目次
外壁の防水工事の重要性
雨漏りは屋根からだけではなく、外壁からも浸入することがあります。
外壁にはもともと塗料が塗られており、その塗膜で外壁からの雨水浸入を防いでいます。
建物の外壁は建物自体の振動や外壁材の湿潤膨張、乾燥収縮のくり返し、経年劣化などによりヒビ割れが発生します。
そのため、外壁の塗膜の防水性能が低下しなくても、外壁のヒビ割れ部分から雨水浸入します。
また、外壁の塗膜の防水性能も紫外線劣化などにより10年程度で低下していくので、元々の防水性能は長続きしません。
外壁のヒビ割れや塗膜の防水性能の低下が発生してもすぐに雨漏りするわけではありませんが、メンテナンスは必要です。
特別な外壁の防水工事はない
外壁に塗料を塗布する工事を塗装工事、屋上・バルコニーにウレタン防水などを塗布する工事を防水工事といいます。
そのため、外壁に防水材料を塗る防水工事はありません。
防水塗料というものはなく、塗料の中で防水性能の高い塗料を使用した塗装工事のことやヒビ割れしたコーキングの打ち直しなど、感覚的に外壁からの雨水浸入を防ぐ工事全般を外壁の防水工事と呼んでいると思われます。
そのため、単に防水性能の高い塗料を塗るだけの場合ばかりではなく、外壁材の劣化が激しい場合のモルタル外壁の補修やサイディングの張り替え、その内側の防水シートの交換、コーキングの打ち直しなども含まれるとお考えください。
外壁の防水工事の費用は?
外壁の防水工事の費用について簡単にご紹介します。
工事内容 | 外壁の種類 | 費用相場 |
---|---|---|
防水塗装 | モルタル、ALCパネル、コンクリート | 6,000~7,000円/㎡ |
ヒビ割れのコーキング | モルタル、ALCパネル、コンクリート | 2,500円/m |
サイディングの張り替え | サイディング | 14,000~円/㎡ |
外壁塗装 | サイディング、モルタル、ALCパネル、コンクリート | 3,500~円/㎡ |
コーキングの打ち替え | サイディング、ALCパネル | 950~1,200円/m |
防水塗装工事は、複層弾性仕上げで外壁塗装した費用です。
ヒビ割れのコーキング工事は、モルタル、ALCパネル、コンクリートなどの外壁のヒビ割れをUカットして、コーキング補修した費用です。
サイディングの張り替え工事は、既存サイディングを撤去して、下地となる胴縁、防水シート、サイディングから新たに設置した費用です。
外壁塗装工事は、シリコン塗料を使った一般的な外壁塗装の費用です。
コーキングの打ち替え工事は、既存のコーキングを撤去して新たにコーキングした費用です。
外壁の雨漏りを防ぐ主な防水工事の仕上がりについて次の章で紹介します。
外壁の防水工事の3つの仕上げ方法
外壁の防水工事の3つの仕上げ方法を紹介します。
- 防水塗装工事
- サイディングの張り替え工事
- 外壁塗装工事
それぞれについて簡単に解説します。
①防水塗装工事
モルタル外壁・ALCパネル・コンクリートの防水仕上げとして、防水塗装には単層弾性仕上げと複層弾性仕上げがあります。
ヒビ割れが小さい場合は、単層弾性仕上げがリーズナブルな価格となります。
ヒビ割れが大きい場合は、複層弾性仕上げでしっかりとヒビ割れ対策を行うことをオススメします。
費用は高くなりますが、上塗り塗料を耐久性の高いものにすることもできます。
②サイディングの張り替え工事
サイディングからの雨漏りが頻繁に発生する場合は、サイディングの室内側にある防水シートの施工をやり直す防水工事が必要となります。
サイディングを撤去しないとできない工事となりますので、結果、新規のサイディングで復旧することになります。
丁寧に防水シート・下地を施工し直すことで、雨漏りをしっかり補修することができます。
費用は高額となりますが、サイディングは新品となり仕上がりはきれいになります。
③外壁塗装工事
通常の外壁塗装での仕上げの場合は、コーキングの打ち替えを行うことで防水工事となります。
劣化したコーキングを撤去して新規にコーキングを打ち替えて、その上から外壁塗装を行うため、外壁の仕上がりはきれいになります。
外壁の防水工事のタイミング
建物の寿命を延ばすためには、外壁の防水工事(防水塗装工事、外壁塗装工事)は定期的に行うことが重要です。
工法や使用する塗料によっても耐用年数は異なりますが、外壁の防水工事のタイミングの目安は10~15年とお考えください。
10~15年経過していなくても、雨漏りや大きいヒビ割れが発生した場合は、補修を含めた防水工事が必要なタイミングとなります。
サイディングの張り替え工事は定期的に行うことはありません。
サイディングから頻繁に雨漏りする場合、防水シートを含めた根本的な解決策として行う外壁の防水工事となります。
外壁の塗装とベランダの防水工事は一緒にすべき?
外壁の塗装とベランダの防水工事は一緒に検討しましょう。
ベランダの防水が機能する期間は、一般的なものだと10~15年が平均であり、外壁塗装も一般的な塗料は10年程度で塗り替えの時期となります。
同じタイミングでの防水工事の検討をオススメします。
ベランダの防水工事が足場を必要としない立地の場合は、予算の関係でベランダ防水工事を後回しにするケースもあります。
足場が必要な場合は、外壁の塗装工事にあわせて行いましょう。
外壁の防水工事はコーキングが重要です
外壁の防水工事(防水塗装工事、外壁塗装工事)はコーキングが重要となります。
外壁材の塗装面が劣化していなくても、コーキングにヒビ割れや剥離が発生したら、外壁材の裏面には雨水が浸入します。
とくにサイディングの下地の木部は濡れた状態となるため、やがて腐ってくるリスクがあります。
サイディング内には防水シートが入っていますが、大量に雨水が浸入すると窓まわりや開口部まわりなどから防水シート内部へ浸入して雨漏りリスクとなります。
防水シート内部へ浸入し続けると雨漏りしなくても、壁内でのカビやシロアリの発生します。
コーキング剤の劣化を放置するとやがて建物自体が劣化するリスクにつながります。
外壁材の塗料の防水機能が高くても、コーキングを補修する場合には、足場を設置する必要があり、費用負担は大きくなります。
外壁塗装の耐久性能とコーキングの耐久性能を合わせることが重要です。
外壁防水におけるコーキングの重要性について詳しくはこちらの記事で解説しています。
外壁の防水工事のDIYは可能?
外壁の防水工事のDIYはオススメできません。
外壁の防水工事は外壁の美観をきれいにする塗装とは異なります。
塗装のプロである塗装業者でも雨漏りを直すことができない場合もあります。
DIYとしてはかなり難易度が高い工事となりますのでやめておきましょう。
雨漏りの原因によっても、外壁の防水工事の工事内容が異なりますので、専門業者に依頼することをオススメします。
外壁に使える防水スプレーは有効?
外壁に使える防水スプレーはモルタル外壁やコンクリート壁の細い亀裂、ヒビ割れ部分や小さい穴等に有効です。
ただし、防水スプレーの塗膜はとても薄いため、あくまでも応急処置としてお考えください。
防水スプレーでも靴やカバンなどに使用するための商品が多いため、用途を確認しておきましょう。
外壁に使える防水スプレーについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
【まとめ】定期的な外壁のメンテナンスを意識しよう
雨漏りは屋根からだけではなく、外壁からも浸入することがあります。
外壁のヒビ割れや塗膜の防水性能の低下が発生してもすぐに雨漏りするわけではありませんが、メンテナンスは必要です。
建物の寿命を延ばすためには、外壁の防水工事(防水塗装工事、外壁塗装工事)は定期的に行うことが重要です。
工法や使用する塗料によっても耐用年数は異なりますが、外壁の防水工事のタイミングの目安は10~15年とお考えください。
雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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