目次
棟板金とは
棟板金は棟部(むねぶ/屋根の頂部)で使用される板金のことです。
金属製の棟板金は、スレート屋根や金属屋根でよく使用されています。
屋根の棟部は屋根面と屋根面が重なる部分であり、棟板金で覆うように取り付けることで、頂部からの雨水浸入をふせぐ雨仕舞の役割を果たしています。
屋根材の種類(粘土瓦、セメント瓦など)によっては使用されないこともあります。
棟板金から起こる5つの雨漏りのよくある原因
棟板金から起こる5つの雨漏りのよくある原因を紹介します。
- 釘穴
- 浮き
- めくれ
- コーキングの劣化
- サビによる穴
次の章から詳しく解説していきます。
【棟板金から起こる雨漏りの原因】①釘穴
棟板金から起こる雨漏りの原因として、釘穴からの雨水浸入による雨漏りがあります。
棟板金を留めるために、その下地として貫板(ぬきいた)を屋根面に設置します。
貫板を留める釘は屋根材・防水シートを貫通して、野地板に固定されます。
強風雨では、その貫板を留めている釘穴部分まで浸入することがあり、雨漏りの原因となります。
とくに、スレート屋根の隅棟では貫板とスレート屋根材との間に段差分の隙間が発生しているので強風雨で浸入しやすいです。
【棟板金から起こる雨漏りの原因】②浮き
棟板金自体が浮いてしまうことにより、隙間から雨水が浸入し雨漏りの原因となってしまうことがあります。
棟板金は釘で貫板の側面に固定されていますが、台風などの強風で浮いてしまうことがあります。
また、貫板の側面に固定されている釘は経年で少しずつ抜けてしまうことがありますが、この釘抜けは雨漏りと直接関係はありません。
屋根が浮いている状態について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根の板金が浮いていると言われた!どんな状態なの?注意点も解説
棟板金の浮きについて詳しくはこちらの記事で解説しています。
棟板金の浮きの修理に必要な費用は?工事の流れなども詳しく解説
【棟板金から起こる雨漏りの原因】③めくれ
棟板金は巨大台風などの強風でめくれて、飛散してしまうことがあります。
屋根の頂部が暴露してしまうので、大雨が降ると容易に雨水浸入してしまうリスクが高まります。
棟板金のめくれは、貫板から棟板金が飛散する場合と、貫板とともに棟板金が飛散する場合の2つのパターンがあります。
木製の貫板が経年で劣化しているところに、強風による力が貫板の釘の保持力を上回り飛散することになります。
棟板金のめくれや飛散について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【棟板金から起こる雨漏りの原因】④コーキングの劣化
複数の棟が連なる形状の屋根では、棟板金の接合部分にはコーキング材によって止水処理が行なわれています。
コーキングが劣化することに隙間が発生し、雨水浸入して雨漏りにつながることがあります。
コーキングは早ければ5年でひび割れを起こし、徐々にその固着力が低下し、10年以上経過すると劣化して隙間が開いてしまいます。
【棟板金から起こる雨漏りの原因】⑤サビによる穴
現在の棟板金のほとんどがガルバリウム鋼板製かトタン製などの鋼製であるため、それらがサビることで腐食が進みます。
経年劣化でサビが進行すると穴が開いてしまい、そこから雨水浸入することで雨漏りとなってしまいます。
棟板金の表面の傷や屋根のアンテナなどからのもらいサビなどが原因でサビの進行が早めることがあります。
また、海の近い地域では塩害による腐食もサビが進行する要因となります。
棟板金が原因で雨漏りが起こったときの費用
棟板金が原因で雨漏りが起こったときの修理費用について紹介します。
棟板金の修理工事の内容と費用相場をまとめました。
修理内容 | 実施目安 | 費用 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
棟板金の交換 | 既存棟板金・下地木材を撤去して、新しい下地・棟板金を施工する。 | 20~30年 | 20万円~ | 錆び・劣化した場合 |
棟板金の浮き・飛散修理 | 既存棟板金・下地木材の浮き・飛散した部分を交換 | 被害発生後 | 10万円~ | |
棟板金をビス留め | 棟板金を留めている釘が浮いている場合、釘を抜いてビスに交換する。 | 10~30年 | 5万円~ | 釘浮きが多い場合 |
棟板金の塗装 | 既存棟板金の表面に塗装する。 | 10~15年 | 5万円~ | 屋根塗装と併せて実施 |
屋根の板金工事の種類について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根板金工事の種類と値段を紹介!雨漏り防止に重要なこととは?
突然訪問してくる悪徳業者に注意しよう
「棟板金が浮いている」と突然訪問してくる悪徳業者には注意してください。
棟板金が浮いている状態は修理が必要な状態ですが、「屋根の板金が浮いている」という悪徳業者がよく使う決まり文句となっているため、だまされる方が多いです。
屋根の板金が全く浮いていなくても「屋根の板金が浮いている」と指摘してくるので、指摘してきた訪問業者は無視することがオススメです。
その後に、棟板金の浮きが気になるようであれば、地元の屋根修理業者へ点検を依頼しましょう。
その他にも悪徳業者がよく使う営業のパターンを紹介します。
- 「瓦がズレている」と言ってくる
- 「屋根が壊れている」と言ってくる
- 「屋根が剥がれている」と言ってくる
- 「瓦が外れている」と言ってくる
その他の表現の1つである「屋根がパカパカしている」状態について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根がパカパカしている状態とは?注意点や修理方法を屋根屋が解説
屋根修理の強引な営業の断り方について詳しくはこちらの記事で解説しています。
屋根修理の強引な営業の5つの断り方とは?断るための心得も解説
【まとめ】棟板金が気になったら点検しておこう
棟板金が浮いている状態は修理が必要な状態ですが、「屋根の板金が浮いている」という悪徳業者がよく使う決まり文句となっているため、だまされる方が多いです。
屋根の板金が全く浮いていなくても「屋根の板金が浮いている」と指摘してくるので、指摘してきた訪問業者は無視することがオススメです。
その後に、棟板金の浮きが気になるようであれば、地元の屋根修理業者へ点検を依頼しましょう。
その他の決まり文句もありますので、参考にしてください。
- 「瓦がズレている」と言ってくる
- 「屋根が壊れている」と言ってくる
- 「屋根が剥がれている」と言ってくる
- 「瓦が外れている」と言ってくる
屋根が気になったら地元の屋根修理業者へ点検を依頼することがだまされることもなく安心です。
屋根についてお悩みの方はお気軽にお問い合わせください。
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