目次
窓・サッシからの雨漏りの原因は?
窓・サッシからの雨漏りの原因は、窓やサッシに原因があるとは限りません。
窓・サッシからの雨漏りの主な原因は、以下の5つです。
- コーキング材の劣化
- 耐風性能が弱い
- 施工不良
- 外壁のヒビ割れ
- 窓の上の屋根
窓・サッシからの雨漏りといっても、原因は様々ですね。次の章から詳しく解説していきます。
【窓・サッシからの雨漏りの原因】①コーキング材の劣化
・固定窓で、ガラスとガラスをコーキング材で接着していたが、劣化して隙間が開いて、雨漏りすることがあります。
・ガラスと枠の間のコーキング材が劣化して、雨漏りすることがあります。
・窓枠のコーキング材が劣化して、窓枠の隙間から雨漏りすることがあります。
古いサッシでときどき起きる現象です。
【雨漏りの応急処置】コーキング剤で素人が直す方法【プロが解説】
【窓・サッシからの雨漏りの原因】②耐風性能が弱い
・固定窓で、結露水を排出する穴から、強風雨で雨漏りすることがあります。
・丸窓のガラスと枠の間から、強風雨で雨漏りすることがあります。
・2枚以上の窓を交差して開け閉めする引き違い窓は、構造上どうしても強風雨で、雨水が浸入してしまいます。
これらは、巨大台風などの強風雨が窓・サッシの耐風性能を超えた場合に発生します。
【窓・サッシからの雨漏りの原因】③施工不良
・サッシの縁に貼った防水テープと防水シートの密着不足・しわによる隙間から雨漏りすることがあります。
・樹脂サッシの縁と防水テープの密着不足による隙間から浸入することもあります。
雨漏り修理をご依頼いただく中で、もっとも多いのが、窓・サッシ絡みの雨漏りです。
新築の瑕疵担保責任保険で支払われた雨漏り事故では、外壁開口部が約35%と第1位となっています。
その中でも、この施工不良による雨漏りが多くを占めます。
壁の中のサッシの縁と防水テープ・防水シートの不具合は、壁の中に隠れているので、外壁を解体しないと原因がわからない厄介な部分です。
また施工不良は、大雨のときや台風のときなどで、初めて雨漏りする場合があります。
大雨や台風のときだけであっても、放置せず修理をしておくことが家を長持ちさせることにつながります。
施工不良は、築10年以内なら建築業者に連絡すると瑕疵担保(かしたんぽ)責任があるため、修理してもらえますので、依頼しましょう!
雨漏りを放置すると家の寿命が減ります【屋根屋が危険性を解説】
【窓・サッシからの雨漏りの原因】④外壁のヒビ割れ
・外壁材は窓・サッシまわりの開口部からヒビ割れが発生しやすいです。
外壁材のヒビ割れ部から雨水が浸入して、雨漏りの原因となることもあります。
・通常の外壁塗装では、外壁材のヒビ割れに追従するので、雨漏りを防ぐことはできません。
また、サイディングは、塗装が劣化すると水を吸いやすくなり、乾燥・吸水を繰り返すことでもヒビ割れが生じやすくなります。
【窓・サッシからの雨漏りの原因】⑤窓の上の屋根
・窓・サッシの上や近くに屋根がある場合は、屋根の雨漏りが窓・サッシの雨漏りの原因となる場合もあります。
・窓・サッシの上や近くに換気扇や配管がある場合も、屋根と同様に原因となっている可能性があります。
屋根の雨漏りかどうかの確認や修理は、高所作業になるため、雨漏り修理業者に依頼しましょう。
窓・サッシから雨漏りしたときの3つの応急処置を解説
窓・サッシから雨漏りする5つの原因について解説しました。
では、窓・サッシから雨漏りしたときはどうすれば良いのでしょうか?基本的には、修理は難しくオススメできません。
しかし、雨漏りの被害を拡大させないための応急処置は可能です。
本章では、3つの応急処置を紹介します。
- 雑巾で水を吸い取る
- 吸水シートを使用する
- 窓の外の雨戸を閉める
詳しく解説していきますね。
雑巾で水を吸い取る
窓・サッシからの雨漏りは床を濡らしてしまいます。
バケツでは受けにくいので、雑巾を置いて水を吸い取りましょう。
2次被害を防ぐための応急処置です。
吸水シート使用する
窓・サッシからの雨漏りは、部分的に浸入してきます。
たとえば、ガラスとサッシ枠の間から浸入する場合、吸水シートをそこにテープなどで貼り付けして、浸入を防ぐことができます。
窓の外の雨戸を閉める
窓の外に雨戸がついている場合、雨戸を閉めることで、雨水が窓に直接あたることを防いでくれます。
窓・サッシが原因の雨漏りの場合、止まる可能性があります。
雨漏り対策に抜群の効果!吸水シートの特徴や使い方を徹底解説!
窓・サッシからの雨漏り修理費用の目安を紹介!
窓・サッシからの雨漏り修理費用の目安を以下の表に示します。
項目 | 修理内容 | 金額 | 単位 |
---|---|---|---|
屋根修理 | 瓦の差し替え | 20,000円~ | /枚 |
屋根修理 | 棟板金の部分取替 | 3~15万円 | /棟 |
屋根修理 | 瓦の葺き替え | 15,000円~ | /㎡ |
屋根修理 | スレート屋根の葺き替え | 12,000円~ | /㎡ |
外壁修理 | シーリング工事 | 900~1,200円 | /m |
外壁修理 | 塗装工事 | 2,000円~ | ㎡ |
外壁修理 | サイディング張替え | 12,000円~ | /㎡ |
屋上修理 | 防水工事 | 7,500円~ | /㎡ |
シロアリ駆除 | シロアリ駆除工事 | 8,000円~ | /坪 |
窓・サッシからの雨漏り修理は、原因によって、ピンきりです。
例えば、1階サッシ上からの雨漏りの場合、数万円~約100万円と、大きく異なりますので、修理の選択がむずかしいです。
ピンですと、シーリングでの修理だけとなり、応急処置に近くなります。
きりの場合では、サイディングをはがして、中の防水シートをやり直すことがあります。
また、1階の窓・サッシからの雨漏りはときどき、シロアリの被害を発生させることがあります。
頻繁に雨漏りすると、床下・窓まわりが湿ってしまい、シロアリが窓まわりの木材の内側を食べていることも。
雨漏りは早めにしっかりと直すことが安価となります。
雨漏りしやすい窓のデザイン・配置とは?
窓・サッシ絡みの劣化による原因以外にも、雨漏りしやすい窓のデザイン・配置があります。
雨漏りの要因となる可能性が高い窓について、3つご紹介します。
- 横長窓からの雨漏り
- 1階と2階の位置がずれている
- 1階と2階の窓のレベルがずれている
詳しく解説していきますね。
横長窓からの雨漏り
横に長い窓は雨漏りリスクが高く、おススメできません。
最近、ときどき見かける、高さは低くく、横に2m以上長い窓があります。
サイディングの奥の通気層へ浸入した雨水は、横長窓の上で、左右のどちらかの窓の脇から流れる経路となります。
左右のどちらへ流れるのかは、若干の窓の傾きが影響して、傾きの水下(みずしも)側に徐々に流れることになります。
台風などの強風雨で、サイディングの中にある程度の量、雨が浸入すると、サッシ上で滞留することになります。
横に長ければ長いほど、滞留する量が増えます。
滞留する量が多ければ、サッシの縁から防水シートの中へ浸入して、雨漏りとなるリスクが増加します。
横長窓は雨漏りリスクの高いデザインと言えます。
1階と2階の位置がずれている
1、2階に窓がある場合、窓の幅、位置が1、2階でずれていると雨漏りリスクが高くなります。
2階の窓まわりのシーリングが劣化した場合、窓とサイディングの隙間から雨水が通気層の中に浸入します。
水はそのまま、下へ流れます。
1階の窓が、2階の窓より大きい幅だったり、位置ずれていたりすると、通気層を流れる水は、1階の窓上で滞留することになります。
1階窓上を左右のどちらかへ流れて、排水されることになります。
先程と同様に、雨水の浸入量が増えると滞留量が増え、雨漏りリスクが高くなります。
1階の窓が、2階と同じであれば、浸入した雨水は、そのまま、土台水切りまで流れ落ち、排水されます。
1、2階の窓をそろえることをおススメします。
1階と2階の窓のレベルがずれている
1階の窓が、2階の窓に比べて、外へ出ていると雨漏りリスクが高くなります。
柱の太さの関係などで、1階の窓が2階壁面より出ることがあります。
すると、防水シートは1階窓上で、段差ができてしまいます。
1階の窓の縁の部分で、壁の防水シートに段差でできてしまうので、水が滞留しやすくなります。
1階、2階の窓のレベルをあわせ、防水シートを真っ直ぐに貼ることが雨漏りリスクを減らすことにつながります。
以上、3点は設計側では、何ら問題ないと思いますが、施工側では、大きな雨漏りリスクと感じます。
外観デザインだけでなく、雨漏りしにくいデザインも考慮した家づくりは、長寿な住宅につながると思います。
窓・サッシからの雨漏り調査と修理の事例を紹介!
窓・サッシからの雨漏りに対する調査・修理の事例をいくつか、簡単に紹介します。
アルミサッシ本体から雨漏りした事例
2階アルミサッシの真下にある縁側の天井・壁に雨漏りしていました。アルミサッシまわりには、無数のシーリング痕がありました。戸袋や土居のしなど、いろいろ散水しました。結果、アルミサッシ本体を散水すると漏水しました。アルミサッシ本体のわずかな隙間から雨漏りしていた事例です。
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アルミサッシと外壁のわずかな隙間から雨漏りした事例
雨漏りしていたので、外壁塗装で止まると言われ、外壁塗装をした物件でした。結果、雨漏りは止まらず、弊社へ依頼がありました。サッシと外壁のシーリングをしっかりしておらず、わずかな隙間から雨漏りしていた事例です。
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1階窓上からの雨漏り 2階サッシでやってはいけないことで雨漏りした事例
1階窓上から雨漏りしていました。上には、後付けバルコニーやサイディングのひび割れなどがあり、怪しい所だらけでした。しかし、浸入口はもっと、ダメなところでした。2階サッシに貫通穴を開けて、アース線を外に出していました。その配線から伝わって、2階サッシから浸入していた事例です。
2階サッシまわりのシーリングの劣化からの雨漏りした事例
サッシまわり、コンクリートパネルのジョイント部、出窓、笠木など怪しい所が真上にある雨漏り物件でした。サッシまわりを散水すると、時間差で、雨漏りした物件でした。サッシまわりのシーリングの劣化は、雨漏りにつながりやすいです。
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まとめ:窓・サッシからの雨漏りは原因にかからず早めに修理しよう
今回は、窓・サッシから雨漏りした時の原因や対策、修理費用の目安について解説しました。雨漏りの原因は5つありました。
- コーキング材の劣化
- 耐風性能が弱い
- 施工不良
- 外壁のヒビ割れ
- 窓の上の屋根
応急処置の方法も3つ紹介しました。
- 雑巾で水を吸い取る
- 吸水シートを使用する
- 窓の外に雨戸をつける
雨漏りが応急処置で一時的に浸水を止めることができても、雨漏りの原因は解決していない場合があるので、放置せず早めに専門業者に依頼することをオススメします。
本記事で、紹介した修理費用はあくまで目安です。依頼する業者のやり方や得意分野によっても、修理費用は変わってきます。修理を依頼する際は必ず複数の業者から見積もりを取るようにしてくださいね。
窓・サッシからの雨漏りが心配な方はお気軽にお問い合わせください。
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