目次
- 屋根にはどうして断熱・遮熱が必要なの?
- 断熱が必要?ガルバリウム鋼板屋根は暑いのか
- 断熱材が不足するとガルバリウム鋼板屋根は暑いことも
- ガルバリウム鋼板屋根に断熱材を設置・追加すれば暑さを軽減できる
- ガルバリウム鋼板屋根に効果的なのは「断熱塗料」?
- ガルバリウム鋼板屋根の塗装で断熱効果を高めるには?
- 「断熱塗料」と「遮熱塗料」との違い-ガルバリウム鋼板屋根におすすめなのはどちら?
- ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の効果
- ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の効果はどのくらい持続する?
- ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の費用はどのくらい?
- 新築のガルバリウム鋼板屋根でも断熱は必要?
- 【まとめ】ガルバリウム屋根は遮熱対策で快適に!
屋根にはどうして断熱・遮熱が必要なの?
屋根に断熱・遮熱が必要な理由を紹介します。
屋根は夏の日射や冬の放射冷却によって、もっとも寒暖差が大きい建物の部分です。
ここ30年以内の住宅では、天井に断熱材を設置して対策されています。
また、最近は温暖化対策として、遮熱材を設置することもあります。
室内の温熱環境を改善するためには、天井に断熱材を追加することが効果的でエアコンの電気代を軽減するのに役立ちます。
屋根材に断熱・遮熱性能を与えても、天井断熱材が入っていると室内への影響はほとんどありません。
工場や倉庫などの天井がなく断熱材が入っていない建物では、屋根に断熱や遮熱を取り入れると夏の暑さを軽減することはできます。
断熱が必要?ガルバリウム鋼板屋根は暑いのか
ガルバリウム鋼板屋根では夏場、暑くなります。
とくに、築年数が経過した建物で、粘土瓦からガルバリウム鋼板屋根へ葺き替えた場合、天井上の断熱材がないか薄いため、2階天井上で50℃(粘土瓦にくらべて約6℃高くなる)と高温になります。
屋根材の温度比較(瓦vs金属屋根)に関して、実大住宅での温熱環境測定したデータを紹介します。
同じ工務店さんが建てた、隣接しているほぼ同じ大きさ・同じ屋根の向きの実大住宅で、1F・2F・ロフトの温度・湿度を比較しました。
- ロフトの最高温度はガルバリウム鋼板屋根住宅において、50℃近くに達している
- 2F部屋の最高温度はガルバリウム鋼板屋根住宅では40℃を超えている
古い住宅で粘土瓦からガルバリウム鋼板屋根に葺き替えした場合、併せて、熱中症対策として、天井断熱材の追加工事を行いましょう。
ガルバリウム鋼板など金属屋根の夏の暑さについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根材比較・金属屋根ロフト部屋50℃と猛暑 中古住宅の屋根リフォームは要注意です!
断熱材が不足するとガルバリウム鋼板屋根は暑いことも
屋根部分の断熱(天井断熱や屋根断熱)に適切な量の断熱材が入っていない場合、屋根からの熱が直接室内に伝わり室温がかなり上昇します。
ここ30年以内の住宅では、天井等に断熱材を設置して対策してきています。
それ以前の住宅では断熱材が大幅に不足している場合が多いです。
この場合、ガルバリウム鋼板屋根では、2階室内の温度が40℃近くとなり、暑くなってしまいます。
ガルバリウム鋼板屋根に断熱材を設置・追加すれば暑さを軽減できる
ガルバリウム鋼板屋根が暑いと感じるときは、天井上に断熱材の設置・追加することで暑さを軽減できます。
暑さを軽減する対策としては、天井上の断熱材設置は比較的安価にできるのでコストパフォーマンスが高くオススメです。
また、家全体の断熱効果を高めるには、窓・サッシの断熱性能を上げることが有効です。
窓・サッシを取替えたり内窓を付けたりすることも人気の断熱改修となります。
断熱対策に関して詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根に断熱塗装が大切な理由とは?遮熱との違いや効果的な方法も紹介
ガルバリウム鋼板屋根に効果的なのは「断熱塗料」?
近年、地球温暖化の影響で夏場の温度が高くなっていることから、熱中症になる方も多くその対策が求められています。
世界の平均気温の上昇率は100年あたり+0.73℃となっています。
建物の断熱性能を上げて、夏場にエアコンを使用することが室内の熱中症対策と省エネ・温暖化対策の両方を実現できます。
ただし、ガルバリウム鋼板屋根の断熱塗料では室内の断熱性能にはほとんど影響を与えないため、効果はありません。
また、ガルバリウム鋼板屋根の断熱塗料では、冬の暖房における省エネ効果はありません。
ガルバリウム鋼板屋根の断熱塗料は、工場や倉庫など断熱材を使用していない建物で検討されることをオススメします。
ガルバリウム鋼板屋根の塗装で断熱効果を高めるには?
ガルバリウム鋼板屋根の塗装で断熱効果を高めることは難しいです。
一方、ガルバリウム鋼板屋根の夏の暑さ対策となる遮熱効果を高めることなら、塗装で可能となります。
夏の暑さ対策には、白系や淡い色の日射反射率の高い色の「遮熱塗料」をガルバリウム鋼板屋根に塗布することがオススメです。
断熱塗料と遮熱塗料について次章で詳しく説明しています。
「断熱塗料」と「遮熱塗料」との違い-ガルバリウム鋼板屋根におすすめなのはどちら?
「断熱塗料」と「遮熱塗料」の違いを紹介します。
まず、断熱・遮熱の違いを説明します。
断熱とは、熱の移動・熱の伝達を減少させることで、断熱材とは、室内と室外の温度差があるときに、熱の移動を遅らせる素材です。
断熱効果は断熱性能厚みによって決まります。
遮熱とは、熱輻射による熱移動を防ぐことで、遮熱材とは、日射を吸収しないように反射する素材です。
熱の移動は、伝導・対流・輻射と3つの方式で移動しますが、その内の輻射による熱の移動を遮るものが遮熱材です。
遮熱効果は表面の日射反射率によって決まります。
断熱塗料の特徴
- 断熱塗料の特徴:塗料の中に断熱性能の高い中空ビーズが入っている
- 断熱塗料の効果:塗料自体は薄いため、断熱材ほどの効果は期待できない
- 断熱塗料の費用:塗料の中では高額な塗料である
遮熱塗料の特徴
- 遮熱塗料の特徴:白系のものが多い。濃い色のものは赤外線領域の反射率を高めている。
- 遮熱塗料の効果:日射による熱の伝わりを防ぎ、建物の温度上昇を抑える。伝導や対流による熱伝達には影響しない。
- 遮熱塗料の費用:通常の塗料より少し費用がかかる
一覧表にまとめてみました。
項目 | 断熱塗料 | 遮熱塗料 |
---|---|---|
定義 | 熱が移動したり伝わるのを抑えることができる塗料 | 輻射熱が伝わるのを防ぐことができる塗料 |
おもな役割 | 室内と外気の温度差がある際、熱の移動を遅らせる | 太陽の光を反射して日射による温度上昇を防ぐ(輻射熱を遮る) |
効果 | 主に伝導熱を抑える | 主に輻射熱を遮る |
効果の決まり方 | 断熱性能と塗膜の厚さによって効果が左右される | 表面の日射反射率によって遮熱効果が決まる |
実際の効果 | 塗膜の厚さが薄いため、室内断熱材ほどの効果は期待できない | 日射による熱の伝わりを防ぎ、建物の温度上昇を抑えるが、伝導や対流による熱の移動は防げない |
特徴 | 中空ビーズなどの断熱性能の高い素材が入っている・価格が高い | 日射反射率で性能が評価されている・価格は断熱塗料よりは安価である |
色の傾向 | 白系が多く、遮熱効果はある | 白系が多く、遮熱効果を強化 |
夏の暑さ対策を重点的に考えているなら遮熱塗料が推奨となります。
断熱塗料は断熱効果が控えめなため、ガルバリウム鋼板屋根にはおすすめできないです。
断熱塗料と遮熱塗料の違いについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根に断熱塗装が大切な理由とは?遮熱との違いや効果的な方法も紹介
ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の効果
ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の効果を紹介します。
遮熱塗料は、夏の日中で小屋裏温度を3~5℃下げる効果があります。(室内への影響はほとんどありません。)
屋根材の表面温度は約10~15℃ほど下げる効果があり、地球温暖化現象の抑制に役立ちます。
塗料は色によって日射反射率が異なります。
遮熱塗料の黒色よりも、普通の塗料の白色の方が日射反射率は高く、遮熱効果も高くなります。
遮熱効果を期待するのであれば、なるべく白系の色を選ぶことをオススメします。
遮熱塗料の効果について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装で遮熱塗料を使うのは効果的?メリットとデメリットを解説
ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の効果はどのくらい持続する?
ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の耐用年数について紹介します。
大部分の遮熱塗料の耐用年数は10~15年程度であるため、他の塗装メンテナンス期間と大幅な違いはありません。
遮熱塗料は10~15年で効果が薄れてくるため、定期的な再塗装が推奨されます。
ただし、遮熱塗料の表面が汚れると遮熱効果は低減します。
毎年の定期メンテナンスによる表面の掃除も効果を長続きさせるポイントとなります。
ガルバリウム鋼板屋根での遮熱塗料の費用はどのくらい?
遮熱塗料は1㎡あたり4,000〜5,000円程度必要です。
安価なシリコン塗料が1㎡あたり2,000円程度であるため、塗装時の費用負担は大きくなります。
費用アップを抑えたい人は白系のシリコン塗料がオススメとなります。
遮熱塗料の費用の目安について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装で遮熱塗料を使うのは効果的?メリットとデメリットを解説
新築のガルバリウム鋼板屋根でも断熱は必要?
新築のガルバリウム鋼板屋根で屋根面に断熱性能が必要かどうかについて紹介します。
最近の新築では建物側の天井上に設置される断熱材がどんどん厚くなっている傾向です。
住宅の省エネ基準が強化されているため、室内の冷暖房費を抑えることができる十分な断熱材が設置されています。
そのため、ガルバリウム鋼板屋根において、費用を掛けてまで断熱を付加する必要はありません。
断熱材付きのガルバリウム鋼板屋根はコストアップになるので、そこまでの必要ないでしょう。
【まとめ】ガルバリウム屋根は遮熱対策で快適に!
ガルバリウム鋼板屋根の塗装で断熱効果を高めることは難しいです。
断熱塗料は厚みが非常に薄いため、断熱材としての効果はほとんど期待できません。
夏の暑さ対策には、白系や淡い色の日射反射率の高い色の「遮熱塗料」をガルバリウム鋼板屋根に塗布することがオススメです。
また、天井上に断熱材を付加することも効果的です。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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