目次
屋根塗装が意味ない3つのケース
屋根塗装が意味ない3つのケースについて紹介します。
- 屋根材が粘土瓦の場合
- 劣化が大きく進行している場合
- 築年数が浅い場合
次の章から詳しく解説していきます。
【屋根塗装が意味ないケース】①屋根材が粘土瓦の場合
屋根材が粘土瓦の場合は、屋根塗装を行うことはNGとなっています。
瓦とは粘土を焼いた屋根材のことです。
しかし、セメント瓦やスレート瓦といったセメント系の屋根材のことも〇〇瓦と呼ばれることがあるので区別しておきましょう。
粘土瓦は、セメント系の屋根材とは異なり高温(約1100℃)の窯で焼き、表面は釉薬(ゆうやく)や炭素被膜で着色されています。
表面に塗装していないため、変色はほとんど起きず、塗装するとかえって雨漏りしやすくなるのでNGとなっています。
因みにセメント系の屋根材の表面は塗料で着色されているため、屋根塗装のメンテナンスを行います。
屋根瓦の屋根塗装について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【屋根塗装が意味ないケース】②劣化が大きく進行している場合
屋根の劣化が大きく進行している場合は、屋根塗装を行っても意味がない状態と言えます。
粘土瓦以外のセメント系屋根材、スレート屋根、金属屋根などは屋根の寿命が30年と言われています。(ちなみに粘土瓦は60年以上)
セメント系屋根材、スレート屋根、金属屋根は表面が塗装されており、屋根塗装のメンテナンスを行う屋根材ですが、30年を過ぎると防水シートの劣化が心配となり、屋根葺き替えやカバー工法を行う必要があります。
また、セメント系屋根材、スレート屋根の中には、耐久性に問題があり、表面のはくりやはがれ、ヒビ割れなどが発生して、10年程度で劣化が大きく進行してしまう商品もあります。
そのため、30年を過ぎた屋根や劣化が大きく進行している屋根では、屋根塗装以外のメンテナンスが必要となり、屋根塗装を行うことは意味がありません。
【屋根塗装が意味ないケース】③築年数が浅い場合
屋根材の表面が塗料で着色されている場合は、基本的には屋根塗装のメンテナンスは必要となります。
ただし、10年未満の築年数が浅い場合は、屋根塗装する意味はありません。(基本的には、屋根材の塗装は10年程度は持つからです。)
また、屋根葺き替えやカバー工法などのメンテナンスを行い、新規に屋根材を設置した場合も同様に10年未満は屋根塗装することがNGではありませんが、意味はありません。
屋根塗装の耐久年数は塗料の種類によって変わりますが、約10~15年と言われています。
屋根塗装の耐用年数について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装の耐用年数はどれくらい?知っておきたい3つの注意点とは?
屋根塗装のメリット・デメリット
屋根塗装のメリットとデメリットを紹介します。
【メリット】
- 美観の向上
- 屋根材の保護(防サビ効果の向上)
- 吸水低下効果の向上(コケ・藻発生の防止効果の向上)
- 遮熱効果の向上(白系のみ)
屋根塗装のメリットは何と言っても美観の向上です。(屋根が若返ります。)
金属屋根は防サビの効果が向上します。
スレート・セメント系屋根材はコケ・藻発生の防止効果が向上します。
【デメリット】
- 雨漏りリスク
- 時間経過による色あせ
- 短期間での再メンテナンスで費用がかさむ
屋根塗装は「縁切り」という作業が必要です。
「縁切り」とは、スレートの上下の重なり部分を塗料でふさいでしまわないように、塗装した翌日にカッターなどで塗料を切ることです。
「縁切り」を怠ると数年後に雨漏りが発生します。(スレートが雨漏りする主な原因です。)
スレート屋根の「縁切り」について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根塗装が必要な屋根の劣化症状
屋根塗装が必要な屋根の劣化症状を紹介します。
- 広い範囲の傷みや色あせ
- コケや藻が発生している
- 広い範囲のヒビ割れや欠け
●広い範囲の傷みや色あせ
金属屋根(トタン・ガルバリウム鋼板)では色あせやサビをそのまま放置すると鋼板の腐食が進行します。
サビが裏面まで達すると穴開きとなり、やがて雨漏りするリスクが高まります。
広範囲に色あせやサビが発生した場合は屋根塗装が必要です。
●コケや藻が発生している
スレート・セメント系屋根材は塗装が劣化するとコケ・藻が発生します。
とくに、日射が当たらない場所は顕著に見られます。
美観が極端に悪くなるので、屋根塗装メンテナンスで美観が向上します。
●広い範囲のヒビ割れや欠け
広い範囲のスレート屋根のヒビ割れや欠けはその後も劣化が進行します。
ヒビ割れがさらに悪化する前にヒビ割れをコーキングしてから屋根塗装することでヒビ割れの進行を軽減できます。
屋根塗装に必要な費用相場
屋根塗装に必要な費用相場を紹介します。
一般的な2階建てのスレート屋根の場合(塗り面積が60~80㎡程度)は、40~60万円程度(30坪前後の大きさの建物)が目安となります。
屋根塗装と言っても、塗装の種類、屋根材の種類や劣化状態、建物の立地、大きさや形状などによって変わってきます。
屋根塗装の費用について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨漏りは屋根塗装で直らない
既に雨漏りしている場合、残念ながら屋根塗装が解決策となりません。
傾斜屋根の塗装で雨漏りが直ることはないため、塗装業者さんの「建物全体を塗装をすれば雨漏りが直る」というようなセールストークにダマされないように注意しましょう。
屋根の防水構造は「一次防水」と呼ばれる雨水を浸入させない屋根材と「二次防水」と呼ばれる屋根材から雨水が浸入したときにそれ以上突破させない防水シートの2つがセットになっています。
雨漏りしている場合は、屋根材の下に位置する防水シートが突破されて、その下に雨が浸入しており、そこに何らかの不具合が発生しています。
雨漏りをしっかり直すには、その防水シートまでの不具合を解決する必要があり、屋根材を撤去して、防水シートの不具合を直す必要があります。
塗装は一次防水の屋根材の表面を塗るだけなので、屋根塗装で雨漏りを直すことはできません。
屋根塗装は意味ない?迷うならプロに相談しよう
屋根塗装は外壁塗装のついでに行うことが一般的です。
屋根の状態が気になり、屋根修理の一環として屋根塗装をするべきか迷った場合は、屋根のプロに相談してみましょう。
屋根が気になるのは以下のことが多いと思われます。
- 屋根材の種類がわからない
- 雨漏りしているのかわからない
- 屋根の劣化症状がわからない
- 屋根の異音が気になる
- 屋根のメンテナンススケジュールがわからない
- 屋根がどれぐらい持つのか知りたい
これらの屋根の疑問は、塗装業者に相談されることはオススメできません。
屋根塗装はやみくもに行うのではなく、屋根の専門業者に依頼して屋根の状態を調査をしてもらうことが重要です。
屋根塗装以外のメンテナンスも選択肢の一つとなります。
雨漏りしている場合は、必ず屋根の専門業者に依頼しましょう。
【まとめ】屋根塗装は意味ないのかは屋根材次第です
屋根塗装が意味ない3つのケースについて紹介しました。
粘土瓦とセメント瓦の区別ができず、粘土瓦を塗装されては最悪ですので、屋根の状態をしっかりと把握しましょう。
屋根塗装は屋根の美観向上が主目的です。
金属屋根の場合は、サビの進行を軽減するので塗装メンテナンスは必要です。
屋根のそれ以外の不具合で屋根塗装を勧められている場合は、屋根の専門業者に相談されることをオススメします。
雨漏りしている場合は、屋根塗装ではなく、屋根の雨漏り修理を屋根修理業者に相談されることをオススメします。
屋根に関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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