目次
屋根塗装の費用相場
屋根塗装に費用相場は、概ね40~万円程度とお考えください。
例えば、一般的な2階建てのスレート屋根の場合(30坪前後の大きさの建物・塗り面積が60~80㎡程度)は40~60万円程度となります。
屋根塗装の費用は、建物の大きさ、屋根形状(傾斜大小)、立地、屋根材の種類や劣化状態、塗装の種類によって変わります。
見積もり時には、現場調査が必要となります。
屋根塗装の費用相場に影響を与える要素
屋根塗装の費用に影響を与える主な要素を紹介します。
- 屋根の汚れ
- 屋根の数・面積
- 屋根の勾配(こうばい)
それぞれについて簡単に解説します。
屋根の汚れ
屋根の汚れは塗装費用に影響を与えます。
屋根の汚れを落としきれないまま、塗装するとその後の不具合が発生するためです。
スレート・セメント屋根の表面は、コケや藻、カビなどが付着していることが多く、しっかり高圧洗浄の水圧で吹き飛ばすことが必須です。
トタン・ガルバリウム鋼板屋根の表面は、サビが付着していることが多く、ケレンで取り除くことが必要です。
また、既存の塗膜の密着が弱い場合は、その塗膜が汚れと同じ扱いとなります。
この場合は、塗膜をはがす手間が大変なことと下地処理が必要なため、割高となります。
屋根の数・面積
屋根塗装の費用に影響を与える要素に、屋根の数と面積があります。
大きな家や複雑な屋根形状では、当然屋根の数や面積が多いため、費用が思ったよりも高くなってしまいます。
屋根の勾配
屋根塗装の費用に影響を与える要素に、屋根の勾配(傾斜の角度)があります。
同じ床面積でも、屋根の勾配が大きいほど塗装する面積は広くなります。
その分だけ、塗装費用は高額となります。
また、6寸勾配以上の急な屋根になりますと職人が普通に屋根の上で作業することはできません。
追加の屋根足場費用が発生しますし、足場につかまっての作業となるため、作業手間も割高となります。
屋根塗装の金額に影響を与える要素について詳しくはこちらの記事で解説しています。
瓦屋根に屋根塗装は必要なの?
屋根瓦には、粘土系の瓦(一般的な瓦のこと)とセメント系の屋根材(瓦のような形状/セメント瓦と呼ばれている)の2種類があります。
粘土系の瓦は高温(約1100℃)の窯で焼き、表面は釉薬(ゆうやく)や炭素被膜で着色されており、塗料は使用されていません。
瓦の釉薬による着色は茶碗や皿と同じ手法であり、変色はほとんどなく屋根塗装は必要ありません。
一方で、セメント系の屋根材(セメント瓦)はその表面を塗料で着色した屋根材です。
セメント系の屋根材は経年で塗料が紫外線劣化し変色するため、メンテナンスとして屋根塗装が必要となります。
一般の方では、瓦屋根が瓦なのかセメント系の屋根材なのか区別できないこともありますので、自宅の瓦屋根がどちらなのか確認しておきましょう。
屋根瓦の屋根塗装について詳しくはこちらの記事で解説しています。
塗料代の相場価格
塗料代は屋根塗装費用の全体の約30~40%を占めています。
塗料代は塗料メーカーや塗料の種類によっても価格は大きく変わります。
塗料の種類によって、価格や屋根における耐用年数が異なりますのでまとめておきます。
塗料の種類 | 屋根の塗料耐久年数 | 費用目安 |
---|---|---|
ウレタン | 約4~6年 | 25,000~70,000円 |
シリコン | 約5~7年 | 30,000~80,000円 |
フッ素 | 約7~10年 | 80,000~160,000円 |
無機 | 約10~15年 | 100,000~240,000円 |
屋根は外壁よりも自然環境の影響(日射、雨、雪、放射冷却、紫外線、温度差など)を受けるため、外壁の塗料よりも劣化の進行が早くなります。
外壁のシーリングのメンテナンスが10年おきと言われており、足場設置のタイミングを合わせることが効率的となります。
そのため、中途半端に長持ちする塗料よりは、外壁に併せてメンテナンスすると割り切ることで安価な塗料が選択できます。
コスパがいい屋根塗装の塗料はシリコンがオススメとなります。
塗料は何がいいのかについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
スレートの屋根塗装の費用相場
スレートの屋根塗装の費用相場の目安をまとめました。
㎡数 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
---|---|---|---|
30㎡ | 7~9万円 | 8~12万円 | 15~21万円 |
60㎡ | 14~19万円 | 17~23万円 | 31~42万円 |
90㎡ | 21~28万円 | 25~35万円 | 46~63万円 |
120㎡ | 28~37万円 | 33~46万円 | 61~83万円 |
150㎡ | 35~46万円 | 42~58万円 | 76~104万円 |
180㎡ | 42~56万円 | 50~70万円 | 92~125万円 |
※足場代、下地処理、洗浄、縁切り、養生代などは含みません。
※ウレタン塗料:1,500~2,000円/㎡ シリコン塗料:1,800~2,500円/㎡ フッ素塗料:3,100~3,500円/㎡
セメント瓦の屋根塗装費用相場
セメント瓦の屋根塗装の費用相場の目安をまとめました。
㎡数 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
---|---|---|---|
30㎡ | 7~9万円 | 10~13万円 | 16~18万円 |
60㎡ | 14~19万円 | 19~26万円 | 32~36万円 |
90㎡ | 21~28万円 | 29~39万円 | 48~53万円 |
120㎡ | 28~37万円 | 38~52万円 | 63~71万円 |
150㎡ | 35~46万円 | 48~65万円 | 79~89万円 |
180㎡ | 42~56万円 | 58~78万円 | 95~107万円 |
※足場代、下地処理、洗浄、縁切り、養生代などは含みません。
※ウレタン塗料:1,500~2,000円/㎡ シリコン塗料:2,000~2,700円/㎡ フッ素塗料:3,300~3,700円/㎡
トタン屋根の屋根塗装費用相場
トタンの屋根塗装の費用相場の目安をまとめました。
㎡数 | ウレタン塗料 | シリコン塗料 | フッ素塗料 |
---|---|---|---|
30㎡ | 7~9万円 | 8~11万円 | 14~16万円 |
60㎡ | 14~19万円 | 15~21万円 | 28~32万円 |
90㎡ | 21~28万円 | 23~32万円 | 42~48万円 |
120㎡ | 28~37万円 | 31~42万円 | 56~64万円 |
150㎡ | 35~46万円 | 38~53万円 | 70~79万円 |
180㎡ | 42~56万円 | 46~64万円 | 84~95万円 |
※足場代、下地処理、洗浄、養生代などは含みません。
※ウレタン塗料:1,500~2,000円/㎡ シリコン塗料:1,600~2,200円/㎡ フッ素塗料:2,900~3,300円/㎡
屋根塗装を検討すべき劣化症状
塗装する時期が近いかどうか知るために、屋根塗装を検討すべき劣化症状を紹介しておきます。
- 色あせ
- コケやカビの発生
- 凍害
- 反り
- サビ
以下で事例を紹介します。
●色あせ
屋根材表面に色あせ・色ムラが発生すると屋根塗装が劣化したとお考えください。
●コケやカビの発生
スレートやセメント瓦などは塗料が劣化すると屋根材表面の撥水性が低下して、表面から水を吸うようになります。
屋根材表面の水分量が多くなり、コケや藻、カビが発生します。
コケや藻、カビの発生は、屋根塗装が劣化しているとお考えください。
●凍害
スレートやセメント瓦は屋根材の製品特性によっては、冬季に屋根材が吸った水分が凍る(膨張)・融ける(収縮)を繰り返すことで、屋根材自体が破壊され、ヒビ割れ・はくりが発生する凍害という症状が起きることがあります。
屋根材の塗料が劣化することで吸水しやすくなりますので、屋根塗装が劣化しているとお考えください。
ただし、この場合は屋根材自体が破損しているため、屋根塗装はNGとなります。
塗装する前の洗浄などで屋根材自体の破損が拡がってしまうからです。
●反り・浮き
スレートは塗料が劣化することで、表面から吸水するようになります。
表面からの吸水・乾燥を繰り返すことで、スレートに反り・浮きが発生することがあります。
スレートに反り・浮きが発生した場合は、屋根塗装が劣化しているとお考えください。
●サビ
トタン・ガルバリウム鋼板屋根は塗料が劣化することで、サビが発生します。
金属屋根材にサビが発生した場合は、屋根塗装が劣化しているとお考えください。
屋根塗装の適切な時期について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装は何年後?適切な時期を知るための3つのポイントを解説
遮熱塗料は本当に効果があるの?
遮熱塗料は近年人気ですが、住宅では天井上に断熱材が入っているため、遮熱塗料の効果を室内で感じることはほとんどありません。
通常の塗料よりも遮熱塗料が高価な場合、そのコストアップ分のメリットを受けることは難しいです。
屋根の色を気にしないのであれば、明るい色(もっとも効果があるのは白色)を選ぶことをオススメします。
シリコン塗料の白色であれば、コストアップなしに遮熱効果を得ることができます。
遮熱塗料について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装で遮熱塗料を使うのは効果的?メリットとデメリットを解説
【まとめ】屋根塗装は費用相場を把握してから依頼しよう
屋根塗装に費用相場は、概ね40~万円程度とお考えください。
屋根塗装の費用は、建物の大きさ、屋根形状(傾斜大小)、立地、屋根材の種類や劣化状態、塗装の種類によって変わります。
最終的には、現場調査して見積もりとなりますが、屋根塗装の費用相場を把握してから現場調査を依頼しましょう。
屋根は外壁よりも自然環境の影響(日射、雨、雪、放射冷却、紫外線、温度差など)を受けるため、外壁の塗料よりも劣化の進行が早くなります。
高グレードな塗料よりもコストパフォーマンスが高いシリコン塗料をオススメします。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
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