目次
雨漏りが起こる原因は?
雨漏りの原因は様々で、原因を探すことは経験豊富な専門業者であっても難しい場合があります。
建物の外壁内・屋根内の構造が時代・様式・材料によって異なるため、どのようになっているかわからない場合はとくに難しいです。
雨漏りの原因は、大きく分けると以下の4つに分類される場合がほとんどです。
- 経年劣化
- 台風や地震などの自然災害
- 外的な衝撃による損傷
- 設計・施工不良
雨漏りの原因が多い5つ場所とは?
雨漏りの原因となる場所は以下の5つが多いです。
- 屋根
- ベランダ
- 窓サッシ
- 天窓
- 外壁
次の章からは、場所別に詳しい雨漏りの原因を紹介していきます。
【雨漏りの原因が多い場所】①屋根
屋根で起こる主要な雨漏りの原因を5つ紹介します。
- 屋根材のズレや割れ、浮き
- 谷樋板金の腐食
- ケラバからのオーバーフロー
- 棟板金の釘浮き
- 漆喰の崩れ
以下、詳しく解説します。
屋根材のズレや割れ、浮き
瓦屋根の場合は、瓦のズレ・浮きや割れによりできた瓦同士の隙間から雨水が瓦の裏面側に浸入します。
瓦の下にある防水シートのくぎ穴などから建物内へと伝わります。
スレート屋根は、踏み割れが多いですし、経年劣化などによるスレートの浮き・そりによって雨水が防水シートの上に浸入してきます。
スレートの防水シートには、大量のくぎ穴が開いて建物内へと伝わります。
谷板金の腐食
谷部は屋根面と屋根面が交わる部分のことを言います。
すべての屋根にある訳ではなく、複雑な形状の屋根のときに谷部があります。
谷部には、雨水が2面の屋根から流れ込み、雨量が多くなるため谷板金(たにばんきん)と呼ばれる金属製の受けを入れて、排水する仕組みとなっています。
谷部は屋根の中でもっとも雨漏りの原因となりやすい場所です。
板金の腐食による穴開きや谷板金のゴミ詰まりなどによるオーバーフローが原因で屋根材下へ浸入し、くぎ穴や軒先から防水シート下へ伝わります。
ケラバからのオーバーフロー
ケラバは切妻屋根・片流れ屋根の端のことを言います。
スレート屋根・金属屋根には、ケラバの屋根材の下には、捨て水切りが入っていて雨水を排水する仕組みです。
経年で土ほこりやゴミなどが捨て水切りをふさぐため、雨水がオーバーフローして防水シート上にあふれだし、くぎ穴から浸入して雨漏りの原因となります。
棟板金の釘浮き
スレート屋根や金属屋根などには、屋根の頂上に棟板金(むねばんきん)と呼ばれる屋根の頂点をおおう板金を設置します。
棟板金を止めている釘は、気温の変化の影響を受けると7~8年で抜けてしまい、中の貫板(ぬきいた)と呼ばれる板へ伝わり腐朽を引き起こすことがあります。
とくに、隅棟部の棟板金から雨漏りすることがあります。
漆喰(しっくい)の崩れ
瓦屋根は、屋根の頂上の棟(むね)と呼ばれる部分に漆喰が塗られている場合があります。
具体的には、棟の瓦とその下の平部の瓦の間の隙間をふさぐために使用される葺き土の表面に漆喰が塗られています。
漆喰が崩れてくると、葺き土が暴露するため、経年で雨水に浸食されて雨漏りの原因となります。(漆喰がはがれてもすぐに雨漏りすることはありません。)
漆喰の寿命(20~30年程度)は、瓦の寿命と比較して短いため、メンテナンスが必要となります。
【雨漏りの原因が多い場所】②ベランダ
ベランダで起こる主要な雨漏りの原因は以下の3つです。
- 排水口の詰まり
- 床面の防水層の劣化
- 笠木内の劣化
排水口の詰まり
ゴミや落ち葉などで、排水口が詰まってしまうとベランダがプール状態となり、雨漏りの原因となります。
最低、1年に1回は掃除することが必要です。
新築時や防水工事を行った際に、施工不良で排水口の壁中で、雨漏りすることもあります。
床面の防水層の劣化
ベランダの床に使用している防水層が熱や紫外線で劣化して、き裂や穴開きが発生します。
また、ベランダ内の歩行や植木鉢などの物を置いていると、重みでベランダの防水層に穴が開きやすくなり、雨漏りにつながることがあります。
防水層の劣化の目安は、材料や使用方法にもよりますが約10年程度ですので、防水シートの張り替えや、防水塗装の塗り替えのメンテナンスが必要となります。
笠木内の劣化
笠木はベランダの壁内への雨水の浸入を防ぐカバーの役割を果たしています。
ベランダの壁内部は、木材でできていることが多いです。
笠木下のベランダ壁の上部の防水が劣化すると、強風雨時、笠木と壁の隙間から雨水が浸入して、上部の隙間から壁内へ浸入して雨漏りとなります。
ベランダの笠木と外壁の接点部分からも雨水が浸入しやすいです。
【雨漏りの原因が多い場所】③窓・サッシ
窓・サッシで起こる主要な雨漏りの原因を3つ紹介します。
- コーキングの劣化
- 窓・サッシ付近の外壁のヒビ割れ
- 施工不良
コーキングの劣化
固定窓のガラスとガラスの間、窓枠の周辺の外壁との間は、ゴムのような素材でできているコーキング材で隙間が埋められており、コーキングが劣化することで雨漏りにつながります。
窓・サッシ付近の外壁のヒビ割れ
外壁材は窓・サッシまわりの開口部周辺でヒビ割れが発生しやすくなっています。
開口部廻りは、外壁材の端材やくぎ留め部分からヒビ割れが発生します。
施工不良
サッシの縁に貼った防水テープと防水シートの密着不足やしわの発生、樹脂サッシの縁と防水テープの密着不足など、施工不良によってできたちょっとした隙間から雨漏りすることが多いです。
この施工不良は、外壁材をめくらないと発見できません。
施工時の確認がとても重要となります。
窓・サッシが原因の雨漏りの修理費用や応急処置について、下記の記事が参考になりますので、ご覧ください。
雨漏りの原因は?窓・サッシから浸水したときの修理費用や応急処置を紹介!
【雨漏りの原因が多い場所】④天窓
天窓は、家の中でも雨風にさらされる場所で、雨漏りがしやすい場所となっています。
天窓の雨漏りの原因は主に2つあります。
1つは天窓と窓枠の隙間を埋めるコーキングの劣化です。
もう1つは、天窓とその周辺の屋根材との施工不良がす。
天窓の棟側で雨水が溜まるため、屋根材下へ浸入しやすく、天窓周辺の防水処理がしっかりとできていないと雨漏りにつながります。
【雨漏りの原因が多い場所】⑤外壁
雨漏りの原因が屋根よりも、外壁が原因の場合が多くなっています。
外壁の雨漏りの原因は主に2つあります。
1つは外壁材のヒビ割れです。
離れて見ると気づかない程度のヒビ割れも、壁内へ雨水を伝えます。
0.2mm以上の幅のヒビ割れは原因となり得ます。
もう1つは外壁のコーキングの劣化です。
コーキングは10年程度で、ヒビ割れなどの劣化が発生します。
外壁のヒビ割れは、普段の雨では雨漏りしなくても、台風や大雨のときだけ起こる場合も多いです。
そんな場合でも建物の被害が大きくなる前の早い段階で、修理を行うことが費用を抑えることにつながります。
雨漏り以外の原因がある可能性
雨漏りだと思っても、気密性・断熱性の高い住宅では、濡れの原因が結露であることがあります。
室内の換気や屋根・壁内の通気・換気で結露を軽減することができます。
結露は建物の内部で発生することもあり、発覚したときには、木材が腐っている場合も多いので、ご注意ください。
また、天井や壁に配管が通っている場合は、配管からの漏水を雨漏りだと思う可能性もあります。
雨漏り・結露・漏水のいずれにしても、原因を把握するためには、専門業者に一度依頼することが解決する近道です。
雨漏りの修理を依頼したい!信頼できる業者選び方は?
雨漏りの原因を特定するのは、むずかしい場合が多いです。
雨漏り修理を依頼する業者は、しっかりと雨漏りの原因を特定できる業者を選びましょう。
雨漏りで怖いのは、室内になかなか出ず、屋根・壁の内側の木材を濡らして、腐らしたり、シロアリの被害が発生することです。
台風・大雨しか、雨漏りしない場合でも、原因を特定して、早めに雨漏り修理をすることが住宅を守る基本となります。
また、雨漏りだけではなく、濡れの原因が結露・漏水の場合でも、対応できる業者を選ぶことをオススメします。
とりあえずのコーキングを実施するだけで、原因特定が苦手な業者も存在し、その場合いつまでたっても雨漏りが解決しなくて困っていると聞くこともあります。
ちなみに、弊社では、ドローン調査やサーモグラフィ調査、散水調査など雨漏り調査をしっかりと行っていますし、結露に関して調査から対策までを実行しています。
業者選びの参考にしていただければと思います。
まとめ:雨漏りは被害が大きくなるまえに早めの対策を!
雨漏りの原因は、大きく分けると以下の4つに分類される場合がほとんどです。
- 経年劣化
- 台風や地震などの自然災害
- 外的な衝撃による損傷
- 設計・施工不良
この中で、経年劣化と設計・施工不良が原因の雨漏りは専門の業者に依頼することをオススメします。
雨漏りの原因となる場所は以下の5つが多いです。
- 屋根
- ベランダ
- 窓サッシ
- 天窓
- 外壁
それぞれで、雨漏りを多く発生させる原因についても解説しました。
雨漏り修理は信頼できる業者に依頼して、早期に直すことが安価となり、被害も少なくなり、オススメします。
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