目次
傾斜屋根に防水塗装はいらない
傾斜屋根には、屋根材の下に防水シートを設置し、屋根材(1次防水)と防水シート(2次防水)のセットで雨水浸入を防いでいます。
そのため、傾斜屋根では屋根材に防水塗装は必要ありません。
防水塗装(防水工事)が必要なのは、陸屋根(ろくやね)・屋上などの傾斜がないフラットな屋根となります。
陸屋根とは、傾斜のない平面状の屋根のことで、屋上とは、ビルなどの屋根の上に人が出られるようにしてある平らな場所のことです。
屋根の防水塗装に使う塗料の種類
防水塗装が必要なのは、既存の屋根表面が防水層で雨水浸入を防ぐ構造となっている屋根(陸屋根・屋上など)とお考えください。
既存の屋根表面の防水層とは、シート防水、アスファルト防水、塗膜防水(防水塗装)のことです。
屋根の防水塗装によく使われる塗料としては、「FRP(エフアールピー)」と「ウレタン」があります。
次の章からそれぞれの特徴や価格を解説していきます。
屋根の防水塗装の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。
FRPによる防水塗装の価格
FRPとは、繊維強化プラスチックの略称で、表面がガラスのように仕上がる防水塗料です。
ガラス繊維を補強材として液体の不飽和ポリエステル樹脂を重ね塗りして継ぎ目のない防水層を形成します。
FRPは軽量かつ強靭で耐熱性・耐候性にも優れており、サビたり腐ったりすることがありません。
FRPは紫外線劣化するため、耐用年数10~13年程度です。
FRPのメンテナンス方法は、2種類あります。
耐用年数前(約5年ごと)にトップコートのみを塗り替えする方法と耐用年数を経過してから防水層から塗り替えする方法があります。
費用の目安は以下となります。
FRPの塗装の種類 | 費用 |
---|---|
トップコートのみの塗装 | 2,000~3,000円/㎡ |
防水層からの塗装 | 6,000~8,000円/㎡ |
ウレタンによる防水塗装の価格
ウレタンとは、固まるとゴム弾性となる特殊な防水塗料で、下地の動きに追随できる防水材です。
ウレタン防水は液状の防水材料を塗布して重ね塗りする工法で、継ぎ目のない連続した防水層を形成します。
複雑な形状や架台や立上りなどの立体形状でも、連続塗膜となり容易に防水工事が可能となります。
ウレタンの耐用年数は10~13年程度です。
耐用年数前(約5年ごと)にトップコートのみを塗り替えする方法と耐用年数を経過してから防水層から塗り替えする方法があります。
費用の目安は以下となります。
ウレタンの塗装の種類 | 費用 |
---|---|
トップコートのみの塗装 | 1,500~2,500円/㎡ |
防水層からの塗装 | 5,000~7,000円/㎡ |
価格などを考慮してオススメの防水塗装はどっち?
既存の防水層がFRPの場合は、FRPでの防水塗装の補修が一般的です。
既存の防水層がその他の場合は、ウレタンでの防水塗装をオススメします。
ウレタンには防水層の上に塗布する密着工法の他に、下地の防水層にヒビ割れやはがれなどが発生している場合には、下地を補強してからウレタンを塗布する通気緩衝工法があります。
また、防水面に立上りや付帯設備がある場合でもウレタンなら塗布が容易となり、余分な費用が発生しないのでオススメとなります。
高価格となってしまう可能性のある劣化症状
トップコートの塗り替えではなく、防水層からの塗り替えが必要なため高価格となってしまう可能性のある劣化症状を紹介します。
- 水たまり
- ふくれ
- 防水層の寿命(上からの塗装だけで対処できない)
- 雨漏り
●水たまり
屋上に水たまりができる場合は、屋根の塗装だけでは不十分です。
排水ドレンの詰まりや水勾配に不具合が発生している可能性があります。
放置すると雨漏りにつながりますので、水たまりは早期に解消する補修が必要です。
●ふくれ
屋上防水層にふくれが発生することがあります。
防水層の下に水や水分がたまることでふくれとなるため、ふくれの部分の防水層を撤去して改修する必要があります。
●防水層の寿命(上からの塗装だけでは対処できない)
防水層の表面のヒビ割れだけではなく、下地からのヒビ割れが発生すると雨漏りにつながります。
下地の防水層からの補修が必要です。
●雨漏り
屋上下の天井から雨漏りしている場合、防水層の補修が必要です。
屋上防水からの雨漏りは急激に悪化するので放置せずに補修しましょう。
防水塗装を長持ちさせるポイント
屋根で受けた雨水は、排水ドレンと呼ばれる排水溝に集まって縦樋へ排水されます。
排水溝が詰まっていると、雨水が溜まってしまい防水層の劣化が加速してしまいます。
排水溝をこまめに掃除することが長持ちさせるポイントです。
陸屋根に出入りできる場合は、屋上にある落ち葉やビニール袋・土埃などを掃除するように心かけましょう。
防水層は表面が劣化してくると変色してくるので、変色が目立つ場合はトップコートの塗り替えを行う時期です。
目安としては、5年ごとに塗り替えと長持ちします。
その他の防水工事と価格
防水工事は、防水塗装以外にシート防水やアスファルト防水があります。
シート防水とは、塩化ビニールやゴム製のシートを専用の接着剤や機械的固定で屋上面に留め付けて施工します。
シート同士も固着させることで、水の浸入を防ぐ防水層のことです。
価格は6,000~8,000円/㎡となります。
アスファルト防水とは、アスファルトを染み込ませたシートを屋上面に貼り重ねて施工します。
フラットではないので、歩行しないところに施工します。
価格は6,000~8,000円/㎡となります。
既存の防水層を同じ防水層で補修することは可能ですが、別の防水層に替えるときは防水塗装(ウレタン防水)がオススメです。
防水層の上に付帯設備が設置されていることが多いので、防水塗装(ウレタン防水)はその隙間にも施工できて安心です。
屋根の防水塗装は専門業者に依頼しよう
自分で防水塗装をやってしまおうと考える人もいるかもしれませんが、防水塗装は専門性が高いため、専門業者に依頼するべきです。
既存の防水層の劣化状態を判断することが難しく、トップコートの塗装でいいのか、防水層からの塗装が必要なのか、判別できません。
防水層からの塗装であればDIYはNGです。
自分で行って失敗した場合は、かえって費用が高くなってしまいます。
屋上からの雨漏りは室内への被害も大きいですし、DIYすると雨漏りの原因が見つけにくくなり、なかなか直らない雨漏りとなってしまいます。
専門業者であれば、アフターフォローがしっかりしていたり、工事保証があったりと何かあったときの対応も期待できます。
【まとめ】屋根の防水塗装の価格の相場は知っておこう
屋根の防水塗装が必要なのは、傾斜屋根の屋根材の塗装ではなく陸屋根の防水層の塗装となります。
陸屋根の防水塗装によく使われる塗料としては、「FRP(エフアールピー)」と「ウレタン」があります。
既存の防水層がFRP以外の場合は、ウレタン防水の塗装がオススメです。
耐用年数前(約5年ごと)にトップコートのみを塗り替えする方法と耐用年数を経過してから防水層から塗り替えする方法があります。
ウレタンの塗装の種類 | 費用 |
---|---|
トップコートのみの塗装 | 1,500~2,500円/㎡ |
防水層からの塗装 | 5,000~7,000円/㎡ |
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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