目次
- マンションの天井から雨漏りが発生する原因とは?
- マンションの天井からの雨漏りでまずすべきこと
- マンションの天井から雨漏りした場合に管理会社へ報告するポイント
- マンションの天井から雨漏りした場合にやってはいけない応急処置
- マンションの天井からの雨漏りに対する修理費用は誰が負担するのか?
- マンションの天井雨漏りの修理にかかる費用相場と期間
- マンションの天井から雨漏りが発生した場合、保険は活用できる?
- マンションの天井からの雨漏りが健康に悪影響を及ぼすことも
- マンションの天井から雨漏りが発生しやすい時期と予防策
- マンションの天井からの雨漏りを放置するとどうなるか?
- 【まとめ】マンションの天井からの雨漏りは早急な対応が必要です
マンションの天井から雨漏りが発生する原因とは?
マンションの天井から雨漏りが発生する主な原因として、建物の老朽化・屋上の防水層の劣化・配管の不具合などが挙げられます。
防水層とは屋上やバルコニーの床面に施工された水を通さず、雨漏りを防ぐ層(材料)のことです。
また、上階の住戸の水漏れが原因となるケースもあります。
建物の劣化による原因
マンションの屋上や外壁など建物の劣化が雨漏りの原因となるケースがあります。
建物外廻りの劣化の事例は以下となります。
- 屋上・外壁のヒビ割れ
- サッシまわりのヒビ割れ
- シーリングの劣化
それ以外に、屋上の防水層の劣化もあります。
- 防水層のヒビ割れ
- 防水層のあな開き
- 防水層のはがれ
また、水道管や排水管などの設備配管の劣化も考えられます。
- 配管の腐食によるあな開き
- 配管のゆるみ・はずれ
上階住居の原因
ベランダの防水層を破損させたり、水まわり配管を詰まらせたりする上階住居者のアクシデントによるものがあります。
また、水道の蛇口の締め忘れやバケツをひっくり返すなどの住居者のポカミスなどもあります。
雨漏りがマンションで起こる原因について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りする時としない時がある3つの理由とは?放置するリスクも解説
マンションの天井からの雨漏りでまずすべきこと
天井からの雨漏りに気づいたら、まずすべきことを紹介します。
- 雨漏りの写真・動画を撮影する(アップだけでなく、部屋全体も)
- バケツなどで水を受け止める
- バケツの中や周辺にタオルなどを敷いて水滴の飛散を防ぐ
- 天井裏に給水シートを設置する(天井裏に入れるのであれば)
- 雨漏り被害が広範囲な場合、ブルーシートを敷いて全体を受ける
- 家具や家電製品、絵画など、水がかかると被害が大きくなるものを安全な場所に移動させる
- コンセントボックス近くで雨漏りしている場合は、周辺にあるコンセントを抜く(漏電を防ぐ)
- 応急処置が終わったら、オーナーや管理組合、管理会社に連絡する
オーナーや管理組合、管理会社はすぐには駆け付けないので、どんな状況であったかを説明するために、写真・動画を撮影することが重要です。
雨漏りがマンションで起こったときに取るべき行動について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りがマンションで起こる原因は?起こったときにやるべきことも解説
マンションの天井から雨漏りした場合に管理会社へ報告するポイント
応急処置が終わったら、オーナーや管理組合、管理会社への連絡が必要です。
その際に、雨漏りの状況をリアルに伝えることがその後をスムーズに進めるポイントとなります。
そのためには、写真や動画で雨漏りの記録を残すことが重要となります。
●写真を撮影するポイント
- スマートフォンなどで撮影する(日時が分かるように記録)
- 雨漏りが滴下しているとわかる写真を撮る
- アップな写真だけでなく、窓・部屋全体が入るように写真を撮る
- 家具・家電などに被害が発生した場合は、それが分かるような写真を撮る
- バケツなどに溜まった最終的な漏水量がわかる写真を撮る
●動画を撮影するポイント
- 雨漏りのアップだけではなく、広範囲な動画も撮影する
- 雨漏りしているときの外部の降雨・風の状態も撮影する
- 雨漏りの滴下スピードがわかる動画を撮影する
上記の写真・動画の記録を管理会社へ提出することで、その後の雨漏り調査・修理がスムーズになります。
とくに、室内に被害があるときは、損害保険の請求手続きに写真が必要となりますので、確実に記録を残しておきましょう。
雨漏り修理はオーナーや管理組合、管理会社の費用で行う可能性が高いので、慌てて自分で業者を手配せず、雨漏りを報告したら任せておきましょう。
ただし、なかなか雨漏り修理しないケースもありますので、その後の進捗状況をいつ頃もらえるか期限を確認しておきましょう。
マンションの天井から雨漏りした場合にやってはいけない応急処置
マンションの天井から雨漏りした場合に、専門知識のない方がやってはいけない応急処置を紹介します。
●水滴が滴下する部分の天井をふさぐ
天井から雨漏りしていると室内の被害を気にして、滴下する部分の天井をコーキングや防水テープでふさいでしまう方がいます。
滴下して床が濡れることは防止できても、天井上に雨漏りしていることにかわりはありません。
出口がなくなった雨水は天井上に溜まってしまい、天井材が変形したり、雨水が移動したりして被害が拡大する可能性がありますのでやめておきましょう。
●板を貼る
雨漏りは外部の浸入箇所を必ず先に補修して、雨漏りを直すことが基本です。
雨漏りを直す前に、天井の漏水箇所に板を貼るなどしてカバーしてしまうと一旦、室内への漏水はおさまりますが、天井上への雨漏りは続いています。
室内へ漏れてこないので、天井上の雨漏り被害は確認できず、雨漏りを放置しているのと同じことになります。
必ず、外部の浸入箇所の雨漏り修理を先に行いましょう。
マンションの天井から雨漏りした場合にやってはいけないことについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りの応急処置!天井からの雨漏りでやってはいけないこととは?
マンションの天井からの雨漏りに対する修理費用は誰が負担するのか?
「経年劣化」か「借り主の過失」かといった雨漏りの原因により、修理費用の負担責任に違いがあります。
「経年劣化」が雨漏りの原因ならオーナーや管理組合
マンションの天井からの雨漏り原因が経年劣化の場合、オーナーや管理組合が修理費用を負担します。
そのため、オーナーや管理組合へ必ず雨漏りしたことを伝えましょう。
連絡せずに自分で業者を手配して、後からその修理費用を請求しても負担してくれない可能性が高いのでご注意ください。
「借り主の過失」が雨漏りの原因なら借り主が負担
マンションの天井からの雨漏り原因が部屋を借りている人の過失である場合、その人が修理費用を負担させられることになります。
例えば、上の階の住人が誤ってベランダ防水にあなを開けてしまい、そこから浸入したことが原因なら、上の階の住人が修理費用を請求されます。
雨漏り以外でも、水道の止め忘れによる水漏れなども同様にその住人へ請求されます。
マンションの天井雨漏りの修理にかかる費用相場と期間
修理の内容と費用相場・期間を紹介します。
マンションの天井雨漏りの修理費用はマンションの規模・雨漏り原因によって大きく異なります。
浸入箇所を補修する費用と期間は以下となります。
費用相場 | 期間 | 修理内容 | |
---|---|---|---|
屋上 | 20~万円 | 3日~2週間 | 屋上防水修理・排水溝修理・笠木修理 |
外壁 | 20~万円 | 数日~1か月 | 外壁ヒビ割れ修理・タイル浮き交換・目地のコーキング・外壁塗装 |
ベランダ | 10~万円 | 2~3日 | 防水修理・排水溝修理・ヒビ割れ修理 |
サッシ | 3~万円 | 数時間~2日 | コーキング・サッシ交換 |
※上記は足場設置を含んでいません。規模により大きく異なります。
雨漏りによって変色・ヒビ割れ等が発生した天井の修理は以下となります。
費用は3~万円で、期間は数時間~7日、修理内容はクロスの張り替え、天井材の交換などとなります。
マンションの天井から雨漏りが発生した場合、保険は活用できる?
マンション総合保険は、マンション共用部にかける火災保険です。
ここでは、火災保険の補償内容である「風災」と「給排水設備事故による水濡れ損害」を使って雨漏り修理をカバーできるケースについて紹介します。
火災保険の「風災」による補償
「風災」は強風、台風などで建物に損害があった場合、その修理代を補償する内容です。
- マンション共用部分の外壁が破損した
- 窓ガラスが割れた
- 屋上の防水層がはがれた
風災により被害が発生した部分の修理代以外にも、壊れたことにより建物の共用部分の内部に雨漏りして被害が発生したものも補償されます。
火災保険の「給排水設備事故による水濡れ損害」による補償
マンションの給排水設備の事故により水漏れが発生した場合、その水濡れによる損害が保険で補償されるケースがあります。
ただし、給排水設備自体の修理は対象外です。
共用部分の給水管が破損し廊下の天井に水漏れが発生した場合は天井の修理費用は補償されますが、給水管自体の修理は老朽化や経年劣化が原因であるため、保険の対象外です。
「給排水設備事故による水濡れ損害」という名称は保険会社によって多少異なること、契約プランによっては対象にならないケースもあるので注意してください。
損害の発生場所や原因によって保険の適用範囲が異なるため、あらかじめ、契約内容を確認しておきましょう。
マンションの天井からの雨漏りが健康に悪影響を及ぼすことも
マンションの天井からの雨漏りが健康に悪影響を及ぼすこともあります。
雨水浸入が頻繁に発生しているとカビやダニが繁殖しやすくなります。
天井上が高湿になるとカビが生育しますので、そのカビをエサとするダニが繁殖して、アレルギーや皮膚炎、呼吸器系の疾患を引き起こす可能性があります。
また、雨漏りによる湿気は不衛生なだけではなく、木材を腐らせたり、金属を腐食させたりする原因にもなるため、速やかな対処をオススメします。
天井にカビが発生する原因について詳しくはこちらの記事で解説しています。
マンションの天井から雨漏りが発生しやすい時期と予防策
マンションの天井から雨漏りが発生しやすい時期は梅雨や台風シーズンとなり、6月~10月です。
屋上からの雨漏りは降雨量に比例しますので、できれば6月前に点検しておくことをオススメします。
排水溝のゴミ詰まりなどは屋上に水が溜まる原因となりますので取り除きましょう。
ベランダや外壁は強風雨により雨漏りしやすいので、台風シーズン前に点検しておきましょう。
予防策としては、大規模修繕を計画通りに行うことがあります。
また、定期点検によって、計画前に劣化を発見した場合は、部分修理なども検討しましょう。
マンションの天井からの雨漏りを放置するとどうなるか?
マンションの天井からの雨漏りを放置すると室内だけではなく、天井上や壁、床などの構造材を腐食させることになります。
コンクリート造ではヒビ割れ部から浸入して、内部の鉄筋を錆びさせることでコンクリートの爆裂が発生しやすくなります。
また、電気や水まわりの配管が多数通っており、浸入雨水により想定外のトラブルになるリスクもあります。
マンションは建物自体に資産価値があり、雨漏りは資産価値を低下させてしまいます。
マンションは構造上必ずメンテナンスが必要ですので、定期的大規模修繕を行い、雨漏りを確実に直すことが必要です。
マンションの天井からの雨漏りを放置したケースについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
【まとめ】マンションの天井からの雨漏りは早急な対応が必要です
マンションの天井から雨漏りが発生する主な原因として、建物の老朽化・屋上の防水層の劣化・配管の不具合などがあります。
天井からの雨漏りが発生した場合、オーナーや管理組合、管理会社へどんな状況であったかを説明するために、写真・動画を撮影することが重要です。
マンションの天井から雨漏りした場合の応急処置として、コーキング、防水テープ、板などで雨漏りする箇所をふさぐことはやめておきましょう。
「経年劣化」か「借り主の過失」かといった雨漏りの原因により、修理費用の負担責任に違いがあります。
雨漏りを放置すると室内だけではなく、天井上や壁、床などの構造材を腐食させることになりますので早急な対応を行いましょう。
雨漏りについてお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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