目次
雨樋の役割
雨樋は屋根に降った雨水を集めて排水することで、その雨水による不具合を防ぐ役割があります。
建物の屋根面に降った雨水を軒樋で集め、縦樋で地面の雨水桝などへ排水する一連の経路を担っています。
雨樋がないと、屋根面に降った雨水は屋根から外壁へ伝わります。
その分だけ外壁を流れる雨水量は増加します。
また、屋根の軒先(のきさき/屋根の先端)から直接地面に落ちる場合では、落下した水滴が地面で跳ね返ることによって、外壁の下部、基礎、土台の濡れる量が増加します。
雨樋を設置することで、外壁の雨掛かり量を減らすことができます。
外壁の雨掛かり量が少なくなると、外壁のシーリング材の劣化部や外壁のヒビ割れ部からの雨漏りを防ぐことにつながります。
気をつけておきたい雨樋の劣化症状
雨樋の寿命は一般的に20~年程度と言われています。
最終的に寿命が来ているかの判断は、年数ではなく、雨樋の劣化症状を診ることになります。
気をつけておきたい雨樋の劣化症状
雨樋の劣化が進行して、雨樋の交換が必要となる劣化症状を紹介します。
- 大きな割れ
- 雨樋の大きな歪み
- 雨樋の一部欠落
大きな割れは、経年で雨樋のつなぎ部分に発生することがあります。
また、縦樋の一部がはずれ欠落して、一連の排水経路が分断されることがあります。
雨樋の大きな歪みは自然災害などの外力によって取り付け金具が変形してしまうと雨樋の大きな歪みが発生しやすいです。
これらは雨樋から漏水が起きるので、交換を検討してください。
補修や塗装で終わる軽度の劣化症状
雨樋が劣化しても補修や塗装で対応できる軽度の劣化症状を紹介します。
- つなぎ目のズレ
- 色あせ
- 取り付け部品の傷み
- 適切ではない傾斜
軒樋のつなぎ目は日射熱による日々の伸縮によって、接着剤が切れ、つなぎ目のズレが発生して水漏れすることがあります。
接着剤を付け直して、補修することができます。
また、取り付け金具などを交換・付け直すことで、適切な傾斜に戻すことができます。
軽度の劣化症状でも足場が必要となるため、屋根や外壁のメンテナンス時にあわせて補修・塗装することをオススメします。
雨樋の劣化症状について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の修理費用の相場
雨樋の修理費用やメンテナンス費用の目安を紹介します。
雨樋のメンテナンス内容 | 概要・内容 | 費用 |
---|---|---|
雨樋の掃除・DIY | 1階屋根の雨樋を自分で掃除する。 必ず下からはしご・脚立などを使用してください。※落下に注意してください。 | 0円(自分の時間だけ) |
雨樋の掃除・業者 | 屋根屋さんに掃除を依頼して、雨樋の詰まりを掃除する。 | 2~3万円 |
雨樋の部分修理 | 足場を設置せずに、部分補修する。 | 5~10万円 |
雨樋の塗装 | 外壁・屋根などに併せて、雨樋を塗装する。 | 5~10万円 |
雨樋の部分修理(一面部のみ) | 外壁の1面部分だけについている雨樋を、足場を設置して、交換する。 | 15~20万円 |
雨樋の全体交換 | 住宅の雨樋全体を交換する。足場全面に設置する。 | 25~60万円 |
※上記には足場費用は含まれていません。
雨樋の部分修理ですと、5~10万円程度となります。
雨樋の塗装をしても同様に5~10万円程度です。
これらの修理では、足場費用の方が高くなる可能性がありますので、他の工事と併せて行いたいですね。
雨樋の修理に必要な日数
雨樋修理に必要な期間を紹介します。
雨樋修理内容 | 期間 |
---|---|
雨樋の掃除 | 数時間~1日程度 |
雨樋の部分交換 | 数時間~1日程度 |
雨樋の全体交換 | 1~3日程度 |
※上記には足場設置の期間は含まれていません。
足場設置する場合は、上記にプラスして2~4日程度が必要となります。
雨樋の修理費用や修理に必要な日数について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の修理のDIYは可能?
雨樋の修理のDIYについて、いくつかの注意点を紹介します。
- 高所作業による転落リスク
- 雨水がスムーズに流れなくなるリスク
- 現状よりも状態が悪くなるリスク
- 雨漏りリスク
雨樋は屋根の先端についているので、1階でも高さは3m以上となり、高所作業となります。
2m以上では高所作業となり、足場が必要と規定されていますので、1階の雨樋修理でも転落しないように注意が必要です。
軒樋は屋根全体の雨水が縦樋へ流れ込むように水勾配(わずかな傾斜)を取る必要があり、また、屋根材によって取り付けた高さを変える必要もあるため、難易度の高いDIYとなります。
現状よりも修理して悪化したり、雨漏りしたりするリスクがあるので、DIYを行うにはしっかりと検討されることをオススメします。
雨樋のDIYがどこまで可能かについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋のDIYはどこまで可能?掃除や補修・付け方までを完全解説
雨樋の修理費用は火災保険が使える?
雨樋の修理で火災保険が使えるのは、台風や強風の影響で雨樋が破損したり、大雪による落雪などで雨樋が変形・破損したりした場合です。
強風による被害を風災、雪による被害を雪災と呼んでいます。
風災や雪災が原因で雨樋が破損し、その影響で雨漏りした場合の被害についても修理代が保険金で支払われることがあります。
ただし、雨樋の変形が劣化なのか、風災・雪災によるものなのかは保険会社の判断となります。
必ずしも雨樋の修理に火災保険が使える訳ではないため、「火災保険で雨樋の修理ができる」と言ってくる飛び込み営業には気をつけてください。
中には、キャンセル料や違約金を契約に記載している悪徳業者もいますので、相手の営業トークにだまされないようにしてください。
屋根や雨樋などの修理で火災保険を使う場合の申請方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根修理で火災保険は使えるの?申請方法から注意点まで徹底解説!
雨樋の修理費用を安くするために必要なこと
雨樋の修理費用を抑えるためには、複数の業者へ見積書を依頼する「相見積もり」が必要です。
2、3社の業者とやり取りすることで、金額の比較をすることができますし、現状の雨樋の状態を理解することもできます。
また、どのように修理したらいいのかも、各社の意見が異なりますので、自分のイメージに近い業者を選ぶことができます。
また、見積書を見ることで、業者の良し悪しがわかることがあります。
- 見積書が手書きである
- 見積書の内容が打ち合わせした内容と異なっている
- 見積書がすべて一式となっており、単価を比較できないようになっている
全部の交換ではない場合、どの部分まで修理するのか、工事範囲をしっかりと説明してくれる業者を選びましょう。
雨樋の修理には多くの場合は足場が必要で、足場設置費用は15~25万円程度必要となるため、雨樋の修理を行う上で大きな負担となります。
屋根修理や外壁工事と同じタイミングで雨樋の修理を行えば、雨樋修理における足場代の比率を下げることにつながります。
雨樋の不具合の原因は詰まりが多い
雨樋の不具合の原因は雨樋の詰まりによるものが多いです。
雨樋が詰まると、軒樋のつなぎ目や縦樋の落とし口から水漏れやオーバーフローしてしまいます。
雨樋の詰まりは、落ち葉・樹種、野鳥の巣作りの名残(わら・細い枝)や土・泥などが縦どいへの落とし口で固まり、ふさいでしまうことで発生します。
落とし口が詰まると雨水は軒樋から排水されず、やがて、オーバーフローしていまいます。
雨樋が詰まって雨水がオーバーフローを起こすと、雨漏りやシロアリの発生を引き起こす可能性が高まります。
雨樋の不具合を放置しておくと、建物の資産価値を低下させるリスクとなります。
雨樋は定期的なメンテナンスが重要です
雨樋は定期的なメンテナンス(掃除)が重要です。
雨樋が詰まっていると、降雨後は軒樋に雨水が溜まった状態が続きます。
軒樋や金具に負荷がかかりつつけるので、破損や経年劣化が早まります。
雨樋の詰まりを防ぐことは、雨樋の寿命を延ばすことにもつながります。
近くに樹木があったり、畑があったり、鳥がたくさん飛来したりするような建物の立地では、雨樋が詰まりやすく、掃除を頻繁に行う必要があり、費用面で大きな負担となります。
そう言う立地では雨樋の詰まりを軽減する「落ち葉よけシート」が有効と思います。
「落ち葉よけシート」を設置すれば、定期的にしなければならない雨樋掃除のストレスから解放され、業者に依頼する際の雨樋掃除の費用の節約につながります。
「落ち葉よけシート」について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の詰まりは本当に防げる?落ち葉よけシートをDIYで試しに設置してみました!
雨樋の修理はどこに頼む?
雨樋の修理が可能な業者は建築関係であれば、どこでも対応できます。
- 家を建てた施工業者
- 大手ハウスメーカー
- 工務店
- ホームセンター
- 屋根や雨樋の修理の専門業者
- リフォーム業者
- 塗装業者
特別、信頼関係のある業者がいなければ、自社で修理ができる業者を選ぶようにしましょう。
大手ハウスメーカーや工務店では、営業経費がかかり、どうしても中間マージンが高額となります。
屋根や雨樋修理の専門業者であれば、直接やることができるので、比較的リーズナブルな価格となります。
優良な修理業者を見つけるための探し方
優良な修理業者の探し方やポイントを紹介します。
- 地元・業界の雑誌
- インターネットのサイト
- 知人の紹介
上記から探すことが昔から行われていますが、最近はスマホからインターネットで検索することが多いと思います。
「地名」「雨樋」「修理」などで検索すると県内の業者が検索される可能性が高まります。
ただし、全国展開している集客サイトが上位に来ますので、会社概要からその会社の所在地を確認しましょう。
東京・大阪・名古屋などの都市部に事務所がある場合は、web会社ですので、集客してマージンを得る会社です。
どんな業者が来るのかわからないです。
地元密着型の会社、社員の顔が出ている会社、施工事例が載っている会社のサイトを選ぶことをオススメします。
修理業者の選択を間違えてしまって、起こり得る悪影響を紹介します。
- 修理費用が高額となる
- 修理箇所が直らず何度も修理が必要となる
- 雨漏りが起こってしまう
- 不信感を覚え、ストレスがたまる
- 工事に対して近所からクレームが出て、ご近所トラブルとなる
上記の悪影響を受けないためにも、優良な業者を選ぶようにしましょう。
【まとめ】雨樋の修理が必要なときは早めに対応しよう
雨樋の寿命は一般的に20~年程度と言われていますが、年数ではなく、雨樋の劣化症状を診て判断します。
また、雨樋の詰まりを防ぐことは、雨樋の寿命を延ばすことにもつながりますので、メンテナンスをしっかり行いましょう。
雨樋の修理が必要なときは、早めに対応して、屋根や壁のメンテナンスに併せて行うことで費用を抑えることが可能です。
また、雨樋の修理費用を抑えるためには、複数の業者へ見積書を依頼する「相見積もり」が有効です。
地域密着型の業者を探すことが、トラブルをふせぐことにもつながります。
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。