福島県沖地震の瓦屋根被害調査報告書が公表。内容を簡単に解説します。

Dr.神谷
Dr.神谷
  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

・瓦屋根の耐震性が気になっている人。

・瓦屋根のメンテナンスを検討している人。

・古い瓦屋根にお住まいの人。

この記事で伝えたいこと

令和3年2月に発生した福島県沖を震源とする地震の瓦屋根被害調査報告書が各瓦関係団体のホームページに掲載されました。

東日本大震災から10年経過したときに発生した余震です。

瓦屋根被害調査チームに参加して、現地を歩いて報告書の作成の手伝いも行いましたので、簡単に内容を解説します。

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福島県沖を震源とする地震

令和3年2月13日に福島県沖を震源地とするマグニチュード7.3の東日本大震災の余震とされる大きな地震がありました。

宮城県蔵王町、福島県相馬市、国見町、新地町が震度6強を観測しました。

全壊69棟、半壊729棟、一部損壊19,758棟となっています。(令和3年3月29日時点)

宿泊していたホテルにも、外装や内装にヒビ割れの被害が発生していました。

瓦屋根被害調査の概要

愛知県陶器瓦工業組合の調査チームのメンバーとして、私は参加しました。

調査団は、国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所、全日本瓦工事業連盟、全国陶器瓦工業組合連合会のメンバーで構成されました。

令和3年2月28日、3月1日の2日間で、福島県と宮城県を調査しました。

この地域は、10年前の東日本大震災で大きな被害が発生したエリアでしたので、その時、補修した屋根がどのような状態となっているかも含めて調査しました。

瓦屋根ガイドライン工法の被害状況

最近の瓦屋根は、ガイドライン工法で施工されています。

ガイドライン工法とは、瓦屋根の耐震性・耐風性が確保された瓦の施工方法です。

ガイドライン工法で施工された屋根には、被害は発生していませんでした。

被害が発生した瓦屋根とは?

被害が発生した瓦屋根は、東日本大震災の復旧時にガイドライン工法で補修していない屋根がほとんどでした。

瓦屋根の被害の多くは棟部で発生していました。

古い日本瓦屋根の棟部は城や寺のように、瓦を積み上げる仕様となっていました。

その瓦を銅線と土で積み上げていて、中に芯棒が入っていませんでした。

そのため、鉄筋の入っていないブロック塀と同じように崩れてしまうのです。

今回の地震では被害がなかった瓦屋根

東日本大震災の補修時にしっかりと直した屋根は被害がありませんでした。

ガイドライン工法で補修

ガイドライン工法で施工すれば、棟を高くして鬼瓦を使用する昔ながらの屋根でも被害はありませんでした。

棟を低くしてガイドライン工法で補修

棟を低くして、ガイドライン工法で補修した屋根は比較的多く見かけました。

瓦屋からすると、鬼瓦の大きさと比較して棟が低く見えるのですが、地震に強いことが確認できました。

棟を冠瓦1本伏せで補修

棟から鬼瓦やのし瓦を撤去して、冠瓦1本伏せで補修した瓦屋根には、被害はありませんでした。

地震が来る前の平時な内に、冠瓦1本伏せで補修されることをオススメします。

 

瓦屋根被害調査報告書

全体の状況は報告書をご覧ください。

また、報告書の後半は、別紙として悉皆(しっかい)調査報告書が添付されています。

宮城県山元町136件の全棟調査の内容も報告されています。

「福島県沖を震源とする地震による瓦屋根被害調査報告書」

 

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