目次
トタン屋根のカバー工法はできるのか
トタン屋根に新しい屋根を全面に重ねて張るカバー工法があります。
ただし、既存のトタン屋根の形状によっては、直接、新しい屋根をカバーすることができません。
また、トタン屋根の下地である野地板が劣化している場合も直接のカバー工法ができません。
これらの場合は、既存のトタン屋根の上に野地板を新設して、新しい屋根を設置するカバー工法となります。
カバー工法とするか、葺き替えとするかは屋根下地の劣化状態で判断することが多いです。
屋根下地の野地板について詳しくはこちらの記事で解説しています。
トタン屋根のカバー工法のDIYは可能なのか
現在のトタン屋根の下地の状態を把握し、カバー工法が可能か判断することは、一般の方には難しいです。
また、野地板を新設してのカバー工法はDIYの範囲を超えていますのでやめておきましょう。
屋根全面のカバー工法は、屋根修理工事の中でも大規模な工事であり、かつ高所作業となりますので、大きな危険が伴います。
トタン屋根のカバー工法はDIYでは不可能とお考えください。
DIYは難しい！トタン屋根のカバー工法の手順
トタン屋根の上に野地板を設置するカバー工法の手順を紹介します。
- 下地調整
- 野地板張り
- ルーフィング張り
- 新規金属屋根張り
①下地調整
既存のトタン屋根の上の野地板の下地となる垂木を設置して、屋根面の不陸（高さの違い）を調整します。
雨漏りしている場合は、既存トタン屋根の穴をコーキングや防水テープでふさぎます。
②野地板張り
木下地に野地合板を留め付けます。
トタン屋根の上に新しい屋根下地が造ります。
最悪、この野地板の下へ雨が浸入しても絶対雨漏りしないように排水経路を確保する配慮が必要です。
③ルーフィング張り
野地合板の上に新しいルーフィングを設置します。
壁際・谷部などから雨水が浸入しないように注意して張ります。
④新規金属屋根張り
最後に新しい金属屋根を設置します。
屋根の中心は問題ないのですが、屋根の端部から雨水浸入しないように壁との取り合い部に雨押え水切りを設置して、コーキング処理をしっかり行います。
カバー工法のデメリットを知っておこう
カバー工法のデメリットも検討する上で知っておきましょう。
- 耐震性に影響する可能性がある（必ず施工前よりは重くなる）
- 内部の補修が必要な場合には施工できない（カバーした材料の下は補修できない）
- 選択できる屋根材が限られる
- 屋根下地の状態によっては施工できない（既存の屋根下地が劣化しているとNG）
- 将来の改修・解体時の費用が2倍以上と高額になる（分別解体が必須なので手間がかかる）
トタン屋根は屋根下地が雨漏りや結露で腐っている可能性が高いです。
屋根下地を確認せずにカバー工法すると巨大台風で新規屋根材が飛散するリスクがありますので、注意しておきましょう。
カバー工法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根修理でカバー工法を行うメリットやデメリットは？注意点も解説！
そもそもDIYは応急処置までと考えよう
一般的な屋根修理のDIYのデメリットを紹介します。
- 転落・滑落によるケガや最悪では死亡するリスクがある
- 夏場は熱中症のリスクがある
- 始めから業者に頼む方が安くなることがある
- 直る保証がなく修理前より状況が悪化するリスクがある
- 騒音や塗料の飛散対策ができず近隣トラブルになる可能性がある
屋根修理は難易度の高いDIYですので、デメリットが目に付きます。
もしトタン屋根の修理工事を行うとしても、カバー工法ではなく「サビの除去」や「防水テープによる補修」・「コーキングによる補修」などの応急処置のDIYにとどめておきましょう。
トタン屋根修理のDIYの方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
トタン屋根修理のDIYの方法とは？業者に依頼した場合の費用も紹介
DIYを検討する前にトタン屋根の寿命を知っておこう
トタン屋根のDIYを検討する前に、自宅のトタン屋根の寿命が近づいていないかを知っておきましょう。
寿命が近づいている場合は、屋根修理のDIYを行っても、またずぐにメンテナンスを行わなければならず、根本的な問題の解決にならない可能性があります。
トタン屋根の寿命は気候・立地の状況によりますが、しっかりメンテナンスを行っていないと15～20年程度となります。
10年毎が経過する前にサビの除去や塗装メンテナンスを行うことで、寿命を伸ばすことができます。
定期メンテナンスを行わず、寿命が近づいている場合や既に寿命が来ている場合は、サビの除去や塗装メンテンナンスを行っても1年程度はいいですが、すぐにサビが進行してしまいます。
カバー工法や屋根葺き替え工事が必要な状態となっているとお考えください。
トタン屋根の状況を診て必要な修理を判断しよう
トタン屋根の状況を診て必要な修理方法を判断することが重要です。
| トタン屋根の症状 | 修理方法 |
|---|---|
| チョーキング | 塗装 |
| 色あせ | 塗装 |
| 軽いサビ | ケレン＆塗装 |
| 重度のさび | カバー工法や葺き替え |
| 穴開き | カバー工法や葺き替え |
| 屋根下地の強度低下 | 葺き替え |
屋根下地の強度低下は屋根の先端・端部や北面など、劣化しやすい場所を診て判断することが重要です。
屋根面全体が劣化することは少ないので、一部を確認してOKと判断しないように注意してください。
屋根葺き替え工事の費用相場について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根葺き替え工事の費用相場は？屋根材ごとに違う金額を完全解説
トタン屋根修理のDIYをするなら足場は設置しよう
トタン屋根修理のDIYを行うときは、以下の3つの理由から足場を設置するようにしてください。
- 安全確保のため
- 作業の質の向上のため
- ご近所への配慮のため
トタン屋根の周辺部は屋根下地が腐っている可能性があります。
腐った部分を歩いた時に足場を設置していないとバランスを崩して屋根から滑落するリスクとなります。
屋根からの滑落で年間100名以上の方が無くなっているので、十分注意してください。
屋根修理の際の足場について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根修理に足場が必要な3つの理由とは？費用相場や注意点も紹介
トタン屋根のカバー工法を業者に依頼した場合の費用
トタン屋根のカバー工法を業者に依頼した場合の目安は、80万円以上必要となります。（足場設置費含まず/建物の大きさ、立地により異なる）
逆に、100万円の工事をDIYで行うのは、無理がありますのでやめておきましょう。
また、少し高くなりますが屋根葺き替え工事を行った方がいい場合もあります。
信頼できる専門業者と相談して慎重に判断されることをオススメします。
また、カバー工法以外のトタン屋根修理の費用相場の目安も紹介します。
| 修理の内容 | 費用相場（円） |
|---|---|
| 穴あき補修 | 50,000～ |
| 部分的な張替え | 100,000～ |
| 棟板金の交換 | 100,000～ |
| 再塗装 | 300,000～ |
| カバー工法 | 800,000～ |
| 葺き替え工事 | 1,000,000～ |
【まとめ】トタン屋根のカバー工法のDIYは難しい
トタン屋根に新しい屋根を全面に重ねて張るカバー工法とトタン屋根の上に新しい野地板を設置して、新しい屋根を施工するカバー工法の2種類があります。
既存トタン屋根の形状が横葺きの場合や既存の屋根下地が劣化している場合は、野地板を設置するカバー工法となります。
現在のトタン屋根の屋根下地の状態を把握し、どちらのカバー工法が可能か判断することは、一般の方には難しいです。
さらに、野地板を屋根全体に設置して、新たに新規屋根を施工するのは、DIYでは工事規模が大きすぎます。
トタン屋根のDIYを検討する前に、自宅のトタン屋根の寿命が近づいていないか確認して、寿命を過ぎているようであればDIYではなく、業者にトタン屋根の状態を点検してもらい、葺き替え工事などのメンテンナンスを含めて相談しましょう。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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