セメント瓦は防水塗装が必要?メンテナンスについて詳しく解説します

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

セメント瓦は防水塗装が必要なのかを知りたい

セメント瓦のメンテナンス方法について知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「セメント瓦は防水塗装が必要なのかを知りたい」「セメント瓦のメンテナンス方法について知りたい」という方に向けて書かれています。

瓦には防水塗装が必要な瓦と必要ではない瓦があります。
セメント瓦に防水塗装が必要なのかやどんなメンテナンスが必要なのかって、わかりにくいですよね。

本記事では、セメント瓦は防水塗装が必要なのかを解説していきます。この記事を読めばメンテナンスの方法がわかるように解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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セメント瓦は防水塗装が必要?

瓦には、粘土系の瓦とセメント系の屋根材(以下セメント瓦)があります。

粘土系の瓦は高温(約1100℃)の窯で焼いて生産しており、表面は釉薬(ゆうやく)や炭素被膜で着色されています。

釉薬による着色は茶碗や皿と同じ方法であり変色はほとんど起きないので、粘土系瓦の塗装は必要ありません。

セメント瓦は表面を塗料で着色しています。

塗料は経年で紫外線劣化するので塗料の性能が落ちてしまうので、セメント瓦の防水塗装メンテナンスは必要となります。

 

セメント瓦の特徴

セメント瓦は今から約40年前に普及した屋根材の一種類で、セメントと砂からできています。

日本瓦と比べると安価に量産しやすかったため、当時は多く採用されていました。

セメント瓦は日本瓦に比べて洋風の建物に合う形状となっています。

築後10年を過ぎると表面の塗装が劣化・退色し、変色・色あせが目立ちます。

また、表面から水分を吸収しやすくなり、やがて、カビ・コケ・藻などが生えてきます。

 

防水性のなくなったセメント瓦の劣化症状

防水性のなくなったセメント瓦の劣化症状を紹介します。

●変色・色あせ

日常的に紫外線や風雨があたり、表面の塗料が劣化して変色や色あせが起こります。

 

●カビ・コケの繁殖

表面の塗料が劣化すると防水性が切れてセメント瓦の表面が水分を含みやすくなります。

カビ・コケが根付きやすく、繁殖がすすみます。

 

●ヒビ割れ・欠落

施工中のヘアークラック部分が吸水による膨張・乾燥による収縮を繰り返すことでヒビ割れへと成長し、欠落が起こることもあります。

 

セメント瓦にはどんな防水塗料を選ぶべき?

セメント瓦はすべての塗料が使用できる訳ではありません。

とくに、下塗り塗料がセメント瓦に適用しているかどうか、必ず確認するべきです。

セメント瓦は表面の下地処理も難しく、高級な塗料を塗布してもその期待通りにはいかない場合もあります。

意外と不具合が発生しやすいので、コストパフォーマンスの高い標準的なシリコン系塗料がオススメです。

 

瓦にオススメの塗料について詳しくはこちらの記事で解説しています。

瓦にオススメの防水塗料とは?そもそも瓦屋根に塗装は必要?

 

セメント瓦の防水塗装に必要な費用

セメント瓦の防水塗装に必要な費用を紹介します。

一般的な2階建ての住宅(塗装面積50~80㎡)で、足場設置費用込みで約60万円~とお考えください。

セメント瓦の種類や劣化の程度、使用する塗料の値段によって、必要な費用は大きく変わってきます。

 

防水塗料をセメント瓦に塗装する手順

防水塗料をセメント瓦に塗装する手順を紹介します。

  1. 高圧洗浄
  2. 下塗り
  3. 中塗り
  4. 上塗り

 

高圧洗浄して、表面の汚れやコケ・藻などをしっかりと取り除きます。

凹凸のある形状でも下塗りをしっかりと全面塗布します。

ここまでの下地処理を丁寧に行うことが塗装の不具合を無くすことにつながります。

中塗り・上塗りを順番に行います。

セメント瓦の形状によっては、上下の重なり部分で瓦が塗料で密着してしまう恐れがあります。

密着したままにすると雨漏りが発生するリスクがあるので、塗装後に縁切り作業を行いましょう。

 

割れなどがある場合は防水塗装での対応は不可能

セメント瓦にヒビ割れや欠落がある場合は、交換できる材料の有無を確認しましょう。

セメント瓦が廃盤品で、交換できる材料が手に入らない場合は防水塗装での対応は不可能で葺き替え工事が必要になる可能性もあります。

雨漏りなどが発生しているとセメント瓦のヒビ割れや欠落から雨水浸入して、セメント瓦の下にある防水シートや野地板まで傷んでいると思われます。

この場合は、セメント瓦の防水塗装では雨漏りを止めることができませんので、セメント瓦の部分修理もしくは葺き替えを検討しましょう。

 

野地板について詳しくはこちらの記事で解説しています。

野地板(のじいた)ってなに? 屋根の用語・Q&A

 

セメント瓦の寿命

セメント瓦の寿命は30年程度と言われております。

また、過去に普及していたものの様々な点から既に製造されていない廃盤品がほとんどとなっています。

今後もある程度住み続けるのであれば、25年程度経過したセメント瓦のメンテナンスは防水塗装ではなく、葺き替えを検討されることをオススメします。

スレート屋根のようにカバー工法することはできませんので、「塗装」か「葺き替え」となります。

 

築25年のセメント瓦の劣化状態について詳しくはこちらの記事で解説しています。

築25年セメント屋根材を見てみると限界でしたよ~!

 

自分の家の瓦を見分ける方法

自分の家の瓦が塗装が必要なセメント瓦かどうかを見分ける方法を紹介します。

  • 角が角ばっている
  • デザイン性が高いものが多い
  • 表面がゴツゴツしている
  • 塗装が剥がれている
  • 塗装が色褪せている

 

●角が角ばっている

●デザイン性が高いものが多い

●表面がゴツゴツしている

●塗装が剥がれている

●塗装が色褪せている

 

日本瓦とセメント瓦の違いについて詳しくはこちらの記事で解説しています。

瓦屋根とセメント瓦の屋根の見分け方をご紹介します。

 

【まとめ】セメント瓦のメンテナンスに塗装は必要です

セメント瓦は表面を塗料で着色しており、塗料は経年で紫外線劣化するので塗料の性能が落ちてしまうので、セメント瓦の防水塗装メンテナンスは必要となります。

築後10年を過ぎると表面の塗装が劣化・退色し、変色・色あせが目立ち、表面から水分を吸収しやすくなり、やがて、カビ・コケ・藻などが生えてきます。

セメント瓦の寿命は30年程度のため、あまり高価な塗料ではなくコストパフォーマンスが高いシリコン塗装がオススメです。

また、今後もある程度住み続けるのであれば、25年程度経過したセメント瓦のメンテナンスは防水塗装ではなく、葺き替えを検討されることをオススメします。

 

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