目次
欠陥住宅とは
欠陥住宅は、建物として通常有すべき品質を欠いた建物のことです。
もう少し具体的にいうと以下の2つに当てはまる住宅を指します。
- 法令等の基準を満たしていない住宅
- 設計・施工ミスや手抜き工事などで、安全性・快適性・使用性などの観点から居住等に支障がある住宅
これら「欠陥住宅」の場合は大がかりな修繕が必要となります。
一方で、施工ミスでも住宅のアフターサービスで修繕対応してもらえるクロスのはがれ、建具の建付け不良などの軽微なものは「不具合」と呼び、欠陥住宅とは区別されています。
雨漏りは欠陥住宅なの?
築年数の浅い住宅の雨漏りは欠陥住宅と言えます。
住宅は欠陥住宅などの問題が多発した時期があり、2000年以降、特別に、新築住宅に関しては瑕疵担保(かしたんぽ)責任期間を10年と定められました。
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、売買(ばいばい)契約や請負(うけおい)契約の目的物に瑕疵(かし)(基本的な品質が欠けているなどの欠陥)がある場合、売主が買主に対してその責任を負うことを言います。
法律上で保証される部分としては、建物すべてにおける瑕疵ではなく、住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限定されています。
雨漏りは雨水を浸入を防止する部分の瑕疵ですので、10年以内の雨漏りは瑕疵があることになり、欠陥住宅とも言えます。
建築10年以内の雨漏りは、瑕疵であるため無料で修理されるべきであり、担保責任によって無料で売主(工務店・販売会社)に修理してもらえる可能性が高いです。
欠陥住宅の雨漏りは無料で修理してもらおう!
欠陥住宅であった場合に、無料で修理してもらうためには、築年数が重要となります。
「2年以内」、「10年以内」と2つの区切りがあります。
2年以内の保証
サッシ・設備・屋根材・壁材などの不具合は「2年以内」の場合、部品メーカー保証による無料修理を受けることができます。
サッシ本体の開閉の不具合、ユニットバスの不具合、屋根・壁材料のヒビ割れ・反りなどです。
10年以内の保証
住宅内への雨漏りは、「10年以内」の場合、瑕疵担保責任で無料修理を受けることができます。
住宅販売会社・工務店に雨漏りすることを伝えましょう。
わずかな雨漏りでも遠慮せずに、連絡を入れましょう。
発見して、1年以内に報告をしないと瑕疵担保責任の無料修理を受けることができなくなる可能性がありますので注意してください。
また、住宅販売会社・工務店が倒産していた場合や連絡しても対応してもらえない場合は、瑕疵担保責任保険会社へ連絡してください。
新築時の住宅の図面や資料の中に、瑕疵担保責任保険証書(販売会社が加入しているので、お客様は保険証書だけ持っている)がありますので、探して連絡しましょう。
保険会社はその後の手続きを丁寧に説明してもらえますので、ご安心ください。
建築10年以上の雨漏りでも無料修理は可能?
瑕疵担保責任期間は10年と契約書に定められているので、10年を経過した雨漏りは瑕疵保責任での無料修理は一般的にはむずかしいです。
ただし、裁判などを行ってでも責任を追及して、無料修理をさせる方法はあります。
瑕疵担保責任ではなく不法行為(ふほうこうい)(築後最長20年間まで)として責任追及できる判例が、平成23年の最高裁で認められ、雨水を防ぐ機能を備えていない不法行為があった場合は、責任追求が可能となっています。
築10年を超えて瑕疵担保責任の期限が過ぎてしまったからといって、すぐに諦めるべきではなく、状況によっては不法行為として工務店の責任追求ができる手段があります。
ただ、裁判は弁護士費用や時間の消費などお客様の負担も大きく、不法行為を証明するのはお客様側となりますので、どうしても工務店に対して納得がいかない方は優良な雨漏り専門業者に相談しましょう。
雨漏りの原因がわからないときは専門業者に相談しよう
工務店がなかなか雨漏りを直すことができない場合、雨漏りの原因がわからないまま、お客様と工務店がやり取りを行っても、折り合いが付くどころか、ますます険悪な関係となってしまいます。
「高額で大切な我が家がまさか雨漏りする欠陥住宅だったとは」とお客様から怒りと雨の不安で眠れないなどとよくお話を聞きます。
建築業界の認識としては、台風などで1度雨漏りしても、その後乾燥すれば家には全くダメージはありません。
また、工務店によっては、台風による雨漏りは免責事項となっている場合もあります。
お客様が心配しすぎると工務店の対応が納得できず、感情的になり、かえって、話し合いが進まず補修も行われないままという最悪のケースもあります。
関係が悪化する前に、第三者機関として雨漏り専門業者に調査依頼し、客観的な雨漏り・劣化のアドバイスをしてもらうことで、冷静に工務店と話ができるようになります。
関係がこじれる前に、優良な雨漏り専門業者に依頼することが解決の糸口となる場合が多くオススメします。
雨漏りはそれ以上被害を拡大させないことも大切です
欠陥住宅の雨漏りを無料で修理しもらうことに気が行きがちですが、それと同じくらいに、被害が拡大しないよう雨漏りの対処を行っておくことが重要です。
被害が拡大すると建築業者との補修範囲のズレが生じて、話し合いが難航する可能性があります。
とくに、床面の補修を求めると話し合いが難航します。建築業者は天井から床面に雨漏りしたとしても、床面の交換までは行い可能性があります。
雨漏りしても床面が痛まないように、バケツなどで応急処置を行うことをオススメします。
雨漏りの対処方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
雨漏り以外にもよくある欠陥住宅の症状
雨漏り以外にも気をつけておくべき欠陥住宅の症状があります。
- ヒビ割れ
- 水漏れ
- 傾斜
以下、簡単にご紹介します。
①ヒビ割れ
建物の内壁・外壁・基礎にヒビ割れが発生することがあります。
ヒビ割れの幅(0.5mm以上)によっては、大きな不具合となります。
ヒビ割れが進行するようですと、建築業者に相談しましょう。
逆に、基礎などのヘアークラック(0.2mm以下)は不具合とは言えない症状ですので、気にされないことをオススメします。
②水漏れ
建物内の給排水設備からの水漏れが発生することがあります。
施工ミスが原因の場合が多く、見えない場所となっているため、発覚したときには被害が大きいことがあります。
③傾斜
床や柱が傾斜することがあります。
地盤が原因の場合と基礎などの建物の構造の強度不足の場合があります。
床などはビー玉や缶が転がることで発覚します。
すぐに建築業者に相談しましょう。
また、第三者機関にも併せて相談しましょう。
瑕疵担保責任保険会社や住宅紛争処理支援センターなどがオススメです。
欠陥住宅を見抜くためのチェックポイント
欠陥住宅を購入してしまわないためにチェックしておくべきポイントをご紹介します。
- 外壁や内壁・基礎にヒビはないか
- 床に傾きはないか
- 窓や建具はスムーズに開閉できるか
- 雨漏りの跡はないか
中古住宅を購入する場合では、契約する前に、有料となりますが既存住宅状況調査を実施して、既存住宅売買瑕疵保険に加入されることをオススメします。(併せて約5万円)
建築士が簡易検査ではありますが、建物を調査してくれるので安心です。
新築の建売住宅の場合、内覧で把握できるほどの瑕疵は確認できません。
webなどで、その建売建設会社の評判などを検索しておきましょう。
また、契約前にその住宅のハザードマップを調べておきましょう。
水害・地盤沈下など、ある程度リスクを把握できます。
市役所や周辺の方などに、少し前の土地の状況なども聞き取りすることも有効です。
昔が沼地や産廃埋め立て跡地、河川の氾濫が発生する場所などは、土地代が相場より安価となるため購入しやすいですが、リスクも伴います。
欠陥住宅の購入を防ぐために必要なこと
住宅購入した入居後に欠陥や不具合を見つけた場合は、欠陥や不具合がもともとあったものなのかの判別が難しい場合があり、業者の対応が遅い場合があります。
入居前の内覧会の時点で欠陥や不具合を必ず指摘しておきましょう。
また、指摘する場所のすべてを写真で撮影しておくことも忘れずに行ってください。
修理のビフォー・アフターが明確になるので、入居後にもめることを防ぐことができます。
【まとめ】欠陥住宅かもしれないと思ったらすぐに行動を起こそう
築年数の浅い住宅の雨漏りは欠陥住宅と言えます。
建築10年以内の雨漏りは、瑕疵であるため無料で修理されるべきであり、担保責任によって無料で売主(工務店・販売会社)に修理してもらえる可能性が高いです。
雨漏り以外でも、サッシ・設備・屋根材・壁材などの不具合は「2年以内」の場合、部品メーカー保証による無料修理を受けることができます。
工務店がなかなか雨漏りを直すことができない場合、雨漏りの原因がわからないまま、お客様と工務店がやり取りを行っても、折り合いが付くどころか、ますます険悪な関係となってしまいます。
関係がこじれる前に、優良な雨漏り専門業者に依頼することが解決の糸口となる場合が多くオススメします。
中古住宅を購入する場合では、契約する前に、有料となりますが既存住宅状況調査を実施して、既存住宅売買瑕疵保険に加入されることをオススメします。(併せて約5万円)
新築の建売住宅の場合、内覧で把握できるほどの瑕疵は確認できません。
webなどで、その建売建設会社の評判などを検索しておきましょう。
また、契約前にその住宅のハザードマップを調べておきましょう。
雨漏りでお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。
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