

 

屋根の見積もりの仕方について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根の見積もりの仕方!3つのコツを屋根屋が詳しく解説します

 

修理費用を抑えるには定期的な点検が重要です

修理費用を抑えるためには修理費用を安くすることも重要ですが、それ以上に普段から定期点検を行い、被害が大きくなる前に修理を行うことが重要です。

オススメとしては、台風などの自然災害が発生するたびに、地面から屋根を点検することです。

毎年数回、屋根をみることで棟板金の浮きなどの変化に違和感を感じるようになります。

違和感を感じたら、屋根修理業者に屋根点検をしてもらいましょう。

また、最低でも10年程度ごとに屋根修理業者に屋根に上がってもらって、釘の状態を見てもらうべきだと思います。

早期に不具合を修理することができ、屋根の寿命も少し伸びますので、トータルの屋根メンテナンス費用を抑えることにつながります。

 

【まとめ】棟板金の浮きを修理する費用は意外に高額

棟板金の役割は雨漏りを防ぐことと強風で屋根を飛散させないことです。

つまり、建物を健全な状態で維持するために重要な部材となります。

棟板金の浮きを修理する費用は足場込みで30~万円程度です。

棟板金の修理工事は基本的に足場が必要な工事となるため、意外と高額な費用となってしまいます。

そのため、訪問販売業者による「棟板金が浮いている」詐欺には合わないように注意してください。

棟板金の浮きを修理するための費用をできるだけ安くするためには、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。

また、定期点検をすることによって早期に不具合を修理することができ、屋根の寿命も少し伸びますので、トータルの屋根メンテナンス費用を抑えることができます。

 

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