屋根を瓦からスレートに変えると費用はどれくらい?屋根屋が徹底解説

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆!

本記事はこんな人にお勧めします。

  • 屋根を瓦からスレートに変えるとどれくらいの費用なのかを知りたい
  • 屋根を瓦からスレートに変えるメリットとデメリットが知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は、「屋根を瓦からスレートに変えるとどれくらいの費用なのかを知りたい」「屋根を瓦からスレートに変えるメリットとデメリットが知りたい」という方に向けて書かれています。

屋根を瓦からスレートへ変えるのは、どれくらいの費用が必要なのでしょうか。
屋根の変更を検討している方は、具体的な金額まで知りたいですよね。

本記事では、屋根を瓦からスレートに変える際の費用がどれくらい必要なのかを解説していきます。
スレート屋根のメリットやデメリット、変更すると必要になるメンテナンスまで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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スレート屋根とは

スレート屋根は、セメント・骨材等に繊維素材を混ぜて薄い板状に加工した屋根材のことです。

スレート屋根は、工場や倉庫に使用される大波スレートと住宅用に使用されるカラーベスト・コロニアルと呼ばれる化粧スレートが主流です。

住宅用のカラーベストは50年以上前からあり、軽くてデザイン性が豊富で遮音性などが高く、さらに初期費用が低価格であることから、単一商品としては日本で最も広く普及している屋根材です。

 

屋根を瓦からスレートにするメリット

屋根を瓦からスレートにするメリットを紹介します。

  • 初期費用(イニシャルコスト)が安くすむ
  • 屋根が軽くなるため地震の揺れに減少する
  • 雨音はあまり気にならない
  • カラーやデザインが豊富
  • 施工できる業者が多い

瓦からスレート屋根に変更するメリットは、屋根の軽量化と初期費用が安価となることです。

建物を耐震化する工事とはなりませんが、瓦の状態よりは軽量化した分だけ揺れは小さくなります。(※耐震化したい場合は、建物の壁を増やすことが必要です。)

また、瓦からガルバリウム鋼板屋根に変更するよりは、雨音があまり気にならずに済みます。

 

屋根を瓦からスレートにするデメリット

屋根を瓦からスレートにするデメリットを紹介します。

  • 踏み割れでスレートにヒビ割れが発生しやすい
  • 塗装などのメンテナンス費用が必要となる
  • 経年劣化で雨漏りするリスクが高くなる
  • 耐久性能が低下する
  • 屋根の価値が低下する

瓦からスレート屋根に変更するデメリットは、塗装などのメンテナンス費用が必要となることです。

瓦のときは、ほとんどメンテナンス費をかけていなかったと思いますが、スレート屋根では10年毎に必要となります。

トータル金額は、瓦から瓦に葺き替えるよりも瓦からスレート屋根に葺き替える方が高くなります。

 

スレート屋根のメリット・デメリットについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

スレート屋根のメリットデメリット!デメリットの対策も紹介!

 

瓦からスレートへの屋根葺き替え工事の単価ごとの価格

30坪の屋根葺き替え工事の単価目安を紹介します。

既存屋根の撤去費・処分費、新規屋根の材料・施工費、下地補修費、防水シート、足場費用等の単価をまとめました。

内容費用相場(㎡単価)
既存屋根材の撤去費1,500~3,000円/㎡
既存屋根材の処分費1,500~3,000円/㎡
新規屋根材の材料・施工費【スレート/カラーベスト・コロニアル】 5,000~8,000円/㎡
下地材料・補修費2,500~3,500円/㎡
防水シート材料・施工費500~1,500円/㎡
足場費用900~1,500円/㎡

既存屋根の状態によって、下地補修費は大きく異なります。

上記単価以外には、諸経費(福利厚生費・管理費・残材処分費等)がかかります。

 

瓦からスレートへの屋根葺き替え工事の価格

30坪の瓦屋根をスレート屋根へ葺き替えする工事価格の目安を紹介します。

既存屋根の条件はこちらとなります。

  • 既存屋根材(日本瓦屋根/葺き土なし)
  • 新規屋根材(スレート屋根)
  • 総2階
  • 屋根面積100㎡
  • 切妻屋根
  • 屋根勾配4寸
項目数量単位単価金額
既存瓦屋根撤去費1003,000300,000
瓦処分費1001,800180,000
下地調整費(野地板増張り)1003,000
300,000
遮熱コロニアルグラッサ材料代1003,600360,000
副資材(ルーフィング、板金等)1001,100110,000
本体施工費1001,600160,000
棟板金施工費301,20036,000
足場設置費250900225,000
諸経費・福利厚生費・残材処分費(工事費8%)133,000
消費税(10%)180,400
総合計1,984,400

 

スレートは種類によって費用や価格・特徴も違う

スレート屋根には大きく4種類があります。

  • 平形スレート
  • 厚形スレート
  • 波形スレート
  • 天然スレート

特徴は以下となります。

 特徴
平形スレート一般住宅に多く採用されています。いわゆる「カラーベスト」「コロニアル」と呼ばれるものです。塗装品のため、退色するので、メンテナンスが必要です。
厚形スレート厚形スレートはセメントモルタルを型枠に入れ、プレス、脱水、成形したものです。平形スレートより厚みがあることから厚形スレートと呼ばれています。現在、新築住宅では少ないです。
波形スレート波の形をしたスレートのことです。大判サイズとなっていて、屋根材の下に野地板が必要ないため、工場・倉庫・駅舎などの大型物件で使用されています。
天然スレート天然スレートは粘板岩を薄い板状に加工したものです。ヨーロッパでは昔から使用されており、自然の岩を薄く切り出しているため、様々な風合いを出し、劣化も少ないので最高級の屋根材となっています。天然スレートの意匠性を真似した安価な屋根材としたのが、平形スレートです。

天然スレートはもっとも高価な屋根材ですが、それを真似した平形スレートはもっとも安価な屋根材となっています。

 

スレートの種類や費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。

人気の屋根材!スレートの4つの種類と特徴を徹底解説します!

 

 

スレート屋根を放置するリスク

スレート屋根はメンテナンスが必要な屋根材で、劣化するとスレート自体の踏み割れによるひび割れが拡大したり、巨大台風などの強風でスレート自体や棟板金などがめくれて飛散したりすることがあります。

棟板金は、棟板金を固定しているぬき板の劣化や釘抜けなどが経年で発生するために特にメンテナンスが必要になります。

スレート自体の飛散や棟板金の浮きをそのまま放置すると雨漏りが生じるリスクとなります。

雨漏りの放置は、建物内部を劣化させ、建物の価値を大きく下げるリスクとなります。

 

屋根を瓦からスレートにしたら重要になる定期メンテナンス

瓦とスレートの大きな違いは、スレート屋根は経年劣化でメンテナンスが必要となることです。

スレート屋根の保証を考えると、5~10年で点検することが求められています。

スレート屋根特有の経年劣化する症状は以下となります。

◆汚れ・色あせ・コケが発生する

10年を経過するとスレートの美観を低下させる汚れ・色あせ・コケが発生します。

10年ごとに塗装メンテナンスが必要となります。

◆浮き・反りが発生する

10年を経過すると乾燥収縮の繰り返しによるスレート自体の変形が生じることがあります。

反りが著しいとスレートの重なり部分に隙間が生じ、スレートが浮いているように見えることもあります。

◆欠け・割れが発生する

欠け・割れの原因としては、施工時の踏み割れによるものが主となります。

残念ながら施工時の踏み割れはヘアークラックが入る程度で、目視では発見できません。

そのヘアークラックが経年で成長するのと併せて塗装面の劣化によって、数年後から目視で発見できるようになります。

欠けはメンテナンス時に発生する場合が多いです。

◆はがれが発生する

はがれはスレートの種類によって極端に発生するものがあります。

「パミール」や「かわらU」などは、はがれが著しく問題となっています。

 

スレート屋根の劣化状況について詳しくはこちらの記事で解説しています。

~スレート屋根はどうなると要注意なの? Q040~ 図解 屋根に関するQ&A

 

 

スレート屋根の屋根面の違いによる劣化の違い

スレート屋根は、日射、放射冷却、紫外線などの影響を受けて経年劣化します。

とくに、日射、放射冷却の影響は大きいため、スレート屋根の屋根面の方位によって劣化状態に違いが発生します。

 

◆スレート屋根の北面の特徴

●コケが生えやすい

●藻が生えやすい

●凍害によるはく離・ひび割れが発生しやすい

スレート屋根の北面は日射があたらないことで、スレート屋根面が乾燥しにくくなりスレートが含む水分によって、上記の劣化症状が見られます。

 

◆スレート屋根の南面の特徴

●退色が目立つ

◆スレート屋根の東・西面の特徴

●南面の近い

東南西のスレート屋根は日射を受けるので乾燥しやすいです。

水分による不具合よりも紫外線劣化による退色が目立ちます。

 

スレート屋根面の方位による劣化の違いについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

スレート屋根の屋根面の方位による劣化の違いを紹介

 

知っておきたいスレート屋根のメンテナンスの頻度と価格

瓦屋根からスレート屋根にすると、メンテナンスの頻度が増えてしまいます。

スレート屋根の必要なメンテナンス価格の目安について紹介します。

  • 約4~5年で「ヒビ割れの補修(約2~3万円)」が必要になる場合がある
  • 約10~15年くらいで「棟の交換(約10~30万円)」が必要になる
  • 約15~20年くらいで「再塗装(約50~80万円)」が必要になる
  • 約30年くらいで「屋根の葺き替え工事(約140~200万円)」が必要になる

 

スレート屋根の塗装の必要性

スレート屋根は、セメント系基材の表面を工場で塗装された屋根材です。

新築後、10年以上すると塗装メンテナンスが必要と言われています。

スレート屋根の塗装が必要な3つの理由を紹介します。

  • 美観の向上
  • 撥水性(はっすいせい)の向上
  • 屋根材の保護

 

スレート屋根に塗装が必要な理由は美観の向上のためです。

10年を過ぎると退色したり、撥水性が低下してコケや藻が生えてしまい見た目が悪くなります。

塗装することで、屋根の印象はよみがえります。

また、塗装メンテナンスすると塗料の撥水性が発揮され、屋根材の吸水性が低下するので、屋根材の保護にもつながります。

 

たまに、「塗装メンテナンスしないと雨漏りする」と間違った説明をいう業者さんもいますが、塗装しなくても雨漏りは発生しません。

スレートは2枚重なり以上となっており、スレートの重なりで雨漏りを防ぐ構造になっています。

スレート表面の塗装が劣化して、撥水性が低下してスレートが吸水したとしても、その下にはもう1枚スレートがあるのでその下までは浸入せず大丈夫です。

スレート屋根の塗装は雨漏り防止ではなく、美観向上のためとお考えください。

 

スレート屋根の塗装が必要な理由について詳しくはこちらの記事で解説しています。

スレート屋根に塗装が必要な3つの理由とは?屋根屋が詳しく解説します

 

屋根を瓦からスレートにするべき人とするべきではない人

屋根を瓦からスレートにすることは賛否両論ありますので、ご自分の考えがどちらに当てはまるかご参考にしてください。

〇スレート屋根にするべき人

  • 初期費用を抑えたい人
  • 屋根を軽くしたい人
  • 屋根の印象を変えたい人

 

●スレート屋根にするべきではない人

  • メンテナンス頻度の少なさを重視する人
  • メンテナンス費用を抑えたい人
  • デザイン性を重視する人

 

今回の葺き替えの初期費用を抑えたい人・屋根を少しでも軽くしたい人はスレート屋根に葺き替えしてもいいと思います。

今回の葺き替えよりも今後のメンテナンス頻度を抑えたい人は瓦で葺き替えるべきです。

 

その他の屋根材について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。

屋根材の人気ランキング!オススメはどれ?チェックポイントも解説!

 

 

屋根の葺き替え工事の費用を抑えるなら相見積もりが重要

屋根の葺き替え工事の費用を抑えたい人は相見積もりを取りましょう。

相見積もりをすることで、検討している工事費用の見積もりが妥当なのか比較することができます。

最安値を探すというよりも相場より高い業者を避けることができるとお考えください。

また、業者によって言っていることが違うことも認識できます。

自分の考えに近い業者を選びやすくなります。

屋根修理は、電化製品のように最低限の機能が補償されているとは限りません。

実際の業者の仕事内容のレベルは見積段階ではわからないのでよく検討することをオススメします。

また、屋根修理業者の選び方について詳しくはこちらの記事で解説しています。

どんな屋根修理業者に頼めば良いの?優良業者の5つの特徴を解説!

 

【まとめ】スレートは初期費用を抑えたい方向きの屋根材です

屋根を瓦からスレートに葺き替えるメリット・デメリットを紹介しました。

今回の葺き替えの初期費用を抑えたい人・屋根を少しでも軽くしたい人はスレート屋根に葺き替えしてもいいと思います。

今回の葺き替えよりも今後のメンテナンス頻度を抑えたい人は瓦で葺き替えるべきです。

屋根の葺き替え工事の費用を抑えたい人は相見積もりを取りましょう。

相見積もりをすることで、検討している工事内容・工事費用の見積もりが妥当なのか比較することができます。

屋根修理は、電化製品のように最低限の機能が補償されているとは限りません。

実際の業者の仕事内容のレベルは見積段階ではわからないので、自分の考え方に近い業者を選ぶことをオススメします。

 

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