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雨樋の固定は取り付け金具が重要
雨樋の固定は専用の取り付け金具で行われており、雨樋が正常に働くために重要な役割を果たしています。
取り付け金具という名前ですが、雨樋の種類によっては金属製の取り付け金具以外にもポリカーボネート製(樹脂製)のものもあります。
専用の取り付け金具以外のものを代用しようとしても、形状が微妙に合わず設置できないので注意が必要です。
また、地域の積雪量や基準風速によって取り付け金具の設置間隔が異なります。
雨樋の種類によっても設置間隔が異なっています。
正しく設置しないと軒樋の変形、脱落、割れや取り付け金具の変形、破壊が生じますので注意しましょう。
雨樋を固定する金具のタイプ
屋根の軒先(のきさき/屋根の先端)に設置される軒樋を固定する金具は、「鼻隠し(はなかくし)」や「たるき」と呼ばれる屋根下地に設置されます。
設置の仕方が3タイプありますので紹介します。
- 打ち込みタイプ
- 正面打ちタイプ
- 横打ちタイプ
それぞれ簡単に解説します。
打ち込みタイプ
たるき・鼻隠しに金具の先端の尖った部分を打ち込んで設置するのが「打ち込み」タイプです。
たるきの間隔は地域・年代・建物の構造によって異なっており、30~50㎝間隔が多いです。
雨樋の種類によって取り付け金具の間隔が決まっているので、その基準内であれば、たるきを1本飛ばしで設置することも可能です。
正面打ちタイプ
正面から鼻隠しに金具を設置するのが「正面打ち」タイプです。
取り付け金具をビスで留め付けるため、施工しやすく、比較的新しい雨樋はこちらのタイプとなっています。
横打ちタイプ
たるきの横面に金具を設置するのが「横打ち」タイプです。
取り付け金具をビスで留め付けるため、打ち込んだ金具が経年で抜ける可能性は低いです。
雨樋の金具には色々な名前がある
雨樋を固定する取り付け金具にはいろいろな名前があります。
軒樋を固定する金具の呼び名としては、「取り付け金具」「樋受金具」「樋吊り金具」などがあります。
軒樋から地面へ縦向きに取り付けられる縦樋を固定する金具にも変わった名前が付いています。
でんでん
外壁に金具の先端の尖った部分を打ち込んで設置するのが、「でんでん」という金具です。
外壁にあなが開くため、でんでんの縦樋側が下がるように少し斜めの打ち込むことで雨漏りを防ぐことができます。
トンボ
外壁に取り付ける部分が板状になっていて、ビス留めする金具が「トンボ」です。
「T字でんでん」と呼ばれることもあります。
縦樋の固定金具はでんでん以外には「控金具」と呼ぶこともあります。
雨樋の種類や部品について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の種類や様々な部品をすべて知りたい!修理費用やメンテナンスまで完全解説
雨樋の固定方法はとても重要
雨樋の固定は、水勾配を考慮し適切な角度になるように設置しています。
その勾配によって雨水の流れるスピードに大きく影響を与えるとともに、軒樋全体から縦樋へ排水できるように配慮が必要です。
水平距離1000mmに対して高低差を3mmから5mm程度で固定しており、わずかでも逆勾配としてしまうと雨水がうまく流れなくなってしまったり、オーバーフローを起こしたりするため、細かな仕事が要求される作業です。
また、屋根材・軒先水切りとの間隔も関係しており、あまりに下方で軒樋を設置すると屋根材からの雨水を受けることができず、雨樋の役割を果たさなくなります。
屋根材、建物の形状・大きさ、雨樋の種類、水勾配、地域性を考慮して、雨樋の固定位置を決めることがとても重要です。
雨樋の付け方について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の付け方と外し方を知りたい!必要な材料と道具も紹介します
雨樋の金具を設置する間隔
雨樋の金具を設置する間隔は、その建物の条件によって変わります。
金具の間隔が広い場合は、雨樋の変形、脱落、割れや金具の変形、破壊が発生するリスクが高くなります。
金具の間隔は以下を考慮してください。
- 雨樋の種類
- 屋根の勾配
- 雪の降る地域かどうか
- 風が強い地域かどうか
雨樋の種類によって異なりますが、最大でも100㎝未満の間隔で設置することがほとんどです。
風や雪の条件によって、45~60㎝程度の間隔に制限されてきます。
雨樋自体は強度がなく変形しやすいものなので、金具で雨樋を補強しています。
地域に合った金具の間隔を守らないと雨樋の不具合が発生しますので注意しましょう。
外れた雨樋を固定するために必要な費用
外れた雨樋を固定するために必要な費用目安を紹介します。
金具が新たに必要な場合
外れた雨樋の取り付け金具を追加して固定する費用としては、5~10万円となります。
傾斜角度の調整が必要な場合
外れた軒樋を固定する上で、軒樋の水勾配を調整するために取り付け金具を付け直して固定する費用としては、10~15万円となります。
雨樋の交換が必要な場合
外れた雨樋を外壁1面だけ部分交換して固定する場合の費用としては、15~20万円となります。
※上記には足場費用は含まれていません。
雨樋の修理に必要な費用や期間について詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋の固定をDIYでやるのは難しい
雨樋の固定するDIYを行う上でのいくつかの注意点を紹介します。
- 高所作業による転落リスク
- 雨水がスムーズに流れなくなるリスク
- 現状よりも状態が悪くなるリスク
雨樋は屋根の先端についているので、1階でも3m程度あり高所作業となります。
はしごや脚立をつかって取り付け金具を固定する作業はバランスを崩して転落するリスクがありますので気を付けましょう。
とくに、雨樋の固定は水勾配を考慮する必要があり、繊細な作業となるため難易度の高いDIYと言えます。
現状よりも状態が悪くなる可能性もありますので、雨樋の固定するDIYはオススメできません。
雨樋のDIYについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨樋のDIYはどこまで可能?掃除や補修・付け方までを完全解説
雨樋の金具を設置する際の注意点
雨樋の金具を設置する際の注意点を紹介します。
- 既存のあなにもう一度金具を設置してはいけない
- 既存の穴はコーキング材で埋める
- 軒樋金具は適切な勾配・間隔で設置する
- 軒樋金具を設置してから金具を曲げて勾配を合わしてはいけない
- 縦樋金具の取り付け角度に注意して設置する
- 縦樋金具を取り付けてからたたいて角度を調整してはいけない
- 縦樋金具を外壁目地のコーキング部分に設置してはいけない
雨樋のDIYを行う場合は、上記注意点を確認して失敗しないようにしてください。
雨樋の固定を依頼したいときはどんな業者に頼めばいい?
雨樋の固定を依頼できる業者を紹介します。
- 家を建てた施工業者
- 大手ハウスメーカー
- 工務店
- ホームセンター
- リフォーム業者
- 塗装業者
- 屋根や雨樋の修理の専門業者
建築関係の業者であれば、基本どこでも対応できます。
信頼できる業者がいる方はそこに依頼することもありだと思います。
修理費用をできるだけ安くしたい方は、自社で雨樋修理できる業者に依頼した方が安価となる可能性があります。
雨樋の修理はどこに頼めば良いかについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
【まとめ】雨樋はうまく固定されることで機能を果たす
雨樋の固定は専用の取り付け金具で行われており、雨樋が正常に働くために重要な役割を果たしています。
うまく・正しく固定しないと軒樋の変形、脱落、割れや取り付け金具の変形、破壊が生じたり、雨水が流れなかったりすることがあります。
屋根材、建物の形状・大きさ、雨樋の種類、水勾配、地域性を考慮して、雨樋の固定位置を決めることがとても重要であり、水平距離1000mmに対して高低差を3mmから5mm程度で固定する繊細な作業となっています。
そのため、雨樋の固定をDIYで行うことはオススメできません。
信頼できる業者もしくは、自社で雨樋修理する業者に依頼しましょう。
屋根・雨漏りに関してお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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