解体調査の概要
2棟並びの金属屋根(芯木あり瓦棒葺き)の解体調査
工期:1日間
築年数:約30年、築15年
金属屋根の解体調査 金属屋根の材料・形状によって大きな違いあり。
築30年、築15年の2棟並びの解体現場がありました。
解体が始まる前に、先に、屋根の解体調査を行いました。
2棟は同じ種類となる、芯木あり瓦棒葺きという金属屋根材で施工されていました。
15年の違いで、屋根材の材質が異なり、築30年はカラー鋼板(いわゆる、トタン)で、築15年はガルバリウム鋼板と思われる高耐久性鋼板でした。
結果、築30年を解体してみると、屋根材も屋根もボロボロに劣化していました。
一方、築15年では、屋根材は一部錆びていますが、屋根としても問題ない状況でした。
築30年の芯木あり瓦棒葺き屋根は、メンテナンスするなら、葺き替えして、屋根下地の野地板も交換する必要があります。
築15年では、屋根材を塗装するメンテナンスで、屋根としては、大丈夫だと感じました。
写真を交えて簡単に、解体調査の概要をご紹介します。
築30年、築15年の金属屋根の解体調査
全体・平部
築30年の金属屋根
一度塗装した塗料もはげて、錆びが全体的に発生しています。
瓦棒葺きのキャップと溝板の両方とも錆びています。
ここまで、錆びると屋根材としては、限界で、これに塗装するメンテナンスはNGだと思います。
築15年の金属屋根
全体的には、著しい錆びの発生はありません。
溝板のところどころに、錆びのクレーターが発生している状態です。
この段階なら、この表面に塗装すれば、十分持つ気がします。
芯木の腐朽の有無
築30年の金属屋根
芯木は全体的に雨掛かりしている痕があります。
また、芯木を留め付けているくぎは錆び、くぎまわりは腐朽していました。
芯木の留め付け強度は低下しています。
築15年の金属屋根
芯木には、著しい雨掛かり痕はほとんどありませんでした。
野地板は、雨漏り痕もなく健全な状態でした。
この2つを比較すると、違いとしては、キャップの形状か、再塗装の有無が考えられます。
キャップの裏面
築30年の金属屋根
キャップの裏面には錆びが発生していました。
また、キャップの側面は、下が少し開いた形状となっています。
築15年の金属屋根
キャップの裏面はきれいな状態です。
キャップの側面は真直ぐな形状となっています。
このわずかなキャップの形状の違いで、芯木への雨掛かりの有無につながるのか、知見を持っていませんが、気になる違いです。
軒先部の唐草水切りと野地板
築30年の金属屋根
築30年の唐草水切りはL型となっていて、腐食が著しい状態でした。
芯木部分の軒先カバー(桟鼻/さんばな)から雨水が浸入して、唐草水切りが腐食しています。
唐草水切りには、強風による飛散の力がかかります。
このように腐食していては、耐風性能は低下しています。
葺き替えが必要となります。
また、軒先の野地板も腐朽していました。
築15年の金属屋根
唐草水切りは劣化していませんでした。
雨水の浸入も平均5cm程度でした。
唐草水切りから雨水が浸入すると言われていますが、著しい浸入痕は見られませんでした。
野地板も劣化しておらず、屋根として、問題ない状態でした。
比較してわかったこと。
カラー鋼板(トタン)と耐久性鋼板(ガルバリウム鋼板)では、腐食ぐあいが大きく違いました。
ガルバリウム鋼板であれば、塗装のメンテナンスを行うことで、屋根材の寿命を伸ばすことができそうです。
キャップの形状によるものか?芯木への雨水浸入量が異なっていました。(再塗装による影響の可能性もあります。)
唐草水切りの形状によって、水切りの腐食、野地板の腐朽が大きく異なっていました。
残念ながら、築30年程度のトタン屋根は寿命ですので、葺き替えをご検討ください。
屋根・雨漏りに関して、お悩みの方はお気軽にご相談ください。
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