みなさま。こんにちわ。
屋根から部屋を明るくし、人の笑顔を作りたい!!!
神清のDr.神谷です。
さて、最近、屋根屋として非常に気になっていることがあります。
それは、「訪問販売による屋根の詐欺被害が増えている」というウワサ。
特に「しっくい」がらみの詐欺が多いということです。
これは屋根屋として伝えておかないと!
ということで今回はそのことについてみなさんにお伝えさせていただこうと思います!!
目次
しっくいとは「瓦」の屋根に使われれるもの。
そもそも「しっくい」って?
おそらくこういう疑問をお持ちの方もいるはず。
業者か誰かに指摘されて初めて
「自分の家の屋根にもしっくいが載ってるんだ。」
という感じで意識する人がほとんどかもしれません。
実際の写真でお見せするとこんな感じになります。
これは、瓦屋根の棟部を解体したときの写真です。
黒矢印の部分が「しっくい」です。
しっくいの役割は主に2つです。
しっくいの主な役割は以下の二つ。
①瓦を施工するための葺き土(ふきつち)を雨から守る。
②見た目が白くなり、きれい。
という役割を担っています。
要するに「瓦屋根」のお宅には大体しっくいが使われている場合が多い。
屋根に載っている材料がスレートやガルバリウムの方は、そもそもしっくいとは無縁な方が多いんです。
スレート屋根についてはこちらで書かせていただいております。
親切に見せかけた「しっくい詐欺」とは。
悪質な屋根訪問業者は築20年以上の瓦屋根のお宅を狙ってきます。
一般的にしっくいの寿命は20年くらいと言われています。
そのくらいで「しっくいの剥がれ」などの症状が出るかもしれません。
あなたのお家、築20年以上立っていたらご用心。
こういうお宅は悪質業者にとっては狙いやすいんですね。
ハートが強い彼らはインターホンを鳴らして、こんなことを言います。
「しっくい」が剥がれているように見えたんですが、直ぐに対処しないと雨漏りになりますよ。
ただ、
今ちょうど工事道具を持っているので、ささっとやりましょうか?
と、概ねこんな感じです。
ただ、しっくいの異常は近くでみないと通常はわからないはず。
屋根の下から見て「しっくいがまずいことになっている!」とわかる人は、超人レベルの視力の持ち主です。
もし屋根に登ってもいないのにいきなり
「しっくいがおかしい」
と指摘してきたら、その時点でかなり怪しいのです。
しっくいが剥がれても、普通はすぐに害が出るわけではない。
さらに万が一しっくいが剥がれていたとしても、いきなり雨漏りが始まってしまうということはありません。
先程の解体現場の写真からわかるように、しっくいの中には葺き土がしっかり入っています。
葺き土が雨で浸食されるまでには、年単位の時間がかかります。
また、正しいしっくい補修工事をしないとかえって、雨漏りを引き起こす原因にもなってしまいます。
「正しいしっくい工事」と「間違ったしっくい工事」の違いは?
わかりにくいと思いますので、図で説明しますね。
画像向かって左側は「正しくしっくい工事が行われた状態」です。
しっくいは赤点線よりも棟の中心側に施工されています。
通常、瓦屋さんは棟のメンテナンスをする時に、この位置関係を意識してしっくいを塗ります。
一方、画像向かって右側は「間違ってしっくい工事が行われた状態」(厚塗り)。
瓦屋さん以外の方が工事する場合、しっくいは多い方がいいと勘違いし、赤点線よりも外側まで塗ってしまっています。
そうすると2段目ののし瓦から浸入してくる雨を外に排水できず、しっくいが水浸しに。
そのしっくいの内側に染み込んだ水が葺き土を浸食していき、やがて雨漏りの原因となってしまうのです。
ちなみに参考までに、正しくしっくいの施工した棟はこんな感じです。↓
しっくい部分が濡れないようにきちんと施行されていますね!
雨漏りの原因は「しっくい」ではなく「葺き土」の湿り
そう、雨漏りが起きるのは「しっくいの剥がれ」が原因なのではなく、「葺き土の湿り」が原因になっているケースが多いのです。
なので、「しっくいが剥がれたから直ぐに工事した方がいい!」
と勧めてくる業者はかなり知識が怪しいと思ってもらった方がいいんですよね。
また、最近では葺き土としっくいが一緒になった「なんばんしっくい」と呼ばれる商品が標準化してきているので、「葺き土」を使っている瓦屋根は減少傾向にあります。
こうやってみると、
しっくいの剥がれで大騒ぎする業者さん。なんか怪しい感じしませんか?
【怪しい業者】の見抜き方は3つの質問でバッチリ
突然あなたの家に来る「屋根のしっくい詐欺業者」。
この見抜き方は、品川の石川商店さんの記事がとてもよくまとめてくれていますので引用させていただきます。
具体的には訪問してきた職人さんに3つの質問をしてきちんと答えられるか確認すれば大丈夫なはずです。
・「かわらぶき技能士」さんですか?「かわらぶき技能士」を知っていますか?
・普段の瓦工事では、どのガイドライン工法で工事されていますか?
・割れていたその瓦、正式にはなんていう名前ですか?
全国の瓦屋さんに怒られそうですが「瓦の漆喰(しっくい)塗り替え工事は不要です!」【屋根の押し売り事例集 第4回】
https://riverstone-roofing.com/basic/20151120_sales004/を参照させていただきました!
この質問にきちんと答えられない業者さんはそもそも「雨漏りする原因」をきちんと把握しているかどうかも怪しいです。
なので、そういう職人さんがきた時には速やかにおかえりいただきましょう。
また、そういう怪しい業者は「とにかく屋根に上がらせないこと」。
一度、そういった怪しい業者を屋根に上げてしまうとありもしない問題をでっち上げて報告され、不要な工事をふっかけられることがあるかもしれません。
【まとめ】:屋根の突然の訪問販売で少しでも怪しいと思ったら絶対に屋根には上げないこと!
というわけで、
突然の屋根の訪問販売には十分に気をつけましょう。
とにかく怪しいかどうかわからない!とおもったら、やはり信頼できる屋根屋さんに相談するのが一番です。
神清はもちろんお客様のためにも、屋根業界の信頼のためにも、誠実にお客様のご相談に答えますので。
困ったらいつでもお気軽にご相談くださいませ!
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