雨樋修理に足場が必要なケースと不必要なケースを屋根屋が徹底解説

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の屋根・雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

雨樋修理に足場が必要なのかを知りたい

雨樋修理に足場が必要な理由について知りたい

雨樋修理に足場が不必要なケースについて知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「雨樋修理に足場が必要なのかを知りたい」「雨樋修理に足場が必要な理由について知りたい」という方に向けて書かれています。

足場は設置するとなると、15~25万円程度必要となります。
修理費用に足場代が追加されると、なかなか大きな負担です。
雨樋の修理工事には、足場が必ず必要なのか気になりますよね。

本記事では、足場が必要なケースと不必要なケースを詳しく解説していきます。足場が必要な理由や足場の設置費用の相場についても解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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雨樋修理に足場は必要なの?

応急処置を除いて雨樋修理を行う場合、足場なしで行うケースはほとんどありません。

雨樋修理のDIYであっても同様で、雨樋修理に足場は必要なものとなります。

労働安全衛生規則
(作業床の設置等)
第 5 1 8 条 事 業 者 は 、 高 さ が 2 メ ー ト ル 以 上 の 箇 所 ( 作 業 床 の 端 、 開 口 部
等 を 除 く 。 ) で 作 業 を 行 う 場 合 に お い て 墜 落 に よ り 労 働 者 に 危 険 を 及 ぼ
す お そ れ の あ る と き は 、 足 場 を 組 み 立 て る 等 の 方 法 に よ り 作 業 床 を 設 け
な け れ ば な ら な い 。
2 事 業 者 は 、 前 項 の 規 定 に よ り 作 業 床 を 設 け る こ と が 困 難 な と き は 、 防
網 を 張 り 、 労 働 者 に 安 全 帯 を 使 用 さ せ る 等 墜 落 に よ る 労 働 者 の 危 険 を 防
止 す る た め の 措 置 を 講 じ な け れ ば な ら な い 。

上記は厚生労働省が作成した労働安全衛生規則の引用ですが、高さ2メートル以上では足場の設置などの危険防止措置の必要性について記載されています。

1階屋根でも高さは2メートル以上あります。

また、雨樋は屋根の先端に設置されているので屋根の勾配に関係なく、屋根からの作業は危険なので行いません。

 

雨樋修理に足場が必要な3つの理由

雨樋修理のDIYであっても足場が必要な3つの理由を紹介します。

  1. 安全確保のため
  2. 作業の質の向上のため
  3. ご近所への配慮のため

それぞれについて簡単に解説します。

①安全確保のため

雨樋は、屋根と壁・軒天の取合部に設置されているので、屋根からでは作業ができません。

地面から作業するには高すぎて届きません。

また、はしごを掛けて作業するにもはしごが雨樋にあたるため、雨樋修理の作業が不安定となり、落下リスクが高まります。

安全に作業するためには、足場は必要となります。

②作業の質の向上のため

落下する危険を感じながら雨樋修理をしようとしても、しっかりと修理を行うことはできません。

足場を設置しておけば、作業に集中できるのでDIY修理もしっかり行うことができます。

③ご近所への配慮のため

雨樋修理中には、道具や材料を置いておく場所が必要です。

足場があれば、足場に置いておくことができるのですが、足場がない場合は、屋根面においておくことになります。

しかし、滑落したり、風で飛ばされたりして、隣地へ落下するおそれもあります。

足場の養生ネットがあれば、そこで引っかかって隣地に落下することはありません。

また、ホコリ等が飛散しても、軽減してくれます。

雨樋修理で隣家に迷惑を掛けないためにも、足場を設置しましょう。

 

屋根修理の足場については詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理に足場が必要な3つの理由とは?費用相場や注意点も紹介

 

雨樋修理に足場が不必要なケースもある

足場がなくても雨樋修理のDIYができるケースを紹介します。

  • 高さが2m未満の雨樋の修理工事
  • 平坦で勾配のない屋根で作業ができる内樋の修理工事
  • 梯子や脚立などで作業ができる1階の雨樋の修理工事

 

足場を設置するときの注意点

足場を設置するときの3つの注意点を紹介します。

  1. 建物の近くに駐車している車は移動しておく
  2. 庭の植え替えが必要かどうかを確認しておく
  3. 隣家の敷地を借りる可能性を考慮しておく

それぞれについて簡単に解説します。

①建物の近くに駐車している車は移動しておく

建物の近くに停車している車は、足場の組み立て作業前に移動しておきましょう。

建物の近くまで、足場を積んだトラックが横付けして作業するので、車が停車しているとすぐに出ることができなくなる可能性があります。

また、車が傷ついたり、汚れる可能性もあります。

その期間は別の駐車場を借りるなどして、場所を移動しておくことをオススメします。

②庭の植え替えが必要かどうかを確認しておく

雨樋修理に適した位置に足場を設置する必要があります。

足場の設置予定場所に木や花壇がある場合は、植え替えが必要となることもあります。

事前に足場の位置を確認して、植え替えが必要かどうかを確認しておきましょう。

③隣家の敷地を借りる可能性を考慮しておく

状況によっては、自分の敷地だけでは足場を設置できず、隣家の敷地を借りるケースがあります。

あらかじめ、丁寧に挨拶し協力をお願いしていなければ、隣人トラブルに発展することもありますので、事前の承諾は必須です。

 

雨樋修理のための足場の設置費用はいくら?

足場設置に必要な費用の相場は、

「足場設置に必要な費用 = 足場架面積 × ㎡単価」 で求められます。

足場の種類ごとの㎡単価の一覧表を紹介します。

足場の種類費用目安
クサビ(ピケ)足場1,000~1,200円/㎡
パイプ(単管)足場600~800円/㎡
単管ブラケット足場800~1,000円/㎡
屋根足場800~1,000円/㎡

簡単な例をあげて、計算の方法を解説します。

足場架面積が180㎡の一戸建てにクサビ(ビケ)足場を設置する場合を計算してみます。

180㎡ × 1,000円/㎡ = 180,000円

標準的な2階建てですと、18~25万円が相場と考えください。

 

雨樋修理のための足場設置のDIYは可能?

ホームセンターなどで販売している単管パイプを用いて、自分で足場を組むことはオススメできません。

DIYのため、足場職人に払う手間代を浮かすことはできます。

しかし、労力と材料代がかかり過ぎるからです。

また、一人で単管パイプを高く組んでいくのはむずかしく、安全面でも心配です。

組んでいる途中で倒れてケガをしたり、壁などを破損してしまうとかえって費用がかかってしまいます。

基本的には足場は専門業者に依頼することをオススメします。

 

屋根修理のDIYは足場なしでも可能なのかについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根修理のDIYは足場なしでも作業できる?屋根屋が徹底解説

 

雨樋修理の足場代は火災保険が使える場合がある

火災保険を使って雨樋を修理するには、雨樋の不具合が「強風などを伴う自然災害によるもの」であることが必要です。

「強風などを伴う自然災害によるもの」によって雨樋修理が必要となった場合は、足場代も火災保険が使えます。

雨樋修理するには、足場はほとんどの場合で必要なため、足場代もあわせて申請しておきましょう。

ただし、経年劣化が原因による雨樋の不具合は火災保険が使えないため、注意しておきましょう。

 

火災保険の屋根修理トラブルについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

火災保険の屋根修理トラブルに気をつけて!対処方法も徹底解説

屋根修理も雨樋修理も同じようなトラブルとなりますので、ご参考してください。

 

足場代が無料という営業には気をつけよう

足場の費用は15~25万円程度は必ずかかります。

足場を設置するにもかかわらず、足場の費用を無料にすることは普通の業者ではありえません。

いろいろな説明をして、今なら「足場の設置費用を無料にする」と営業してくる悪徳業者がいるので注意してください。

足場の費用は15~25万円程度は必ず必要となるため、足場代として請求されていなくて、工事費用の中に必ず足場代は含まれており、巧みなセールストークにだまされないようにしましょう。

そういう業者はトータル金額では、普通の業者よりもかなり高額となる仕組みとなっています。

 

定期的なメンテナンスが修理費用の節約になる

大規模な雨樋修理工事は、15~25万円程度の足場代が工事費用に追加されるため、どうしてもお客様の負担が大きくなるため、定期的なメンテナンスで雨樋の修理費用がかからないようにすることが重要です。

雨樋のメンテナンスで特に重要なのが、雨樋の掃除です。

枯れ葉やゴミなどが詰まってしまい雨樋が機能しなくなると、建物に2次被害を生じさせることになります。

雨樋の定期的な掃除(年に1回程度25000円~)や雨樋を詰まらせないための対策を行っておくことが重要です。

 

また、「落ち葉よけシート」を設置すれば、定期的にしなければならない雨樋掃除のストレスから解放され、定期的に雨樋の掃除をしてもらう際に必要な費用の節約につながります。

雨樋の詰まりは本当に防げる?落ち葉よけシートをDIYで試しに設置してみました!

 

【まとめ】基本的には雨樋修理に足場は必要です

応急処置を除いて雨樋修理を行う場合、足場なしで行うケースはほとんどありません。

雨樋修理のDIYであっても同様で、雨樋修理に足場は必要なものとなります。

足場がなくても雨樋修理のDIYができるケースを紹介しました。

  • 高さが2m未満の雨樋の修理工事
  • 平坦で勾配のない屋根で作業ができる内樋の修理工事
  • 梯子や脚立などで作業ができる1階の雨樋の修理工事

3つの条件に当てはまることはまれですので、雨樋修理を行う際には、足場を設置しまよう。

 

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雨樋詰まり防止には「落ち葉よけシート」

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