工事の概要
屋根材:日本瓦旧工法棟部⇒冠瓦(7寸丸)1本伏せ
価格:約30,000円/m(足場、下地補強抜き)
工期:2日間
築年数:約40年 約5m
古い日本瓦屋根棟部を耐震改修・補強、冠瓦1本伏せで葺き替え。軽量化にも!
釉薬瓦の日本瓦屋根で棟部は旧工法の物件でした。
古い日本瓦屋根の旧工法で施工されている棟部は耐震性が低く、巨大地震では倒壊してしまいます。
旧工法の見分け方など、詳しくはこちらの記事をご覧ください!
今回、巨大地震で被害が出ないようにしたいが予算もないので、最低限の耐震補強をしてほしいとご依頼いただきました。
そこで、棟部のみを葺き直しすることになりました。
デザインにはこだわらないということで、棟を高くするのし積はやめて、冠瓦1本伏せで葺き直しました。(冠瓦は7寸丸を使用しました。)
冠瓦1本伏せは使用する瓦の量が減少しますので、安価に施工できます。
また、重量的にも軽量化となります。
東南海地震も想定されていますので、古い日本瓦屋根にお住まいの方には、お勧めしたい棟部の葺き直しをご紹介します!
工事の手順
工事前の状態
シルバー色の釉薬を使用した日本瓦屋根です。
相変わらず、ラバーロック工法で補修?されています。(棟部には効果ないですよ!)
⇒は旧工法を示す大回しと呼ばれる銅線が見えます。(この銅線が棟部に見えると旧工法なので、耐震補強が必要です!)
赤丸は棟部から植物が生えています。これは、棟部の中に雨水がまわっている証拠ですので、このまま放置していると雨漏りの恐れがあります。
正直、限界の棟部だったと言えます。
1.棟部の瓦・葺き土・しっくいを解体
古い棟部の瓦・しっくい・葺き土を解体して、きれいに取り除きます。
2.補強棟金物を設置
古い瓦・葺き土を取り除いたら、野地板・たるきなどに補強棟金物を留め付けます。
この金物が冠瓦と建物とを連結させ、耐震性を向上させます。
3.棟芯材を補強棟金物に設置
追加の瓦を入れて、寸法調整して留め付けます。(追加の瓦は昔と同じ色の瓦はほとんどないために、似たような色の瓦で代用します!)
補強棟金物に棟芯材(たるき)を設置して、連結させます。
4.なんばんしっくいを施工
瓦同士の隙間、たるきとの隙間になんばんしっくい(南蛮漆喰)を詰め込みます。
昔の(葺き土+しっくい)と比べるとなんばんしっくい・1種類となりますので、しっくいのはがれを補修する必要もなくなるので、耐久性が向上します!
5.冠瓦(7寸丸)を施工して完成!
施工完了後の屋根です。
赤丸部分は冠瓦をたるきに留め付けているビスです。
冠瓦1本伏せで葺き直すことで、巨大地震の被害をほとんど防ぐことができます。
屋根自体の軽量化にもつながります。
ちなみに、どれぐらい軽量化になるのか?
なんと、棟の長さが10mとすると、
約700㎏の軽量化となります!
例えるなら、軽自動車1台分軽くなるんです!
大阪府北部地震でも、古い日本瓦屋根棟部の被害が多数発生しています。
古い日本瓦屋根にお住まいの方は、是非、巨大地震が来る前の耐震改修をお勧めします!
ご質問等あれば、お気軽にお問い合わせください。
神清からのお願い
記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。
お客様の率直な感想をいただくため「役にたった」「役に立たなかった」ボタンを設置しました。
私たちは、日々屋根にお困りのお客様にとって必要な情報をお伝えしたいと考えております。今後のご参考にさせて頂きますのでご協力よろしくお願いいたします。