陸屋根の遮熱塗装は有効なの?メリットとデメリットを考慮しよう

Dr.神谷
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  • みなさま。こんにちは。
    屋根から人の笑顔を作りたい!!!神清(かみせい)のDr.神谷です。

    弊社は、高浜市・半田市にある創業150年老舗三州瓦の生産・販売・工事を行っている会社です。
    年間200棟以上の雨漏り調査・修理を行っています。
    建築業界誌「日経アーキテクチュア」の連載記事「新次元!雨漏り対策」を執筆しています。

本記事はこんな人にお勧めします。

陸屋根の遮熱塗装が有効なのかを知りたい

陸屋根の遮熱塗装のメリットとデメリットを知りたい

この記事で伝えたいこと

この記事は「陸屋根の遮熱塗装が有効なのかを知りたい」「陸屋根の遮熱塗装のメリットとデメリットを知りたい」という方に向けて書かれています。

最近よく耳にする遮熱塗装は、陸屋根に有効なのでしょうか?

遮熱塗料が暑い夏場に室内の温度を下げてくれるなら、ちょっと試してみようかなと思いますよね。

本記事では、陸屋根の遮熱塗装が有効なのかを解説していきます。遮熱塗装のメリットとデメリットについても詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。

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陸屋根の特徴

流行りのキューブ型(箱型)住宅の屋根は陸屋根が多いです。

陸屋根とは、傾斜の無い平面状の屋根のことです。

フラットルーフとか、屋上(おくじょう)と呼ばれることもあります。

陸屋根は、ビルやマンション、アパートでは当たり前でしたが、住宅でも見かけるようになってきました。

陸屋根の住宅では一般的である傾斜屋根とは別世界となり、耐久性、雨漏りリスク、メンテナンス費用などが異なりますのでご注意ください。

 

陸屋根について詳しくはこちらの記事で解説しています。

陸屋根のメリット・デメリット キューブ型住宅は雨漏り・結露対策を!

 

陸屋根の遮熱塗装の効果

陸屋根の遮熱塗装では、夏の日中で最上階の天井上の断熱材から陸屋根までの空間の温度を数℃下げる効果があります。(天井上に断熱材が入っていると室内への影響はほとんどありません。)

陸屋根の表面温度は約10~15℃ほど下げる効果があり、ヒートアイランド化現象の抑制に役立ちます。

塗料は色によって日射反射率が異なります。

遮熱塗装の黒色よりも、普通の塗料の白色の方が日射反射率は高く、遮熱効果も高くなります。

遮熱効果を期待するのであれば、なるべく白系の色を選ぶことをオススメします。

 

陸屋根の遮熱塗装の必要性

陸屋根には防水だけでなく遮熱も必要という話しもありますが、必ずしも必要ではありません。

陸屋根の室内側には、断熱材が施工されています。

断熱材が設置されていると室内への遮熱効果は限定的(真夏の最高温度時でも1℃程度)です。

同じコストなら遮熱性を付加してもいいと思いますが、コストが上がるなら必ずしも必要ではありません。

遮熱塗料で塗装を行っても、室内の温度はほとんど変化がないため、白系の防水塗料で十分です。

 

遮熱塗料の必要性について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋上は防水だけでなく遮熱塗料の塗装も必要?詳しく解説します

 

陸屋根に遮熱塗装を使うメリット

陸屋根に遮熱塗装を使うメリットを紹介します。

  • ヒートアイランド化現象の抑制に貢献する
  • 高温による防水層の劣化を抑制する
  • 断熱材が入っていない工場や倉庫の建物内の温度を低下させる

 

遮熱塗装は日射反射率が高く太陽光を宇宙へ反射させることができるので、ヒートアイランド化現象の抑制に貢献できます。

また、陸屋根の表面温度は低下するため、防水層の高温による劣化を軽減します。

断熱材が入っていない工場や倉庫の建物内の温度は低下します。

 

陸屋根に遮熱塗装を行うデメリット

陸屋根に遮熱塗装を使うデメリットを紹介します。

  • 遮熱塗装の材料費が高い
  • 冬場は陸屋根から熱が入らない
  • 住宅における個人的なメリットが少ない(社会貢献はできる)

 

通常の塗料に比べて、遮熱塗装の材料費は高くなります。

冬場も太陽光を反射してしまうため、建物内の温度は低下します。

ヒートアイランド化現象の抑制という社会貢献はできますが、住宅におけるメリットはほとんどありません。

 

陸屋根で遮熱塗装を行うなら気をつけたいこと

陸屋根はフラットなため、雨水が溜まりやすいです。

雨水の中に混じっている大気中の排気ガスやほこりによる汚れも溜まりやすくなります。

陸屋根の遮熱塗装の表面に汚れが溜まると黒くなり太陽光を吸収しやすくなります。

遮熱効果を発揮しにくくなるため、遮熱効果を維持するには陸屋根の表面を定期的に掃除することが大切です。

陸屋根では排水するためのドレン(排水口)が詰まると、雨漏りの原因となるため、普段からドレンが詰まらないように併せて掃除を行うように気を付けましょう。

 

遮熱塗装は冬場は損?

先ほど遮熱塗装のデメリットでも紹介しましたが、冬場は寒いので少しでも屋根からの熱がほしいところです。

しかし、夏場と同じように日射を反射してしまうため、屋根からの熱の流入は期待できません。

遮熱塗装の室内への効果は少ないですが、冬場はわずかに損してしまいます。

また、冬を考えると遮熱塗装よりも断熱塗装がいいという考え方もありますが、断熱塗装の塗膜の厚みはわずかですので断熱効果もわずかしかなく、こちらも室内への影響はわずかしかありません。

高価な断熱塗装を選ぶメリットはないとお考えください。

 

遮熱と断熱の違い

ついでにもう少し遮熱と断熱の違いを紹介しておきます。

遮熱とは、熱輻射による熱移動を防ぐことで、遮熱材とは、日射を吸収しないように反射する素材です。

熱の移動は、伝導・対流・輻射と3つの方式で移動しますが、その内の輻射による熱の移動を遮るものが遮熱材です。

遮熱効果は表面の日射反射率によって決まります。

一方で、断熱とは、熱の移動・熱の伝達を減少させることで、断熱材とは、室内と室外の温度差があるときに、熱の移動を遅らせる素材です。

断熱効果は断熱性能✖厚みによって決まります。

 

遮熱塗料とは、日射反射率の高い色の塗料のことです。

断熱塗料とは、塗料の中に小さな中空ビーズなどの断熱性能の高いものが混ぜ込んであるものです。ただし、塗膜の厚みが薄いので、断熱効果はほとんど期待できません。(ほとんどの断熱塗料は白系なので遮熱効果はあります。)

 

遮熱住宅と断熱住宅について詳しくはこちらの記事で解説しています。

【新築で後悔しない】遮熱住宅vs断熱住宅? 結論:遮熱住宅は寒い!

 

陸屋根は防水機能の維持を重視しよう

人によっては、暑さ対策として遮熱性を重要視されるかもしれませんが、あくまでも陸屋根では防水機能が最も重要です。

陸屋根の防水が劣化してくるタイミングは10~15年で、劣化症状によって必要なメンテナンスが異なります。

防水機能を維持するためには、防水層の定期的なメンテナンスが必要です。

こまめに陸屋根の防水層や排水ドレンの掃除を行いましょう。

メンテナンスをせずに放置しておくと防水層が劣化し、ヒビ割れやあな開きが発生し、やがて雨漏りにつながります。

さらに雨漏りを放置すると、建物の内装材や柱や梁などの構造材を腐食させ、建物の寿命が短くなってしまいます。

 

屋上コンクリートの屋根が雨漏りする原因について詳しくはこちらの記事で解説しています。

屋上コンクリートの屋根が雨漏りする原因は?メンテナンス方法を解説

 

【まとめ】陸屋根の遮熱はよく考えよう

陸屋根に遮熱塗装する3つのメリットとデメリットを紹介しました。

遮熱塗装は日射反射率が高く太陽光を宇宙へ反射させることができるので、ヒートアイランド化現象の抑制に貢献できますが、室内の温度を下げるなどの個人的なメリットはほとんどありません。

断熱材が設置されていると室内への遮熱効果は限定的(真夏の最高温度時でも1℃程度)です。

同じコストなら遮熱性を付加してもいいと思いますが、コストが上がるなら必ずしも必要ではありません。

人によっては、暑さ対策として遮熱性を重要視されるかもしれませんが、あくまでも陸屋根では防水機能が最も重要です。

防水機能を維持するためには、防水層の定期的なメンテナンスが必要ですので、こまめに陸屋根の防水層や排水ドレンの掃除を行いましょう。

 

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