目次
屋根の雨漏りの修理費用
屋根の雨漏りは水を受ける場所なので、放置しておくと悪化して普通の雨でも浸入するようになるので早めの修理が必要です。
以下、屋根材別の主な雨漏り修理費用の相場を紹介します。
●スレート屋根
スレート屋根の雨漏り修理 費用相場 部分修理 3~40万円 カバー工法 50~万円 葺き替え 100~万円
●金属屋根
金属屋根の雨漏り修理 | 費用相場 |
---|---|
部分修理 | 3~40万円 |
カバー工法 | 50~万円 |
葺き替え | 100~万円 |
●瓦屋根
瓦屋根の雨漏り修理 | 費用相場 |
---|---|
部分修理 | 3~50万円 |
しっくい補修 | 20~40万円 |
棟の葺き直し | 30~50万円 |
葺き替え | 120~万円 |
雨漏り修理は雨漏りの原因によって修理内容が異なるため、実際には現地調査後のお見積もりとなります。
雨漏りの修理費用の相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根の雨漏りの原因調査に必要な費用は?
屋根の雨漏りの原因を調査する方法はいくつかあります。
屋根・建物の仕様によって向き不向きがありますので、一概にどの調査方法がいいとは言えません。
また、各調査方法をとってみてもその調査内容が標準化されているわけではありません。
そこで、代表的な5つの調査方法を紹介します。
- 目視調査
- 散水調査
- 赤外線サーモグラフィ調査
- 発光液調査
- ドローン撮影調査
それぞれの調査内容と費用を簡単にまとめました。
調査方法 | 費用の目安 | 調査内容 |
---|---|---|
目視調査 | 0円 | 雨漏り部分を目視・写真撮影して、調査する方法です。 |
散水調査 | 0~30万円 | 水道の蛇口にホースをつないで、浸入口に散水をして、雨漏りを再現する調査方法です。 |
赤外線サーモグラフィ調査 | 0~20万円 | 赤外線カメラを使い、建物内外の熱画像を撮影して、雨水の浸入経路を調査する方法です。 |
発光液調査 | 15~20万円 | 雨漏りの浸入口を見分けるために、蛍光液の色を変えて、場所を特定する調査方法です。 |
ドローン撮影調査 | 0~10万円 | 屋根などの高所部分で目視できない所をドローンにより写真撮影して調査する方法です。 |
雨漏り調査の精度は各業者でバラツキが大きいので、しっかりと下調べしておきましょう。
雨漏りの原因の特定方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【雨漏りの特定方法】原因を調査するための5つの方法を徹底解説
屋根から発生する雨漏りの原因
屋根から発生する雨漏りの主な原因について紹介します。
- 屋根材の劣化
- ルーフィングの劣化
- 板金の劣化
①屋根材の劣化
屋根材は経年で劣化することがあります。
スレート屋根は経年で踏み割れが成長して大きなヒビ割れになることがあります。
また、スレート屋根の浮き・反りによって雨水が浸入することがあります。
金属屋根は屋根の周辺部(棟部・軒部・ケラバ部)の浮き・変形・コーキングの切れ等の劣化によって雨水が浸入することがあります。
また、ほこりなどで毛細管現象により雨水を吸い上げて浸入することがあります。
瓦屋根は経年で瓦のズレ・浮きや割れによりできた瓦と瓦の隙間から雨水が瓦の裏へ浸入することがあります。
また、棟部の葺き土・しっくいの劣化によっても雨水浸入します。
②ルーフィングの劣化
屋根材から浸入した雨水は屋根材の下にあるルーフィング(防水シート)の表面を伝わって、軒先から排水される構造となっています。
ルーフィングには屋根材を留める釘などが貫通しており、ルーフィングの釘孔シール性によって釘孔からの伝い水・雨漏りを防止しています。
ルーフィングは15~30年程度で経年劣化して、釘孔シール性の低下や伸縮によるき裂等が発生し雨漏りの原因となります。
③板金の劣化
屋根では、屋根の周辺部や谷部に板金を使用しています。
板金の腐食によって板金自体に貫通孔が開くとそこから雨漏りすることがあります。
また、板金を留めている釘浮きなどで板金が浮いてしまうと雨漏りします。
屋根から起こる主な雨漏りについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りが屋根から起こった!主な5つの原因と修理費用の目安を紹介!
屋根の塗装で雨漏りは直らない
屋根塗装・外壁塗装で雨漏りが直りますという悪質な営業をする業者がいますが、屋根の塗装では雨漏りは止まりません。
塗装後1年程度経過してから雨漏りが再発することが多いようです。
塗装は屋根材の美観向上が目的で、雨漏りとは直接関係ありません。
「雨漏りの原因を特定するのは難しいから全面塗装して直す」という話しは全くデタラメです。
雨漏りした場合は、雨漏りの原因調査を行い、その原因を特定してしっかり補修することが唯一の解決策とお考えください。
雨漏りは屋根塗装で止められるのかについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りは屋根塗装によるコーティングで止められる?屋根屋が徹底解説
屋根の雨漏り修理費用は火災保険で補償される?
火災保険を使って、雨漏り修理するには「強風などを伴う自然災害によるもの」である必要があります。
強風によって屋根・外壁などに被害が発生して、その被害箇所が原因で雨漏りしている場合に火災保険が使える可能性が高いです。
一方で、屋根・外壁に被害がなく、強風雨の吹き込みが原因の雨漏り修理は火災保険が使えません。
経年劣化による雨漏り修理も火災保険が使えないことはハッキリしています。
火災保険の申請を保険会社は受け付けてくれますが、その後の鑑定・査定において経年劣化は認められず、保険金を受け取ることはできません。
また、自然災害の他にも飛行機の部品やボールが当たるなどの突発的な損害が屋根に発生した場合の雨漏りでも火災保険の対象になる場合もあります。
雨漏り修理に火災保険を使う場合の条件や手順を知っておくことは重要性です。
保険適用可能な被害が発生しても、被害者が申告しなければ保険会社から保険金の話をすることはないからです。
火災保険を使った雨漏り修理について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏り修理に火災保険を使いたい!経年劣化によるものも可能なのかを解説
屋根の雨漏りは自分で修理できる?DIYは可能?
DIYできる雨漏りは、「強風雨・大雨のときだけする雨漏り」に限ります。
「強風雨・大雨のときだけする雨漏り」とは、年に数回の雨漏りということです。
年に数回なら、雨漏りで濡れた柱・壁・天井などの木材はある程度の時間で乾燥します。
木は乾燥すれば腐朽劣化することがないので、建物に大きなダメージはありません。
DIYの雨漏り修理で直っていなくても、大きな損害にはつながらないからです。
「通常の雨でもする雨漏り」は放置すると大きな損害が発生するリスクが高いので、DIYではなく早めに業者による雨漏り修理を依頼しましょう。
また、オススメはできませんが、修理場所は1階屋根だけとお考えください。
補修場所が2階屋根なら高所作業であり、命にかかわる危険を伴うため絶対におやめください。
DIYによる雨漏り補修方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根の雨漏り修理を自分でする場合に役立つ応急処置グッズ
屋根の雨漏り修理を自分で行うときのグッズは、ホームセンターで購入することができます。
以下で、雨漏りの応急処置グッズを紹介します。
- バケツ
- 雑巾
- 吸水シート
- ブルーシート
- 防水テープ
- コーキング剤
- 補修スプレー
屋根全体にブルーシートをかけることは作業が難しく、オススメしません。
ブルーシートをカットして防水テープで留めるなどして、部分的に屋根をカバーする方法をオススメします。
雨漏りの応急処置グッズの使い方について詳しくはこちらの記事で解説しています。
ホームセンターで購入可能な7つの雨漏り対策グッズを屋根屋が解説!
屋根の雨漏りを放置しているとどうなるの?
屋根の雨漏りを放置すると待っている5つの弊害について紹介します。
- シミが発生する
- 木材は腐って金属はサビる
- カビやシロアリが発生する
- 漏電で火災が発生する
- 家の寿命が減る
それぞれについて簡単に解説します。
①シミが発生する
雨漏りの弊害として、最初に確認しやすいのが天井のシミの発生です。
雨シミは掃除しても消えることはないので、クロスや天井材を交換することになります。
そのままにしておくと、部屋全体の見た目がわるくなります。
雨漏りを完全に止めることなく、天井を補修してしまうと何度もクロスを張り替えることになり、費用や手間がかかりますので、必ず雨漏りを先に直しましょう。
②木材は腐って金属はサビる
雨漏りの弊害として、建物の主な構造を担っている木材は腐り、金属は錆びてしまいます。
年に1、2度程度の雨漏りであれば、乾いてしまうので木材の腐りや金属の錆びはそれほど心配ではありません。
しかし、頻繁に雨漏りするようになると話は別です。
木材は2、3週間濡れっぱなしとなると腐りはじめます。
金属は濡れている時間に比例してサビが進行します。
放置すると屋根裏・柱・壁などの木材・金物などが劣化して大掛かりな修理が必要となってしまいます。
③カビやシロアリが発生する
雨漏りの弊害としてシロアリ被害とカビによる被害(健康被害)が心配されます。
木造住宅ではシロアリ被害はもっとも注意しなければならないことです。
阪神淡路大震災で崩壊した建物の多くに、シロアリ被害が見られたそうです。
シロアリは雨漏りで湿っている木材を攻撃するため、シロアリ被害を防ぐには雨漏り修理が必要です。
また、カビ自体は人体へ健康被害を引き起こすリスクがあります。
カビをエサにするダニが繁殖して健康被害にもつながります。
④漏電で火災が発生する
雨漏りの弊害として漏電による火災の発生が心配されます。
雨漏りによって、コンセントボックスや分電盤、配線などが濡れることで漏電して、停電することがあります。
停電のみならず、悪条件が重なると漏電によって火災が発生するリスクまであります。
雨漏りで停電した場合、ブレーカーを上げて復旧するだけではなく、雨漏りを止める処置を早急に行いましょう。
⑤家の寿命が減る
雨漏りの弊害として様々なことが起こり、結果として家の寿命が減ってしまうことがあります。
とくに、木材の腐り、金属の腐食、シロアリによる被害は建物の強度を低下させてしまいます。
家が傾いたり、揺れやすくなったり、耐震性を低下させたりします。
雨漏りを放置すると家の寿命が減り、資産価値が下落してしまうため、雨漏り修理を早い段階で行うことで経済的な損失を最小限に抑えることができます。
雨漏りを放置する弊害について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りを放置すると待っている5つの弊害とは?屋根屋が徹底解説
雨漏り修理業者の選び方のコツ
優良な雨漏り修理業者の選び方のコツを紹介します。
- 原因をきちんと特定できる
- 修理費用が相場内
- 近所への配慮が出来ているか
- アフターフォローが充実している
それぞれについて簡単に解説します。
①原因をきちんと特定できる
雨漏りを止める修理の近道は、雨漏りの原因をしっかり特定することです。
職人の勘による修理ではなく、雨漏り調査して原因を特定してから修理する業者を選びましょう。
選び方のコツは以下となります。
- 雨漏り調査内容が詳しく記載されている
- 雨漏り調査事例が紹介されている
- 雨漏り調査が無料・安価である
②修理費用が相場
雨漏り修理業者は相見積もりのもっとも安価な業者でいいとは思いません。
安価な修理でも雨漏りが再発してしまうと意味がありません。
相見積もりで修理費用が相場内であれば、しっかり直せそうな業者を選びましょう。
③近所への配慮が出来ているか
雨漏り修理を行う上で、ご近所トラブルは避けたいものです。
近所への配慮を記載している業者を選びましょう。
④アフターフォローが充実している
雨漏り修理はどんなに調査をしても一度で完全に直るとは限りません。
雨漏りが再発した場合にアフターフォローが充実している業者を選びましょう。
粘り強く雨漏り調査・修理する業者とすぐにギブアップしてしまう業者がいます。
見分け方は難しいですが、見積時にアフターフォローの考え方を聞くことがポイントとなります。
【まとめ】屋根の雨漏りは迅速に修理しよう
屋根の雨漏りは水を受ける場所なので、放置しておくと悪化して普通の雨でも浸入するようになるので迅速な修理が必要です。
迅速に雨漏り修理するポイントは、雨漏りの原因調査を行い、その原因を特定してしっかり補修することが唯一の近道とお考えください。
「雨漏りの原因を特定するのは難しいから全面塗装して直す」という話しは全くデタラメなのでだまされないようにしましょう。
雨漏り修理業者は相見積もりのもっとも安価な業者でいいとは思いません。
雨漏りが再発した場合にアフターフォローが充実している業者を選びましょう。
雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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