屋根の雨漏りが起こる原因は?修理費用の相場とあわせて紹介

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経ホームビルダー」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 屋根から雨漏りするのはなぜか、その原因究明について知りたい
  • 屋根の雨漏りを修理するのに、一体どれくらい費用がかかるのか、おおよその見当を知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「屋根から雨漏りするのはなぜか、その原因を知りたい」「屋根の雨漏りを修理するのに、どれくらい費用がかかるのか知りたい」という人に向けて書かれています。

 

屋根は雨漏りが起こりやすい場所の代表格です。なぜ屋根は、特に雨漏りが起こりやすい場所なのでしょうか。

 

この記事では、屋根でよくある雨漏りの主な5つの原因について説明します。屋根の雨漏りの修理にかかる費用額の目安なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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屋根で起こる主要な雨漏りの原因を5つを紹介!

屋根から雨漏りする5つの原因を紹介します。

  1. ・屋根材のズレ、割れ、浮き
  2. ・谷板金の腐食
  3. ・ケラバからのオーバーフロー
  4. ・棟板金の釘浮き
  5. ・漆喰(しっくい)の崩れ

 

次の章から、詳しく解説していきます。

 

屋根の雨漏りの原因その1:屋根材のズレ・割れ・浮き

瓦屋根は、瓦のズレや浮き、ひび割れによって生じた隙間から雨水が侵入してきます。

スレート屋根は、踏み割れや浮き・そりで雨水が浸入しやすくなります。

金属屋根は、屋根の周辺部(棟部・軒部・ケラバ部)から雨水が入りやすい特徴があります。

 

これらの場合であっても、屋根材の下にあるルーフィング(防水材)の状態が健全であれば、すぐに雨漏りが発生するケースは少ないです。

しかし経年劣化したルーフィングの場合、くぎ孔などから雨水が容易に浸入して、雨漏りにつながってしまいます。

ルーフィングの寿命は種類によって、15年~50年程度と大きく異なります。

昔のルーフィングの寿命は15年程度のものが多く、その後張り替えが必要になります。そのため瓦のズレや割れを修理するときに、ルーフィングの状態を確認してもらいましょう。

 

スレート屋根の雨漏りについて、以下の記事に詳しい解説があります。

ぜひご覧ください。↓↓↓

スレート屋根の雨漏り 3大原因の1つ「踏み割れからの浸水」をご紹介。

 

屋根の雨漏りの原因その2:谷板金の腐食

写真中、赤いが、谷板金に孔が開いている部分です。

ここでは、屋根から雨漏りする原因のひとつ「谷板金の腐食」について解説します。

複雑な屋根には谷部があり、雨水が集中するため雨漏りしやすくなります。

 

谷部は雨水が2面の屋根面から流れ込む場所のことで、雨量が多く集中するため、雨漏りしやすい場所と言えます。

そのため、谷板金(たにばんきん)と呼ばれる金属製の受けを入れて、一気に排水する仕組みになっています。

谷板金は屋根材の種類に関係なく、金属製のものを使用します。

形状に高さがある屋根材(瓦など)の場合、25年を過ぎた頃から銅製の谷板金に孔が開きやすくなるため、点検・交換が必要となります。

谷板金は屋根材の下に入れて使用するため、一般の方には腐食・孔開きがわかりにくい劣化です。腐食の疑いがあるときは、専門業者の点検をお薦めします。

 

屋根の雨漏りの原因その3:ケラバからのオーバーフロー

ここでは、屋根から雨漏りする原因のひとつ「ケラバからのオーバーフロー」について解説します。

ケラバの先に水がたまり、排水しきれずに雨水があふれ出る「オーバーフロー」が起きると、外壁や屋根材に雨がまわってしまう原因になります。

 

ケラバとは切妻(きりづま)屋根・片流れ(かたながれ)屋根のサイドの端部のことです。ケラバの屋根材の下には、捨て水切りという部材が入っていて雨水を排水する仕組みになっています。

スレート屋根、アスファルトシングル、金属屋根などは野地板との隙間がないため、捨て水切りとも密着していて、ケラバから雨漏りしやすい屋根材です。

排水に重要な機能を果たしている捨て水切りに、土ほこりや樹種・細い枝などがたまり、捨て水切りと屋根材の隙間をふさいでしまうと、雨水が排水されずオーバーフローして雨漏りの原因となります。

こうなると屋根の上部から流れてきた雨がせき止められ、ルーフィング(防水材)上へオーバーフローします。そして屋根材を留めているくぎ孔から、雨水がじわじわと建物に浸入して雨漏りとなります。

ケラバ捨て水切りの漏水対策としては、シール材を捨て水切りに取り付けた「シール材付ケラバ水切り」が有効です。

 

詳しくは、こちらの記事で解説しています。

ぜひご覧ください。↓↓↓

スレート屋根の雨漏り 3大原因の1つ「ケラバ部の浸水」をご紹介。

 

屋根の雨漏りの原因その4:棟板金の釘の浮き上がり

写真中、赤いが、棟板金の釘の浮き上がりです。

屋根から雨漏りする原因のひとつ「棟板金の釘の浮き上がり」について解説します。

棟板金を留めている釘が気温の変化や水分の影響などで浮いてくると、中の木材に雨水が伝わる可能性が出てきます。

 

スレート屋根や金属屋根などには、屋根の棟部(頂上)に棟板金(むねばんきん)と呼ばれる屋根の棟部をおおう板金が取り付けてあります。

棟板金を留めている釘は、気温の変化や水分の影響を受けると7~8年で釘浮きが発生します。

すると、棟板金の中にある貫板(ぬきいた)と呼ばれる木材へ雨水が伝わり、腐朽を引き起こすことがあります。

釘が浮いて雨水が入り木材が腐朽すると、瓦や板金をしっかり固定できない状態になります。そして強風などで棟板金が破損したり変形する原因となります。

最悪の場合、棟板金の飛散や落下により、人や物に接触して2次被害がおきる危険性もあります。釘浮きは早めの点検・メンテナンスが必要です。

 

屋根の雨漏りの原因その5:漆喰の崩壊

屋根から雨漏りする原因のひとつ「漆喰の崩れ」について解説します。

漆喰が剥がれてもすぐには雨漏りしませんが、葺き土が雨水に浸食されると、数年単位では雨漏りの原因となります。以下に詳しく説明します。

 

漆喰(しっくい)とは、石灰(せっかい)が主成分の建材で、固まると防水の機能があり、屋根の棟部(頂上)の瓦と瓦の隙間を埋めています。

漆喰の内側には葺き土(ふきつち)と呼ばれる瓦を固定する土があり、漆喰はその葺き土が強風雨で浸食(しんしょく・削られる)されることを防いでいます。

漆喰が剥がれても、すぐには雨漏りしません。(慌てないでください。)

しかし、葺き土が暴露するため、数年単位で雨水に浸食されて、雨漏りの原因となりますので、点検・メンテナンスが必要です。(しっくいだけのやり替えではなく、併せて、耐震・耐風性能の補強も行いましょう。)

 

雨漏りリスクが増大!屋根塗装の縁切り不足に注意

屋根塗装の縁切り不足にも注意が必要なことについて、ここで解説をします。

スレート屋根のメンテナンス塗装で「縁切り」をしないと雨漏りリスクが上がってしまいます。以下に詳しく説明します。

 

スレート屋根は10年ごとに塗装をして、美観を保つメンテナンスを行うことが多いです。

しかし、塗装時に「縁起り」という作業を行わないと、塗装メンテナンスをしたために、かえって雨漏りリスクが大幅に上昇するという最悪な事態になります。

塗装の縁切りが行われていないと、上下のスレート同士が貼り付いた状態となります。そしてスレートの横の継ぎ目からスレートの裏側へ浸入した雨水が、排水されずに溜まってしまいます。

排水されずに溜まった雨水は、スレートを留めている釘を伝って内部に浸入し、屋根全体がひどい雨漏りとなります。

この状態を放置すると、野地合板が劣化してスレートを保持する耐力がなくなり、とても危険な状態となります。

詳しくは下記の記事に記載があります。

ぜひ参考にしてください。↓↓↓

スレート屋根の雨漏り 3大原因の1つ「塗装の縁切り不足」をご紹介。

 

屋根の雨漏り修理に必要な費用の目安

それでは、屋根の雨漏り修理に必要な費用の目安について解説していきます。

屋根の雨漏り修理費用の目安を一覧表で、以下に紹介します。

参考)

屋根から雨漏りが発生する場合費用相場
屋根材のズレ・浮き3~30万円
屋根材の割れ3~万円
谷板金の腐食15~30万円
ケラバからのオーバーフロー30~60万円
棟板金の釘浮き3~10万円
棟板金のはがれ10~30万円
漆喰のはがれ10~30万円
漆喰の崩れ30~50万円

なお、屋根の雨漏り修理にかかる金額は、原因や雨漏りの広がり具合、もともとの屋根の仕様によって大きく変わってきます。

そのため、相見積の場合、見積金額の比較だけでなく、工事の内容・範囲・仕様もしっかりと比較することが重要です。

 

突然の雨漏りにも対応できるよう、対処方法をこちらの記事で解説しています。

ぜひ参考にしてください。↓↓↓

雨漏りへの対処方法ついて慶応4年創業の屋根屋が解説します!

 

屋根の雨漏りを直さないとどうなる?

屋根の雨漏りを直さないとどうなるのでしょうか。

おもに以下の4点の危険性が考えられます。

建築資材の腐食

雨漏りを放置すると、建築資材の腐食が進みます。
内部に浸入してきた雨水が資材にしみ込み、腐朽菌が繁殖するためです。
腐食が進むと構造強度が落ち、耐震性能も低下します。
柱や梁のような重要な構造材へ腐食が進行する前に対処する必要があります。

シロアリの被害

雨漏りで湿った木材や湿気のある空間は、シロアリの大好物です。
侵入したシロアリは、押入れ・バス・キッチン・洗面など、あらゆる場所に出没し、木材を蝕んでいきます。
なおシロアリについては、雨漏りだけでなく侵入してくる危険性がありますので、予防・駆除について検討しておく必要があります。

修理範囲の増大

基本的なお話ですが、雨漏りは早期発見・早期修繕が修理費用を安く抑える最大のコツです。雨漏りが何もしないで勝手に直るということは、ほぼありえません。放置する期間が長ければ、その分被害も拡大していきます。

資産価値の低下

雨漏りの放置は、建物の寿命を縮めてしまいます。当然、大切な資産価値も低下します。これは、腐食・サビ→住宅の強度低下・耐震性能減少につながるためです。資産価値を維持するためにも、適切な点検とメンテナンス修繕が必要となります。

 

雨漏りを放置すると、どうなってしまうのか?

ぜひ下記の記事も参考にしてください。↓↓↓

雨漏りを放置すると家の寿命が減ります【屋根屋が危険性を解説】

 

屋根から雨漏りする兆候があれば放置せず専門業者に相談を

雨漏りを修理せずに放置した場合、被害が拡大し大規模な補修工事になる可能性があります。

雨漏りの初期段階で直す費用の何倍もかかってしまうこともあります。

 

屋根から雨漏りしているサインには以下のものがあります。

これらのサインがある場合は、雨漏り修理業者に相談してみましょう。

  • ・天井にうっすらシミがある
  • ・天井にカビが生えている
  • ・クロスがはがれている
  • ・天井から水が落ちてくる
  • ・部屋がカビ臭い
  • ・壁内・天井上から雨音がする

 

屋根からの雨漏りのDIY修理は、ほとんど直せないのでオススメできません。

上記のような症状は放置せず、早めに雨漏り修理業者へ相談しましょう。

 

【まとめ】屋根の雨漏りは放置せず早めに対処しよう

まとめになります。

屋根で起こる雨漏りの主な原因は以下の5つです。

  1. 1.屋根材のズレや割れ、浮き
  2. 2.谷板金の腐食(ふしょく)
  3. 3.ケラバからのオーバーフロー
  4. 4.棟板金の釘浮き
  5. 5.漆喰(しっくい)の崩れ

*屋根からの雨漏りのDIY修理は、ほとんど直せないのでオススメできません。

 

下記のサインがある場合は、雨漏り修理業者に相談してみましょう。

  • ・天井にうっすらシミがある
  • ・天井にカビが生えている
  • ・クロスがはがれている
  • ・天井から水が落ちてくる
  • ・部屋がカビ臭い
  • ・壁内・天井上から雨音がする

 

屋根の専門業者によっては、得意な屋根材や工事の方法が違います。複数の業者に見積もりを取り、工事内容を比較することが重要です。

また残念ながら、屋根の修理には悪徳業者が登場してくることがあります。雨漏り修理業者を選ぶ際に、十分注意することが重要です。

悪徳業者を見抜くコツについて、こちらの記事に詳細があります。

ぜひ参考にしてください。↓↓↓

【屋根屋が解説】雨漏り修理の悪徳業者を見抜く5つのコツを徹底解説!

 

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