目次
なぜ雨漏りが起こるのかは屋根の基本構造を知ればわかる
住宅などの建物は「一次防水」と呼ばれる雨水を浸入させない部材と「二次防水」と呼ばれる部材から雨水が浸入したときに排水する仕組みで、雨漏りが起こらないような構造となっています。
屋根の構造としては、垂木(たるき)と呼ばれる屋根の骨の上に、野地板(のじいた)と呼ばれる屋根の下地があります。
その上に、防水シート(二次防水)が全面に設置されます。
最後に屋根材(一次防水)が施工されて、屋根ができています。
実際の屋根の写真はこちらになります。
黒い防水シートの上に瓦が施工されています。
台風などの強風雨時に瓦から浸入した雨水は、防水シートの上を流れて、雨樋へ入る構造となっていて、雨漏りを防ぎます。
垂木、野地板について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また、外壁も同様です。
強風雨時に外壁材(サイディング)(一次防水)から浸入した雨水は、防水シート(二次防水)の上を流れて、外壁材の下から外へ排水され、雨漏りを防いでいます。
雨漏りはなぜ起こるのか
「一次防水」と「二次防水」がセットで機能している間は、雨漏りは起こりません。
しかし、どちらかに問題が発生すると雨漏りが起こってしまいます。
まずは、経年した建物での雨漏りについて考えます。
- 屋根材が強風で飛散してしまうとそこから防水シートの上に大量に雨水が流れて防水シートの釘穴から浸入
- 屋根材がきれいに並んでいたとしても、防水シートが経年劣化で縮み、穴が開いてしまうと屋根材から浸入した雨水はその穴から浸入
次に、築浅での建物の雨漏りについて考えます。
- 強風雨時は屋根材から雨水が防水シート上に浸入するので、防水シートに施工ミス(破れ、ピンホールなど)があるとそこから浸入
- 強風雨時、屋根材から雨水が防水シート上に浸入するので、けらば部、棟部、屋根と壁の取り合い部、屋根の複雑な形状部、天窓周辺部などは防水シートに欠損(釘穴、ピンホール、穴開きなど)ができやすく、そこから浸入
結果、経年でも新築でも最後は二次防水の不具合部分から浸入して雨漏りとなります。
雨漏りの原因やメカニズムを把握するのはプロでも難しいことがある
雨漏りの原因やメカニズムを完全に把握するのはプロでも難しいです。
先ほど、述べたように雨漏りの最後の部分は二次防水から浸入することになります。
屋根材・壁材などの一次防水が二次防水を隠しており、外から二次防水の状態を確認することができないため難しいのです。
また、雨漏りは必ずしも屋根からとは限らず、壁や窓・サッシなどから雨水が浸入する場合も多いです。
雨水浸入した場所と雨漏りが発生している場所が離れている場合、さらに雨漏りの原因調査が困難となります。
雨漏りの原因把握が難しかったケースを紹介している記事はこちらです。
なかなか直らない外壁からの雨漏り 外壁を解体してみると驚きの施工が・・
また、雨漏り調査が困難だった事例を動画で紹介しています。
なぜ雨漏りが起こるのかがわからないときは雨漏り調査を行う
雨漏りの原因がわからないときは雨漏り調査を行いましょう。
弊社では、雨漏り修理を行う前には必ずと言っていいほど雨漏り調査を行っています。
目視だけでは100%とは言えないからです。
雨漏り原因を見誤ると雨漏り修理しても雨漏りは止まりません。
弊社では、目視調査・赤外線サーモグラフィ調査・散水調査等を組み合わせて、原因追及しております。
雨漏り調査についてこちらの記事で詳しく解説しています。
雨漏り調査ってなにをするの?費用は?5つの方法をプロが徹底解説!
事前調査で雨漏りの工事内容が大きく変わってきます。
なぜ雨漏りが起こるのかがわからないと適切な修理工事はできない
雨漏り修理に関しては、雨漏りの原因を特定せず、雨漏り点検(目視調査のみ)して業者の勘で修理工事をやる場合が多いようです。
なぜなら、このタイプの業者は雨漏り調査無料と言って、実際には目視調査は無料ですが、散水調査・赤外線サーモグラフィ調査などの時間がかかるものは有料としているからです。
お客様も急に有料と言われると困ってしまい、結果、業者の勘でコーキングを塗る修理工事をやってしまうのです。(もちろん、修理工事は有料です。)
そのときに、「劣化が進んでいるので、このコーキングで直らない場合は全面的に補修しないと家がダメになるよ。」と業者が言ってくるパターンが多いようです。
確かに、全面補修すれば直る場合もあります。
しかし、最初の見立てが外れていると全面補修しても直らないこともあります。
このような雨漏りの泥沼にはまらないようにするには、雨漏り調査を行って、原因をしっかりと把握して、適切な雨漏り修理を行うことが重要です。
雨漏り修理を勘で行う業者に依頼してしまったためになかなか直らなかった雨漏り事例を紹介します。
なかなか直らない屋上からの雨漏り 勘による応急処置はダメ【愛知県知多市】
雨漏りがよく起こる場所ってあるの?
「雨漏り=屋根」と思われている方も多いのですが、実は「壁」が原因となっている場合の方が多いのです。
- 壁
- 屋根
- バルコニー
- 窓・サッシ
- 雨樋
上記の順で雨漏りがよく起こっている場所となります。
室内へ漏れてくるのが、サッシのビス穴やサッシまわりだとしても、雨漏りの原因としては、壁の場合が多いのです。
その次に、屋根(屋上防水も含む)やバルコニーが多くなります。
室内の雨漏りした箇所から雨漏りの原因をお客様が推測するのはむずかしいので、壁だけではなく、屋根も雨樋も見ることのできる雨漏り専門の修理業者に依頼することをオススメします。
雨漏りの起きる場所について詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています。
雨漏りの原因やよく起こる場所は?対処法から修理費用まで全部解説!
水漏れは雨漏りと間違われることもある
水漏れとは、「内部外部にかかわらず配管・排水設備などの劣化や人為的ミスにより起こる水トラブルのこと」を言います。
建物の状況によっては、水漏れと雨漏りの区別がむずかしい場合もあります。
水漏れが疑わしい場合は以下となります。
- 雨が降っていないのに天井のシミが拡がる
- 天井のシミの上に水まわりの設備がある
- 上部が部屋で室内中央付近の天井にシミができる
- 急に水道料金が上がった
- 配管の接続部分から水が漏れている
雨漏りは雨が降っているその日に発生するとお考えください。
数日間も雨漏りが続くことはありません。
雨漏りと水漏れの違いについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
結露は雨漏りだと間違われることもある
結露とは、「暖かい部屋の空気の中にある目に見えない湿気・水蒸気が冷たい部分(ガラス面など)に接したときにその表面で水滴となって現れる現象のこと」を言います。
室内・窓周辺に水滴や水たまりができていると、雨漏りだと思う方がほとんどだと思います。
しかし、以下の場合は結露の可能性があります。
- 雨が降っていないのに水滴が落ちてくる
- 壁一面や窓ガラス表面・サッシ全体など広い面に水滴が付着している
- 小屋裏で北面だけに水滴が落下した痕がある
ただし、結露は雨漏り専門業者が診ることができますので、どちらにしても雨漏り専門業者に依頼しましょう。
結露と雨漏りの違いに関して詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています。
なぜ雨漏りは繰り返すことが多いのか
雨漏りが繰り返される原因のひとつとして、「建物の劣化」が激しい場合があります。
この場合は部分的な雨漏り修理ではなく、大規模な工事が必要となるケースがあることもご承知おきください。
しかし、多くの場合は「業者の施工が未熟」「原因が把握できていない調査不足」「職人の怠慢」「建物の理解不足」など、修理業者に問題があるケースとなります。
修理業者に問題がある場合、雨漏り調査もせず、いつまでたってもコーキングを打つだけで雨漏りが直らないため、別の信頼できる業者に依頼すべきです。
雨漏りが繰り返す理由にこちらの記事で詳しく解説しています。
【まとめ】雨漏りはなぜ起こっているのかを把握してから修理を行う
住宅などの建物は「一次防水」と呼ばれる雨水を浸入させない部材と「二次防水」と呼ばれる部材から雨水が浸入したときに排水する仕組みで、雨漏りが起こらないような構造となっています。
経年でも新築でも最後は二次防水の不具合部分から浸入して雨漏りとなります。
屋根材・壁材などの一次防水が二次防水を隠しており、外から二次防水の状態を確認することができないため難しいのです。
また、雨水浸入した場所と雨漏りが発生している場所が離れている場合、さらに雨漏りの原因把握がむずかしくなります。
弊社では、目視調査だけで原因把握はできないので、雨漏り修理を行う前には必ずと言っていいほど雨漏り調査を行っています。
なかなか直らない雨漏りの多くは「業者の施工が未熟」「原因が把握できていない調査不足」「職人の怠慢」「建物の理解不足」など、修理業者に問題があるケースとなります。
修理業者に問題がある場合、雨漏り調査もせず、いつまでたってもコーキングを打つだけで雨漏りが直らないため、弊社のように雨漏り調査をしっかりできる業者に依頼すべきです。
雨漏りでお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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