目次
外壁防水のためのコーキングとは
コーキング(calking)とは、隙間を埋めるという意味です。
昔から木造船の船板の隙間やたるの側板の隙間から水が漏れないように、毛や植物繊維などを詰め込む行為が行われており、この作業をコーキングと呼んでいました。
隙間を埋める材料として、チューブ入りの接着剤があり、それを押し出す道具をコーキングガンと呼びます。
外壁材同士のつなぎ目はどうしても隙間ができてしまい、その隙間からの雨水浸入を防ぐために接着剤を充てんして防水することをコーキングと言います。
コーキングについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
コーキングとシーリングの違いってあるの?
コーキングと同じような言葉で「シーリング」があります。
リフォーム現場では基本的には同義語として使われているので同じことだと考えください。
シーリング(sealing)とは、密封する意味の言葉です。
建築の公的な規格としては、シーリングで統一されています。
建築・外壁の接着剤・接着用語では、シーリングは構造体の目地(めじ)、間げき部分に充てんして、防水性、気密性などの機能を発揮させることのことです。
シーリング材は、構造体の目地、間げき(隙)部分に充てん(填)して防水性、気密性などの機能を発揮させるあらかじめ形が決まっているものを材料のことです。
リフォームやホームセンターなどでは、コーキングガンの名前が認知されているので、それに使用する材料をコーキング剤と呼び、コーキングで通じます。
外壁防水のためのコーキング剤の原料による種類
外壁コーキング剤の原料による4つの種類を紹介します。
- アクリル
- ウレタン
- シリコン
- 変成シリコン
それぞれの特徴について簡単に解説します。
①アクリル
アクリルはアクリル樹脂が原料となっており、水性で作業しやすく価格も安価です。
しかし、耐久性が低く経年劣化がはやいため、コーキング剤としてはあまり使用されていません。
②ウレタン
ウレタンはポリウレタン樹脂が原料となっており、密着性に優れて弾性もあることからコンクリートのヒビ割れ補修に使われています。
ただし、紫外線に弱いため充填後は上塗り塗装が必要です。
③シリコン
シリコンはシリコン樹脂が原料となっており、耐久性、防水性、耐熱性に優れているため、浴槽・水まわりや窓のガラスまわりに使用されます。
しかし、シリコンの上には塗装がむずかしいため、外壁には使用しません。
④変成シリコン
変成シリコンとはシリコンと名前が入っていますが、シリコン樹脂とは全く別ものです。
やや価格は高いですが耐久性や防水性が高いため、上塗り塗装が可能なので、外壁防水のコーキングにオススメです。
外壁防水のためのコーキング剤の使い方による種類
外壁防水のためのコーキングの使い方による種類は2つあります。
- 1液タイプ
- 2液タイプ
それぞれについて簡単に解説します。
①1液タイプ
1液タイプはすでに硬化剤が配合されているため、そのまま充填すると自然に固まります。
価格は2液タイプに比べて高いですが、ホームセンターで購入したものをそのまま使用できるので補修やDIYに適しています。
②2液タイプ
2液タイプはコーキング剤と硬化剤の2つを適切な分量で均一に混ぜる必要があります。
器具も必要となり、広範囲の面積で専門業者が使用するのに適しています。
外壁コーキングの寿命
外壁のコーキングの寿命は5~10年です。
外壁サイディングの湿潤膨張・乾燥収縮だったり、建物自体の振動による動きだったりを弾性のあるコーキングが吸収しています。
しかし、外壁コーキングは経年で紫外線により硬化し弾性が低下する劣化が発生します。
同じ建物でも日射があたる南面のコーキングは早ければ5年で劣化し、日射があたらない北面では10年以上持つため、5~10年という幅のある寿命となっています。
寿命が近づいたコーキング剤の症状については次の章で解説します。
外壁コーキングの劣化症状
寿命が近づくと現れる外壁コーキングの劣化症状を紹介します。
- ヒビ割れ
- 肉やせ
- 欠落・剥離
●ヒビ割れ
ヒビ割れはコーキングの表面に細かなヒビが入っている状態です。
●肉やせ
肉やせはコーキングの厚みが薄くなっている状態です。
●剥離
剥離はコーキングとサイディングの間に隙間があいている状態です。
コーキングが剥離まで行くと降雨時にサイディングの裏面へ雨水が浸入します。
これらの症状が発生している外壁のコーキングは寿命とお考えください。
防水性が低下したコーキングの劣化を放置するリスク
コーキング剤の状態は悪くなる一方でよくなることはありません。
建物の方位によって劣化状況が異なるため、雨漏りしやすい南面、東面、西面の状況を確認しましょう。
ヒビ割れや剥離が発生したら、サイディングの裏面には雨水が浸入します。
サイディングの下地の木部は濡れた状態となるため、やがて腐ってくるリスクがあります。
サイディング内には防水シートが入っていますが、大量に雨水が浸入すると窓まわりや開口部まわりなどから防水シート内部へ浸入して雨漏りリスクとなります。
防水シート内部へ浸入し続けると雨漏りしなくても、壁内でのカビやシロアリの発生します。
コーキング剤の劣化を放置するとやがて建物自体が劣化するリスクにつながります。
防水性が低下した外壁コーキングの補修費用
コーキングの補修には2種類の工法があります。
- 既存のコーキングを撤去して新たにコーキングを打つ「打ち替え」
- 既存のコーキングの上から重ねて打つ「増し打ち」
それぞれの工事にかかる補修費用の相場を紹介します。
コーキング内容 | 費用目安 |
---|---|
打ち替え | 950~1,200円/m |
増し打ち | 750~1,000円/m |
※別途、足場設置費用がかかります。
サイディング目地のコーキングは長持ちする打ち替えをオススメします。
既存のコーキング剤を撤去して、サイディングとの間の密着力を高めることが重要です。
コーキング工事に足場は必要?
コーキング工事に足場が必要となります。
ハシゴを動かしながらの作業は、施工に手間がかかってしまいます。
また、不安定なハシゴの作業では、コーキング作業の品質が低下するおそれもありますので、オススメできません。
一般的な一戸建てに足場を組む場合、20万円前後が必要となりますので、外壁コーキング工事は、外壁塗装や屋根塗装と同じタイミングで行うことをオススメします。
足場の費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【まとめ】防水性維持のためにコーキングの補修をしよう
外壁材同士のつなぎ目はどうしても隙間ができてしまい、その隙間からの雨水浸入を防ぐためにコーキング剤が充填されています。
外壁コーキングは経年で紫外線により硬化し弾性が低下する劣化が発生し、同じ建物でも日射があたる南面のコーキングは早ければ5年で劣化し、日射があたらない北面では10年程度です。
コーキングが劣化するとサイディング裏面に雨水が浸入し、サイディングの下地の木部は濡れた状態となるため、やがて腐ってくるリスクがあります。
また、サイディング内には防水シートが入っていますが、大量に雨水が浸入すると窓まわりや開口部まわりなどから防水シート内部へ浸入して雨漏りリスクとなります。
そのため、コーキングを打ち替えするメンテナンスを行いましょう。
足場を組む必要があるため、外壁コーキング工事は、外壁塗装や屋根塗装と同じタイミングで行うことをオススメします。
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