バルコニーは防水シートによる防水が安い?メリットとデメリットも解説

Dr.神谷
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    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

バルコニーは防水シートによる防水が安いのかを知りたい

防水シートによるバルコニーの防水工事のメリットとデメリットを知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「バルコニーは防水シートによる防水が安いのかを知りたい」「防水シートによるバルコニーの防水工事のメリットとデメリットを知りたい」という方に向けて書かれています。

バルコニーは防水シートによる防水工事が安いのでしょうか?
メリットやデメリットも把握しておきたいですよね。

本記事では、防水シートによるバルコニーの防水工事について解説していきます。防水シートによる防水工事の種類やリスク・注意点も解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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バルコニーは防水シートによる防水が安い?

バルコニーは防水シートによる防水工事(シート防水)が他の工事よりも費用(ライフサイクルコスト)を抑えられる可能性があります。

防水シートを使ったバルコニーの防水工事は、厚さ1~2mmの塩ビシートやゴムシートを床面に貼り付ける工法です。

既存の防水層が防水シートとなっていて、複雑な形状ではなく、平らな床面をメンテナンスするのに適しています。

また、バルコニーに築後からエアコンなどの付属設備がたくさん置かれていない場合もオススメです。

 

防水シートによる防水工事の種類

防水シートによる防水工事は、「塩ビシートによる防水工事」と「ゴムシートによる防水工事」の2種類あります。

種類シートの厚み単価工期
塩ビシートによる防水工事1.5~2.5mm6,000~8,000円/㎡2~4日
ゴムシートによる防水工事1.2~2.0mm6,000~7,500円/㎡2~4日

 

それぞれについて詳しく解説していきます。

 

塩化ビニールシートのメリットとデメリット

バルコニーの塩化ビニールシートによる防水工事のメリットとデメリットを紹介します。

【メリット】

  • 紫外線に強い
  • 耐摩耗性が高い
  • トップコートが不要な場合もある

 

塩化ビニールシートは紫外線や熱に比較的強く、耐候性に優れています。

また、耐摩耗性もあり、ベランダの歩行・活用しても防水層に穴が開きにくいです。

紫外線劣化に強いため、トップコートを省くケースもあります。

 

【デメリット】

  • 複雑な形状に対応できない
  • 接合部分の施工が難しい
  • 寿命が近づくと割れやすい

 

塩化ビニールシートはロール状のシートを拡げて施工するので、床面が複雑な形状では施工できません。

シート同士の接合部や端部などはきれいに仕上げる必要があります。

経年劣化が進むとヒビ割れなどが発生しやすくなります。

 

ゴムシートのメリットとデメリット

バルコニーのゴムシートによる防水工事についてのメリットとデメリットを紹介します。

【メリット】

  • 伸縮性があり下地に追従する
  • 温度変化に強い
  • 低価格の施工が可能

 

ゴムシートは伸縮性があるため、下地の動きに追従し、ヒビ割れを発生しにくくなっています。

塩ビシートよりも安価に施工できることもあります。

 

【デメリット】

  • 下地が平らでなければならない
  • 紫外線に弱い
  • 薄いので衝撃に弱い

 

ゴムシートもロール状のシートであるため、床面が複雑な形状となっていると施工不可となります。

紫外線には弱いので、トップコートの保護効果が切れるとゴムシート自体が劣化してしまいます。

ゴムシートは厚みがないため、鳥害などの被害を受けやすいです。

 

バルコニーに施工した防水シートの寿命

少し前では、防水シートはゴムシートが主流でしたが、最近では耐候性がある塩ビシートが主流となっています。

耐用年数の目安としては、塩ビシートによる防水工事は10~15年、ゴムシートによる防水工事は10~12年となっています。

単価に大きな差はなく、耐用年数は塩化ビニールシートの方が長いため、ライフサイクルコストは塩化ビニールシートの方が安価となります。

 

バルコニーの防水シートの劣化の見分け方

バルコニーの防水シートの劣化症状について紹介します。

●シートのふくれ

防水シートの下に雨水浸入してしまうとシートのふくれが発生します。

雨漏りリスクが高まっている状態です。

●シートの破れ

防水シートが破れるとそこから下地へ浸入します。

下地のヒビ割れ等へ浸水すると雨漏りとなります。

●シートの接合部や端部のはがれ

防水シートが縮むことで端部にはがれや隙間が発生します。

●シートの浮きやめくれ

防水シートに浮きやめくれが発生することがあります。

●水溜まり

防水シートに水溜まりができることがあります。

これらの劣化症状が発生した場合は、防水シートのメンテナンスを検討しましょう。

 

防水シートの交換費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋根の防水シートの交換費用はどれくらい?交換時期や劣化症状も解説

 

防水シートによる防水のリスクと注意点

防水シートによる防水のリスクや注意点を紹介します。

近年、主流の塩化ビニールシートは経年により固くなってヒビ割れが発生するため、そのまま放置すると雨漏りにつながります。

ゴムシートで1.2mm~2.0mm程度、塩ビシートで1.5mm~2.5mm程度の厚さしかないため、強風で飛ばされてきた飛来物で防水層が破れてしまったり、カラスなどの鳥のくちばしによるついばみで破れてしまったりすることがあります。

防水シートの結合部分(ラップ部分)は、隙間ができてしまうと防水性能は著しく低下してしまいます。

経年による接着力の低下やシートの収縮による剥がれ・接着剤の塗布量の不足やムラなどが結合部分の隙間の原因です。

防水シートは劣化するので、定期メンテナンスが必須となります。

 

防水シートによるバルコニーの防水工事の流れ

防水シートによるバルコニーの防水工事の流れを紹介します。

  1. 既存防水撤去
  2. 下地処置
  3. 接着剤塗布
  4. シート貼付
  5. トップコート

 

●既存防水撤去

既存防水シートの平部・立上り部を撤去、固定金具も取外します。

●下地処理

下地のヒビ割れ部分を埋めます。

ドレンまわりなどは補強のために両面テープを貼り付けます。

●接着剤塗布

下地・防水シートの裏面ともに接着剤を塗布します。

●防水シート貼り付け

防水シートを貼り、接合部は熱融着でシート同士を密着させます。

●トップコート塗布

必要に応じてトップコートを塗布します。

 

防水シート以外のバルコニーの防水工事

防水シート以外のバルコニーの防水工事を紹介します。

  1. ウレタン防水
  2. トップコート塗布
  3. FRP防水

 

それぞれについて簡単に解説します。

①ウレタン防水

ウレタン防水とは、ウレタン樹脂という液体の防水材を塗布し乾燥させて防水層を作る防水工事のことです。

既存防水層の上に付帯設備が設置されている複雑な形状にも防水層を作ることが比較的容易です。

「通気緩衝工法」と「密着工法」があり、バルコニーでは密着工法を行うことが多いです。

 

②トップコート塗布

紫外線劣化を防ぐ保護層となるトップコートを防水層の表面に塗布します。

5年置きの定期メンテナンスを行うことで防水層の劣化を防ぎます。

 

③FRP防水

FRP防水とは、液体のポリエステル樹脂に硬化剤を加えて、ガラス繊維などで補強・一体化した塗膜防水です。

耐衝撃性・耐摩耗性に優れて軽量であるといった特徴があります。

木造のバルコニーで多く採用されています。

 

防水工事の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。

防水工事の代表的な種類を紹介!特徴や費用・耐用年数などすべて解説

 

【まとめ】バルコニーは防水シートがオススメです

防水シートを使ったバルコニーの防水工事は、厚さ1~2mmの塩ビシートやゴムシートを床面に貼り付ける工法です。

既存の防水層が防水シートとなっていて、複雑な形状ではなく、平らな床面をメンテナンスするのに適しています。

少し前では、防水シートはゴムシートが主流でしたが、最近では耐候性がある塩ビシートが主流となっています。

耐用年数の目安としては、塩ビシートによる防水工事は10~15年、ゴムシートによる防水工事は10~12年となっています。

単価に大きな差はなく、耐用年数は塩化ビニールシートの方が長いため、ライフサイクルコストは塩化ビニールシートの方が安価となります。

防水シートは劣化するので、定期メンテナンスが必須となります。

 

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